かすそばの大盛かすそばの大盛


かすそばの大盛

午前4時50分起床。浅草は雨。「かすそば」を食べた。「かす」とは「油かす」のことであるが、牛の腸を油で揚げたもので大阪は南河内地方のソウルフードだ。あたしもその昔、大阪で「かすうどん」を食べたことがあるが、酔っ払っていたとは云えうまかったことを思い出す。それがなんと北海道で「かすそば」になって登場なのだが、これにははっきり云って参ったのだ。「ホルモンそば」はある(あった)。浅草の旧本陣の「ホルモンそば」だ。しかし、ハイブリッドを提唱するあたしでさえ、蕎麦に「油かす」を入れる店なんて創造さえできなかったのである。

この日は飛行場に迎えにきてくれた吉川さんと一緒に、千歳の「ごまそば遊鶴 千歳北栄店」に寄ったのだ。メニューを見れば「かすそば」があった。あたしはおもわす大盛でお願いして、「かすそば」だよ、と自分に言い聞かせた。それはあってはならない食品があったという驚きからだが、「かすそば」は正にシンプルないでたちで、トッピングされているものは「ねぎ」と「油かす」しかない。それは決して高級なものであるはずもないのだが、しかし800円近い値段が付いているこれをみて、なんとなく高級な蕎麦を食うぞ、という気分になる。

蕎麦の味は、ランチ時故、見込みで茹でておくのか、すこしばかり柔らかい。(あたしは)まあまあかなと感じたが、一方「油かす」を食べるとやっぱり「油かす」なのである。これは他に例えようのない味だが、ブログに書いても分からないだろうな、等と一人でにやつくおやじになっている。汁は黒に近くかなり塩っぱくてでも甘い。それが「油かす」にはよくあっている。しかし「かすそば」を夜の大阪ではなく昼の北海道で食べるこの違和感を、なんと云えばよいのだろう。

ごまそば遊鶴千歳北栄店

ごまそば遊鶴 千歳北栄店
北海道千歳市北栄2-1345-28