[店主戯言00107 2001/07/01〜2001/07/31 "There goes talkin' MOMO"

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2001.06.20更新!→【桃知利男の現場IT化戦略 KEN-Platz 建設現場情報局連載コラム】


2001/07/31 (火)  
【CMnet運用協議会最終報告会に出席して】

昨日のCMnet運用協議会最終報告会は予想以上に楽しかった。

最初の来賓挨拶,森ビルの森稔社長の話からして面白かた。
CMやってわかったこと。詳細な設計が必要である。やってみなければわからないこともたくさんあった。

ただ,今回の半年程の活動では,予定していた大規模な物件(当然森ビルさんのだな)での実証ができなかったが,それは必ず実施し,CMnet運用協議会の皆さんには報告する。すばらしい!

来賓の挨拶が終わって,CMnet運用協議会活動報告となる。

進行役は副委員長の米倉誠一郎(アカデミーヒルズ理事一橋大学イノベーション研究センター教授)氏。
第一部は,CMnet実証実験の報告として,イトーピア鷺沼マンション大規模改修工事における実証報告。

発注者,設計者,CMrからの報告があったが,設計者からの詳細な設計,バーチャルでの情報伝達の難しさの話が印象的。
最後に米倉教授のまとめ。

リアルな世界でさえどうでもいいようなことはバーチャルへ置き換え,効率化とコストダウンを。
そしてリアルな世界でしか実現できないことをより濃く。

思わずヤッホー!と叫びたかった。
まさに専門家(きちんとフィーをいただけるという意味での)のビジネスの実現である。

そして,第2部はアカデミックリサーチ活動報告と総括。
これは,立派な冊子にもなっていて,かなり読み応えあり。

国領二郎(慶大教授),高橋照男(建設物価調査会総合研究所顧問),大江匡(建築家),竹丘八重子(弁護士),田村誠邦(アークブレイン代表),小池英樹(電通大助教授)の各委員より報告。

期待していた大江匡氏は時間が押していたためか,過激な発言な聞かれず期待はずれ。
懇親会におられれば挨拶しようと思っていたのだが,ご自分の発言だけで中座されてしまったのは残念。

反ITというか,反CMnetを代表する(つまり変わりたくないオヤジ)の代表であったはずの高橋照男氏も,なぜかITがわかっちゃったみたいで,「おとといきやがれ」にはならなかった。

実証実験報告というと,薄っぺらな報告書作って終わりというのが官の世界だろうが,このぐらい派手でもいいなぁと感じる。
岐阜県もこのぐらいやってほしいなぁと思う。まあ,やれるものがあればだが。

ここまでで時間は30分ほど超過していて,すぐに,セミナー「オープンマーケットにおける電子調達への期待と取り組み」が始まる。
コーディネーターは國領二郎教授。
    
パネラー:小瀬達之氏(国土交通省総合政策局建設振興課 金融専門官)
       鈴木恭一氏(清水建設(株)建築本部 eビジネスプロジェクトグループ グループ長)
       中分毅氏(日建設計マネジメントソリューションズ(株)代表取締役)
       ジョン・ディキソン氏(ボヴィス・レンド・リース・ジャパン(株)代表取締役)
       伊藤泰勇氏(森ビル(株) 常務取締役)

ダントツで面白いのは,やっぱりディキソン氏の話。
このCMnetの実験というのは,実は建築の実験というよりも,もっと社会学的なものなんだろうという。

そして,日本という国は,(建設市場において)コンピュータ(インターネット)を介してようやく,旧来の慣習から開放され自由を手に入れようとしている。
しかし,コンピュータ(インターネット)を介さないと,この国の自由というものは実現できないのか,という発言には思わず苦笑。
またく,この米国人は痛いところをついてくる。

このディキソン氏の発言にあった,地方の中小建設業にこそ,本当のIT化に取り組んでいる会社があって,実は日本の大手こそがIT後進会社なのだという発言には,我が意を得たりであった。

