桃知商店よりのお知らせ

公共事業悪者論。(森永卓郎)

衆院予算委員会で、民主党の菅直人代表代行の質問に答える麻生首相=8日午後、河合博司撮影午前7時30分起床。浅草は小雨。風邪なのか気圧の変化のせいなのか昨日から頭痛が酷い。国会は麻生さんの迷走が続いていて※1、麻生さんが首相になる前に見せていたある種の面白さとは、「麻生さんは頭が悪いから」故のショートサーキットだったのだろう、で(あたし的には)済ますことにしている。本人自らが言っていたスピード感は影を潜めた。

麻生さんに、「解釈は、貸借を満たすために、快速でなければなりません。」(@ジャック・ラカン)が欠如しているのは、為政者にとってのは致命的であって、もちろん今(「みんな」が考えている)「貸借」とは「景気対策」に他ならないのだけれども、すべてが遅いというか(麻生さんは)「貸借」がなんだかわかっていない(たぶん)。

だから財布も心(安心)も満たされない、と(国民は)感じるから支持率は下がる。それはヘタレな心象かもしれないが、ヘタレが蔓延するのは為政者にとってはチャンスでしかなく、麻生さんは、そのチャンスを逃している。あー、もったいない。


森本卓郎景気の悪化が深刻になっています。11月の景気指標をみると、街角景気判断指数は前月比1.6ポイント低下でデータが比較できる01年8月以降で過去最低を更新、工作機械受注は62.2%減、国内新車販売台数は27.3%減と、11月としては過去最低を更新しています。政府はようやく「景気悪化」を認めようとしていますが、「何を今さら」という気がします。

景気悪化の原因は、もちろんアメリカ発の金融危機ですが、私はもう一つ大きな原因があると思います。それは、世界各国が財政出動、金融緩和の「リフレ政策」に出ているのに、独り日本だけが、ほとんど景気対策を実行していないことです。 

(中略) ただ、日本では、国民の過半が公共事業の拡大に対して批判的です。それは、小泉構造改革の時代に、公共事業が悪者扱いされたことも大きな原因ですが、国民の公共事業嫌いは、根拠がないわけではありません。 from 公共事業悪者論(森永卓郎さん) - 「どらく編集委員」通信 - [どらく]

此の手の意見を主張し続けてきたエコノミストは、森永卓郎さんかリチャード・クーさんに代表されるケインズ政策をいう人達なのだが、その立場は(上記の理由により)ずっと悪いものだった。と同時に、公共事業という産業の立場も地に落ちた。それはこれ以上ないような落ち具合であって(『桃論』の意に反し)ほぼ修正不可能な状態であった。

修正不可能な状態は今でも変わらないのだが、その責任の多くは発注者の解釈の遅ささだろう。これも「貸借」がなんだか分かっていないからである。だから個々の建設会社がいくら頑張っても、建設業協会が頑張っても、受注者の努力なんていうのは、ほとんど報われないできた。「公共工事という問題」の当事者は、個々の企業の問題ではなく、公共工事という産業全体の問題なのである。

しかし景気の悪化はさらに強まることで、公共事業の評判はどうであれ、多かれ少なかれ公共事業は復活するだろう。それでまた発注者がなにか勘違いする※2 のをあたしは危惧していたりする。公共事業の復活は(あるとしても)短期間でしかない。その短期間に「われわれ」は「解釈は、貸借を満たすために、快速でなければなりません。」を実行しなくてはならなくなるだろう。

※注記

  1. 給付金 攻める民主、応じぬ首相 国会論戦第1ラウンド from asahi.com 2009年1月9日7時57分
  2. 何故、公共事業は次から次へと新しいソリューションを取り入れながら、それを形骸化し消費してしまうのか。

Track Back [1]

官製不況は続くよ、どこまでも

今日は建築関係の方と話をさせていただく機会をいただいた。大変貴重な意見交換をさせていただいたように思う。 意見交換させていただいた中で特に大切な論点は2... 続きを読む

Comments [3]

No.1

結局、公共事業という産業は、官僚達の遊び道具みたいな
ものだったのでしょうか?
今や絶滅危惧種の代表的産業ですから・・・・。
いや!言い方を間違えました!
このままでは、絶滅危惧種ではなく、絶滅確定種ですね!!

No.2

>ryogoさん

私は地場の中小建設業は国策によって形成された産業だと考えています。それは戦後のキャッチアップの時代(開発主義)ではOKだったということです。つまり間違ってはいなかったと。

しかしそれも、1987年、日本が一人あたりのGDPでアメリカを抜いたことで終了だったのだと思いますが、村上泰亮のいうように開発主義はその終焉が難しい。

それは政官財の鉄のトライアングルのせいですが、つまり役人ばかりではなく、あたしらも変わる必要性を感じなかったし、このままずっと、公共事業は続くと思い込んでいた、ということでしょう。そこに、今のわれわれの苦境はあるように思います。

No.3

インフラとしての必要性ではなく、土建屋の雇用と仕事の確保のための、癒着そのものの公共事業は論外。陸海空すべてに同様の構図がある。茨城空港など、その典型。来年3月開港なのに、1路線も定期便が確定していない。国交省の官僚も、県知事も、邪悪で、知能程度も低い。だから、国民一人当たり、700万円に及ぶ借金をしている計算になる。世界中にこんな国は他にない。完全に破綻している。整備新幹線も第二東名高速も本四架橋も東京湾横断道路もリニアモーターカーも全てが無駄。これ以上は長くなるから、割愛するが。憤怒は沸点に達している。国会議員は政治家ではなく、政治屋、政治ブローカーである。下賎、下劣極まりない。

このページの上部へ

プロフィール

桃知利男のプロフィール

サイト内検索

Powered by Movable Type 5.2.13