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2019年03月03日|お知らせ



[森永卓郎:「年収100万円台の非正社員」を放置していいのか]を読んで。

午前7時起床。浅草はくもり。「年収100万円台の非正社員」を放置していいのか / SAFETY JAPAN [森永 卓郎氏] / 日経BP社を読む。その内容は(引用を除いては)ここに紹介することはしないので、実際に森永さんのコラムを読んでいただければ、と思う。

問題は〈正規雇用社員/非正規雇用社員〉という働き方にあるのではなく、その処遇(待遇)の格差にある。そこでの森永さんと(私の)意見はたいして変わらない。

自営業者が殆ど希少種であるような時代に、私は好き好んで真っ当な(自分の意思でそうしているという意味で)自営業者(フリーランス)である。

それは苦労の多い生き方だが、自分のボスは自分であるという、ささやかな息抜きはある。働く形態は、いくつもの選択肢があって当然のことだ。

それが例え企業で働く場合でも、〈正規雇用社員/非正規雇用社員〉という働き方は、選択可能であるに越したことはない。しかし今非正規雇用社員である方々の多くは、自らの選択ではなく、選択肢がないことで非正規雇用社員なのであり、そのことで年収100万円台を余儀なくされているのであるなら、それは政治の失敗としか言いようがないだろう。

貧困・格差は、政治と経済で解決する。それが解決しない(しようとしない)のは、政治と経済の問題なのである。つい最近まで安倍さんがいっていた「戦後レジーム」(開発主義)とは、社会保障(贈与の関係)の多くを、企業にゆだねる方法である。

普遍経済学しかしそこかからの脱却(つまり「改革」)をいうとき、終わったのは企業中心の社会ではない。

終わったのは、企業が贈与共同体の機能代替である時代である。

それは、企業が贈与の原理を孕むことで、資本主義と日本人の精神構造が幸せな結婚をしていた時代である(日本的経営の時代)。

そして「改革」により露わになったのは、企業が「交換の原理」のみで継続することを可能としようとする時代の潮流である。

しかし「交換の原理」を強調するなら、社会保障(贈与)の多くを、小泉・安倍自民党は、企業にゆだねなくとも可能とする方法を準備する義務はあったのだ。

しかし「改革」にこの議論はなく、「痛みを伴う」とか「自己責任」等という言葉で、多くの方々は騙されてきたと(あたしは)思う(贈与の原理の衰退

だから気が付けば時給850円なのである。それは森永がいうように、確実に年金システムを崩壊に導くだろう。

年収100万円台の人たちの大半は年金を払っていない。このまま放置して、年金制度が崩壊したらどうなるか。彼らの生活保証はすべて生活保護が受け持つことになり、莫大な税金が必要となってしまう。

こうした懸念に対して、政府は「年金支払の国庫負担割合を、2009年度より3分の1から2分の1に引き上げることで、『国民は安心して年金に加入できる』」と言う。誰もが安心して年金に入るから年金制度も崩壊せず、低所得者の将来も明るいというわけだ。

しかし、それは見当違いというものである。非正社員は、年金の将来がどうのこうのと考えて未納になっているのではない。単に金がないから年金を納められないだけなのだ。

ここにきて、世間は少しは冷静さを取り戻し(政治バブルの崩壊)、気が付けば、20年、10年前よりも、遥かに悪化した社会保障システム(贈与の関係)を、現実の問題としてある。

なにしろ、それを追い風として民主等は参議院選挙で勝利したのだし、自民党はその民主党よりも有利であるために同じ方向を向かなくてはならなくなっている。[福田さんVS小沢さんの神話のアルゴリズム。もしくは小泉チルドレン真っ青。]

もはや、「改革」をいうのは、日本経済新聞だけになった。日本経済新聞の世論調査で、福田内閣の支持率がやたらと高かったのは、福田内閣でも「改革」が持続されるというご祝儀(プレッシャー)からだろう。

しかしその日経でさえ、先に[「個と組織 新たな挑戦」―働くニホン 現場発。(日本経済新聞)]で書いたように、宗派変えの様相を見せている。これが何を意味するのかは、私には(まだ)わからないし、今後、どのような方向に政治経済が転換するかもわからない。ただ、

むしろ、ゆとりのある生活の下、創造性にあふれた高付加価値商品が生まれ、国際競争力が高まった。それが、最近のユーロ高にも結び付いているのだ。

という森永さんの意見は支持したい。それは、地域再生とも密着していることとしてだ。先の3県合同勉強会でも話したことだが、イノベーションは「欝」からは生まれない。しかし今は「欝」の時代なのである。

そして、政治・経済の実態は、心を持った非合理な人間でしかない、ということだ(この再確認を今頃しなくてはならないのは、愚かなことだ)。

Tags: 森永卓郎

Written by 桃知利男のプロフィール : 2007年10月10日 00:37: Newer : Older

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