ディキソン氏の発言に比べれば,国交省の方や,清水の方の視点はコップの中の嵐に過ぎないなぁと思う。
特に国交省の方の話は保身的なものとしか聞こえなかった。

発注者としてのと,やたら発注者としての国交省を強調しておられたが,そこには,本当の発注者である国民への視点は皆無だと感じた。

今回のCMnet運用協議会最終報告会を通していわれていた言葉は,「やって見なければわからないことがある」と「Win−Win」である。
まさに,CMnetはこの精神に溢れて実証されてきたことを実感できた。

それは伊藤常務の話からも,先の森稔社長の話からもひしひしとそれが伝わってくる。
ディキソン氏が指摘したように,このCMnetは,発注者や受注者からはある程度距離を置いた第三者として存在している。森ビルの調達システムではないのだ。

それが,国交省のCALS/ECを含めた,あまた世にある電子調達システムとは一線を画すところだと感じている。
それは,CMnetを支える精神が他のものとは違うということだ。

私は当初からCMnetを高く評価してきた。
それは,このシステムがもつ,「やって見なければわからないことがある」と「Win−Win」の精神故であり,現存するシステムの中では,これが一番インターネット本来の精神文化を反映していると感じているからだ。

米倉教授がいみじくも言っていたが,これは構造改革の実験なのだと。
まさにそのとおりであると思う。

追伸
帰りに,きっちりと四ツ谷の後楽鮨で「しんこ」を食べてきた。
「しんこ」というのは「おしんこ(香の物)」ではない。

「こはだ」の小さいやつである。
やっぱり,江戸の夏は「しんこ」なのである。

きっちり3枚でようやく1カン握れる。
仕事っていうのは,こういうのをいう。

2001/07/30 (月)  
【今日は蕨】

今日は午前中は少しのんびりしながら,こうして自宅で仕事をしている。
午後というか夕方は,六本木へ出かけて,CMnetさんへ。

今日はCMnet運用協議会 最終報告会。
本当は5時からなんだけれども,私は,野暮用で1時間ほど早く行って打ち合わせを予定している。

今日はセミナーもあって,それも楽しみ。

セミナー「オープンマーケットにおける電子調達への期待と取り組み」(60分)
    コーディネーター:委員 國領二郎
               (慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授)
    
    パネラー:小瀬達之(国土交通省総合政策局建設振興課 金融専門官)
         鈴木恭一
         (清水建設(株)建築本部 eビジネスプロジェクトグループ グループ長)
         中分毅
         (日建設計マネジメントソリューションズ(株)代表取締役)
         ジョン・ディキソン
         (ボヴィス・レンド・リース・ジャパン(株)代表取締役)
         伊藤泰勇(森ビル(株) 常務取締役)

終わったら「しんこ」を食べに後楽にでもよろうかなと思っている。

ところで,北海道から「北海しまえび」が届きました。
滝田さんありがとうございます。
これは蟹のような味のする変なえびですが,物凄くうまいです。

それから丸山さんからは梅干。
毎度ありがとうございます。



【so-net復活】

下にお知らせしておりました,so-netのメールサーバーの不調ですが,午前9時30分ごろに復旧したようです。
なので,メールは通常通り,pinkhip@dc4.so-net.ne.jpでOKです。

以上,宜しくお願いします。



【緊急連絡】

今現在,普段使っているメールアドレスである,pinkhip@dc4.so-net.ne.jpが,メールサーバーの不調で非常に不安定になっています。
→送受信ができません。

お急ぎの方は,momoti@warabi.ne.jpまでメールをいただければと思います。

以上,宜しくお願いします。

2001/07/29 (日)  
【蕨着ついでに今週の読書】

今朝は7時半過ぎにゆっくりと目覚めた。
9時ごろに朝食をとり,ホテルは10時にチェックアウトする。

徳島駅前の「そごう」へ行ってお土産を購入し,三階の喫茶店で一服して,それからタクシーで徳島空港へ移動。
ANA 534 徳島(1245) 東京(羽田)(1355)で帰路に着く。

