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2019年03月03日|お知らせ


2007年01月24日(水) 

Web2.0が教えてくれること―既得権を手放す難しさ、そこにある機会。

午前6時20分起床。浅草はくもり。

既得権を手放す難しさ、そこにある機会(TechCrunch)

はっきり言って問題は結局ここに煮詰まってくる― 「Manfredi、インターネットとやらで何をやってもかまわんが、おれたちの金を生んでくれる仕組みに触るなよ。」

これが長年慣れ親しんできた収入源という既得権を持つ会社が「本来のビジネス」を失うことを恐れて変革を起こせず麻痺してしまう原因なのだ。その間に、すばしこいスタートアップがやってきて、おいしいところを持って行き、最後には$1.65B(16億5千万ドル)で売れてしまう

(中略)

既得権ビジネスを探せ。既存の企業が麻痺したまま動けずにいる間に、おいしいとこをさらってしまえ。

Web2.0が教えてくれることのひとつは、この記事に要約されていると(私は)思う。

私はWeb2.0を簡単に説明する時は以下のように言っている。

「あれば便利だなと思うサービスが、Web上にあって、しかもそれが,無償(タダ)で使える。」

(誰か)が、無償のサービス――コンシューマーから見れば「純粋贈与」を提供してしまうことで、既得権的なビジネスモデルは存在し得なくなる。

その(誰か)とは、スタートアップ(つまりWeb2.0的企業)であるが、その多くは失敗に終わる。

そして数少ない成功事例も、より大きな企業に売れてしまうのだが、かといってそれが無償でなくなることはない。

たとえば、これがYahooとMicrosoftがGmailなみに優れたメールサービスを提供できないでいる理由だ。この両社の場合、余分のストレージ容量だとかPOPアクセスだとかの付加機能に対して料金を払ってくれるたくさんのユーザーを抱えている。Gmailなみに優れた〔無料の〕サービスを提供するためには、これらの収入を諦めねばならない。単に市場占有率を高めるだけのために、現在すでにある収入源を潰して無料サービスで置き換えるようトップを説得するにはよほど大胆な幹部が必要だ。(TechCrunch

つまりWeb2.0的環境では、ターゲットは市場占有率の向上――つまりページビュー数、シェアの拡大であって、それは(ナイーブ過ぎるぐらいの)収穫逓増モデルであると(私は)考えている。

そしてもうひとつ。Web2.0的環境は徹底したスクラップアンドビルドを要求しているということだ。

多くのWeb2.0的企業の収益構造は、かつては考えられなかった程のスピードで変化している――ただそれが金融に向かう傾向が強いのはなにか面白くないのだが(仕方がないか……)。

Web化する現実、現実化するWebそれがWeb上だけでなく、受身としてのキアスム的に、つまり「ひねられる」かたち――われわれの力が及ばないかたちで、物理的リアルな世界でも起きているのがWeb2.0だろう。

それは「Web化する現実、現実化するWeb」と(私が)言ってきたものだ。 

それをWeb2.0と呼びたくなければ呼ばなくてもかまわないだろう――名指しは勝手にすればよい。

ただ私はこの環境変化の本質だけは理解するようにしたほうがよいと言ってきただけだ。

なぜなら、今われわれのようなオールドスタイル(既得権にしがみついている)にできることといえば、次の川俣正の示した戦略しかないと考えているからだ。

とりあえずはこの巨大な動きの中で流れて、それ以上のスピードで流れていくことで独自性を保っていくことが一つの方法になるかもしれない。(川俣正:『アートレス』:p45)

それが可能である条件は、この巨大な動きがなにものなのかを、少しでも知っているということだろう。

そしてその巨大な動きは、単なる米国型のマーケット・キャピタリズムとは、ななにか違う動きをしているように(私には)思えることで、(私は)まだWebを見捨ててはいない。

アートレス

アートレス―マイノリティとしての現代美術

川俣正(著)
2001年5月1日
フィルムアート社
2520円(税込

投稿者 momo : 2007年01月24日 08:04 : Newer : Older

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