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2019年03月03日|お知らせ


2007年06月13日(水) 

「公共工事の談合防止策進まず…一般競争入札は7府県のみ」という記事の欺瞞

次の二つの記事を読み比べて欲しい。

公共工事の談合防止策進まず…一般競争入札は7府県のみ

公共工事を巡る官製談合事件が相次いだことを受け、昨年12月に一般競争入札の拡大など不正防止策の指針をまとめた全国知事会(会長=麻生渡・福岡県知事)は13日、各都道府県の実施状況(4月1日時点)を公表した。/指針を受けて、新たに一般競争入札制度を拡大したのは4府県、談合の温床となる職員の再就職制限に乗り出したのは4府県にとどまっている。/公共工事の透明性確保のため、新たに予定価格1000万円以上の工事について原則、一般競争入札としたのは大阪府や三重県など。指針決定の昨年12月時点の3県から7府県に増えただけだった。/一方、OBからの働きかけを防ぐため、新たに天下りを制限したのは山形県、大阪府などわずか4府県で、昨年12月時点で既に導入していたところを含めても計11道府県。これらの道府県では、課長級以上の幹部職員について、退職後2年間は在職中に密接な関係があった企業への再就職を制限するなどの措置を取っている。弁護士ら外部有識者による内部通報窓口を外部に新設したのは6府県だった。 (6月13日13時41分配信 読売新聞)(Yahoo!ニュース - 読売新聞

談合防止へ一般競争入札、31道府県が目標達成へ

全国知事会は13日、公共工事をめぐる談合の再発防止策について都道府県の取り組み状況を公表した。知事会の入札改革指針に沿って予定価格1000万円以上の工事で一般競争入札を導入しているのは4月1日時点で7府県。さらに24道県が今後導入する予定としており、全体の3分の2にあたる31道府県が指針で定める基準を達成する見通しとなった。/都道府県が発注する工事は「大半が1000万円以上」(知事会)。このため、これらの道府県では指名競争入札が事実上廃止されることになる。/一方、一般競争入札の拡大について具体的な目標金額を明記しなかった都県は「今年度からの段階的拡大を含め検討する」(東京)、「7月に拡大額を決定」(山口)、「対象金額の段階的引き下げを検討する」(沖縄)などとしている。 (13:46)(NIKKEI NET:主要ニュース

同じことを扱っているのに、新聞によって(若しくはテクストを書く者の意図によって)伝わるニュアンスは大きく異なる、という見本のようなものだろう。

地方崩壊へのレトリック

日経は知事会の発表を(たぶん)忠実に伝えているだけだろう。それに対して読売は『全体の3分の2にあたる31道府県が指針で定める基準を達成する見通しとなった。』という「見込み部分」を端折り、さらには天下りの問題をつけ加えることで、あたかも、公共工事の談合防止策が進んでいないかのような言い方をしている。

そして相変わらず、一般競争入札こそが最善の談合防止策である、というような思考停止的強調しかできていない。

地方における公共事業の一般競争入札化(マーケット・ソリューション)は間違いなく進展している。

しかし(私の懸念は)全国知事会がこんな按配だからこそ、地方は、ただ(経済的にも、そしてなによりも文化的に)疲弊していくだけだろう、ということだ。マーケット・ソリューションの急激な導入は、共同体性を破壊し、地域経済を疲弊してしまうだろう。

そのことについては、昨年末に「全国知事会が談合防止指針を採択、若しくは地方の終焉ということ。」で書いたのでここではふれない。

投稿者 momo : 2007年06月13日 15:18 : Newer : Older

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