羽田からはタクシーで帰る。
タクシーの所要時間は50分。これなら絶対にモノレール+京浜東北線よりはやい。

今回の旅で一緒だったものを書いておこう。
本は,長坂秀佳,『浅草エノケン一座の嵐』,2001年7月25日,角川文庫。

文庫本なれど431ページもある,第35回江戸川乱歩賞受賞作。
つまりミステリーだ。

ミステリーとして面白いのは当然だけれども,戦争の色濃くなる時代を,喜劇界を通して見事に描写してあって,私はむしろそっちの方に惹かれた。
昨今の薄っぺらな経済書と違って,読みきるには時間がかかった。

それから,カレル・ヴァン・ウォルフレン,『日本という国をあなたのものにするために』,2001年7月6日,角川書店。
ウォルフレンはこういう。

『みなさんが覚えておかなければならない最も重要な点は,現在だれもが心配している経済状態は,これまでの政策によってもたらされたものであり,そうした政策を見直して,現実にあわせて調整していくことが必要になっている,ということだ。』

この指摘は,非常に重要な示唆に富んでいる。
それは,わが国の長引く不況は,天災ではない,ということを理解していない方々があまりにも多いということである。

すべては偶然の賜物ではなく,人災なのである。
当然にウォルフレンの公共事業批判は辛らつを極める。

勇気のある方は読んでみればいいだろう。

ウォルフレンの公共事業批判に対して,今現在,私は反論する能力を持たない。
納得はしないが,完敗状態なのである。

音楽は,ポール・サイモン,『ユー・アー・ザ・ワン』
ポール・サイモン50歳代最後の作品。なんか,達観した凄さみたいなものをヒシヒシと感じさせられるアルバム。

それと,ボズ・スキャッグスの『シルク・ディグリーズ』
やっぱり,ボズはこの頃が一番かっこいい。

というところで,昨日の話。
昨日は,午後1時から5時まで,4時間枠の講演。

会場は阿波観光ホテル。
召喚元は,社団法人徳島県公共嘱託登記土地家屋調査士協会さん。

基本的には「士」業の方々であるし,個人事業主の方々なので,同じ個人事業主として私自身のことなども引き合いに出しながら,変革の時代をいかに生きるかというような話の展開をしてみた。

それは,当然にコア・コンピタンスの話ではある。
まあ,直前にこんなメールをいただいていたので,不安が大きかったのですが,皆さん熱心に聴いていただいたようで感謝なのでした。

ところで、今日は、徳島とのこと、私は、昨日、徳島で「セミナー」やって、最終電車で帰って来たとこでした。

今日のHP読ませて頂きましたが、「桃知さんが、焦ってる....」のとこで、もし、桃知さんが、焦ってらっしゃるとしたら、それは、当たり前だと思うんです。

私も、この業界のかたに4年近くCALSのセミナーを無料で開催し、「意識改革」をお願いし、いつまでも、当社のお客様でいて頂きたいと訴えてますが、「IT化」(CALS対応というんでしょうか)には、危機感を持つ方が、少ないように思えます。

「県から指導が...」「騒いでるのは国だけじゃないの?」といった感想を聞くと「アゼン(唖然の最上級」ホントに今までの通念、状況から、抜け出せないのかと驚いています。今度、お会いするときにじっくり、聞いて頂きたいと思います。

