2004年10月16日法政大学エクステンションカレッジ補講2004年10月16日法政大学エクステンションカレッジ補講


骰子一擲

午前5時30分起床。浅草はくもり。9月9日(土)の桃組「小さな勉強会」の出し物は「骰子一擲」にした。これは「ステファヌ・マラルメ」の詩篇で、あたしのブログには度々出てくる。たとえばこんな具合にである。『世界最速のサイコロ』より。

全星宿
     は夜を徹する
             疑がう
                  輾転する
                         かがやく 思念する
          それを聖別するある終極点
             に停止するまえに
     全思考は出発する骰子一擲

これは、長い詩の結びの一文だが、あたかもここから始まるかのように文章は終っている。それは、この詩が円環的構造を持つことで、そしてマラルメの哲学的思考が「偶然性」の理解にあることで、それをあたしは、正のフィードバックという複雑系の理論と結び付けようとしていた。考えてみれば、「骰子一擲」は、偶然を否定もしなければ肯定もしないのだ。

この思考は、「あれかこれか」というような、風見鶏的な思考方法そのものを否定している。そして、「でもあり、でもある」 「でもなく、でもない」というような、田邉元の「種の倫理」や、中沢新一のいう「ハイブリッド」と同じような思考を持っている。あたしはこの詩篇を持っていて大事にしているのだが、あまりに大事にしすぎたせいか行方がわからなくなってしまっている(探せば出てくるだろうが)。

だから一度この詩を読んでおいて欲しいのだ。この詩は(何を思ったのかは知らないが) http://www.momoti.com/saikoro.htm にある。そして、つかうPPTは  BD041016.zip に置いたままである。まあ、興味のある方はダウンロードして欲しいノだが、全部をやる気力はいまのところない。そして、この詩が何が凄いのかは、例えばこんなもものなんかは確実に「骰子一擲」なのだ。

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