『女子攻兵』1巻『女子攻兵』1巻


女子攻兵

パイロットは頭にのる7巻

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午前5時20分起床。浅草はくもり。松本次郎の『女子攻兵』を読んだ。読んだと云ってもマンガであり、しかもKindle版でだ。これは面白く読ませていただいだ、と云っても良いだろう。だからここに描くのだが――。『女子攻兵』とは巨大な戦闘ロボットであり、なぜか女子高生の格好をしている。そして、これがキモなのだが、そのロボットが全然ロボット臭くないのである。

パイロットは頭にのる。この頭が割れるシーン(瞬間)というのは結構シュールである、搭乗員は全員が「おやじ」だ。主人公の「タキガワ中尉」も勿論「おやじ」、彼が率いる第13独立女子攻兵猟隊、通称“ハイエナ部隊”は制御不能となった『女子攻兵」を始末する殺し屋部隊。彼らの最終目標は”ツキコ”の殺害だ。”ツキコ”は究極の『女子攻兵』、つまりAI(人口知能)なのだ。

まあ、物語はそんな具合に進むのだけど、彼女(彼)らは物語の中では普通に喋る。まるで女子高生のようにである。時々自分(あたし)もどっちかわからなくなる。しかし、何よりもこの絵を見て真っ先に思い出したのは、「会田誠」が描く女性だった。「会田誠」の絵の中だけで見られた女性が、より具体的になって動いている。そんな感じなのだ。まるで「会田誠」の『巨大フジ隊員VSキングギドラ』がモチーフのようにだ。

『巨大フジ隊員VSキングギドラ』

「会田誠」の絵は、一つの時だけを切り取り、後は見る者のイマジネーションに託す。でも、松本次郎はそれが出来ない。より大衆の欲求に従いマンガという世界に根を張って、グダグダと物語の筋を考えている。あたしはマンガという表現手段の限界を見たような気にもなるのだが、おかげで「会田誠」を再び除き見したりしているのだ。

足を負傷した主人公の”ツキコ”は「会田誠」の犬だ足を負傷した主人公の”ツキコ”は「会田誠」の犬だ

会田誠『犬(雪月花のうち“月”)』 1996年

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