もりそば得盛となすの天ぷら
午5時10分起床。浅草は晴れ。浅草の蕎麦屋で、いの一番に出てくるのが(あたしにとっては)この「ねぎどん」なのである。しかし、浅草の、というのは照れくさいのであって、あえて奥浅草とが裏浅草で、と呼びたい店であるが、また千束にあるのも泣かせてくれる。つまり立地がよい(本当は悪い)のである。この日は(いつもの)「得盛」に「茄子天」をつけてみたのだが、そう、この店は蕎麦もいいが「天ぷら」ももうひとつのうりなのである。
「なすの天ぷら」は茄子を縦に二分の一にする。そして、火の通りを良くしまた食べやすいようにと切れ目を何本が入れたものを、天ぷら粉をつけてカラッと揚げてある。あたしが見た物の中では、横浜球場の近くにある「相州そば本店・工場」の茄子の天ぷらは、まるでグローブのような形が忘れられないものだったが、ここの茄子はきちんと元の形に収まっているのがらしくてよい。
その「茄子天」を熱々で食えるのが嬉しいのだ。天ぷらを揚げるおばさんを見ていることが楽しい。そして蕎麦を茹でているもう一人のおばさんがまた格好いい。ここはオープンキチンの店で、その厨房を囲むようにL字型のカウンターがある。そのL字に座って蕎麦を手繰り天ぷらを食うのだ。昼餉は正気で食う飯である。正にあたしが漸く仕事モードであろうとしている飯である。その昼餉に「ねぎどん」を選べる幸せをなんと云おう。[浅草でランチ]
ねぎどん
東京都台東区千束1丁目17-9