「ももち どっと こむ」より

還暦祝い!平成30年9月15日(土)桃組「小さな勉強会」と「暑気払い」のご案内。山と山とは出会わぬものだが人と人とは出会うもの(また会う道もある花の山)。

2018年08月01日|イベント



Lesson16 中小建設業の技術のミーム(1)―コア・コンピタンス

コア・コンピタンス

ここまでの理解を基に、私たちは、ようやく中小建設業における「技術のミーム」と、その「技術のミーム」が形成してきた「消費のミーム」や「ソーシャル・キャピタル」を考察することになります。それは、公共建設市場における中小建設業の競争力とかコア・コンピタンスはなにか、という考察を意味するのですが、ここでは、「コア・コンピタンスってなに」という方々のために少し寄り道をします。

ここで「技術のミーム」が形成してきた「消費のミーム」や「ソーシャル・キャピタル」と同様に使用している「コア・コンピタンス」という言葉は、G・ハメルとC・K・プラハラードの著書『コア・コンピタンス経営』(日本経済新聞社,1995)によって広められた概念で、簡単には「核心的な競争力」と呼ばれています。ハメル&プラハラードによれば「顧客に特定の利益を与える一連のスキルや技術」と説明されています。

この「核心的な競争力」という言葉をそのまま鵜呑みにすると、どうしても現実主義の危険性が付きまとうことになります。つまり過去や今の競争力にとらわれがちになるということですが、ハメル&プラハラードは、むしろ不連続的に変化する未来において強い競争力を保ち続けるための戦略としてこの概念を使っています。

例えば、「顧客主義」という言葉は、いまやだれでもが普通に使う言葉になっているはずです。私も「コア・コンピタンスとは顧客の要求にある」という言葉を好んで使いますが、これは顧客の要求を鵜呑みにすることと同義ではありません。顧客の要求とは、企業が「今できること」に置きがちな戦略視点を「もしかしたらできるかもしれない」に変化させる推進力であると理解するのです。

つまり「コア・コンピタンス」は顧客の要求を超えるところに存在するものなのです。それが自社の「技術のミーム」であるならば、その「コア・コンピタンス」は顧客の要求、つまり「消費のミーム」さえも変化させる力となることを意味します。それを私たちの言葉でいえば、自社の「技術のミーム」は「消費のミーム」や「ソーシャル・キャピタル」を形成する。つまり、

〈顧客との関係をつくりだせる力である〉

ということです。

Written by 桃知利男のプロフィール : 2008年02月16日 15:33: Newer : Older


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