→なぜ,こうなのかは,ウォルフレンの『日本という国をあなたのものにするために』を読むとわかるよ。

この講演会には,お客さんがおられて,講演の前と後ろにバッジ関係者の婦人がこられて,ひたすらのお願い。
しかし,よりによって私の講演会に来るとは。

私の話は,この手の「お願い」を逆効果にするような話なんだけれどもねぇ。

講演をはねて,皆さんで夕飯を食べた後,あわおどり会館で,阿波踊りを見学させていただいた。
この,あわおどり会館では毎日阿波踊りが見れるそうであるが,(地元の方々はこんなの阿波踊りじゃないという意見でしたが)私は結構楽しめたのでした。

徳島の皆さん,大変お世話になりました。
ありがとうございました。

2001/07/28 (土)    
【徳島にて】

桃知@阿波観光ホテルです。
今朝は4時半起床で移動して,講演4時間。
さすがに疲れました。
詳しくは明日。
今日はここまで。おやすみなさい。

2001/07/27 (金)  
【秘密】

昨晩は,太田ジオさんと岐阜県のお仲間との秘密会議。
何が秘密かというと,これは参加した人しかわからないから秘密なのだ。

ところで,その秘密の内容なのだが,早速,参加者に昨晩の秘密の画像を送ろうかと思ったら,私のPCはフラッシュ・カードをなぜか読んでくれない状況になってしまっている。

なので,しばし待たれよ。
>秘密会議参加者。

今朝は,
岐阜 7:42 東海道本線(熱海−米原) 名古屋 8:09
名古屋 8:15 (ワイドビュー)南紀 1号 9:01
で,三重県建設技術センターさんを訪問。

午前中,CALSの持つ戦略性に関して一人で喋り続けていた。
地場の中小建設業にIT化のインセンティブを与えられないような自治体CALSはCALSじゃないってことだ。

打合せを終了した後は,津駅前の喫茶店でコーヒーを飲みながらこれを書いている。
これからある方と面談。

面談終了後,明日早朝の徳島へのフライトに備えて,なぜか東京へ逆戻り。
家には帰らず,その」まま羽田東急宿泊の予定。

ということで,今は東京行きのひかり248号の車内である。
結局,車で松坂まで移動して,松坂で打ち合わせん。

打合せ終了後,松坂駅から近鉄の特急で名古屋まで移動して,今は新幹線の車内である。
今日は東京駅の近所で晩飯にして,そのままタクシーでホテルへ入ろうと思う。

明日は,ANA 531 東京(羽田)(0730) 徳島(0840) で徳島へ飛ぶ。
午後から,徳島県土地家屋調査士協会での講演。

私の話を,(多分)最も理解しにくいであろう(準公務員のような)業界団体さんでの講演である。
さて,どうなることやら。

というところで,時間差攻撃のような20万ヒット祝いメール。

改めて、20万HITおめでとうございます!!!

98/4/1の開設以来ほぼ3年間のつもりつもったアクセス数最初の500アクセスに大感激されていた頃の感慨と
ついに200,000アクセスを突破してしまった感慨はいかがでしょう?
本当におめでとうございます。刻々と増えて行くアクセス数が桃知さんの頑張りの推進エンジンなのでしょうか?
だとしたら、アクセスをもっともっと増やさないといけないですね!

ところで、前回150,000アクセス時は今年2月でしたが、この半年ほどでちょっと気になる点が出てきましたのでご指摘します。

半年前あたりからHPでの桃知さんの論調が明らかに変わってきています、それは・・・・「語尾の表現」に顕著に表れています。
以前は「・・・です。・・・ます。」という、やわらかい表現の「ですます」調。
ところが、ここ半年ばかり、特に最近の1〜2ヶ月は「・・・だ。・・・・である。」という、ちょっと硬くスルどい「言い切り」調。
これが非常に目立ってきています。

私にはこれが桃知さんの「焦りに近い気持ち」に感じられて仕方がありません。
講演でも、以前は3時間でも完全燃焼!というケースがあった様に記憶していますし少々の時間の延長は「主催者さんいいですよね!」と強引に(笑)押し切ってもしまわれていました。ところが、最近は「3時間では全く時間が足りない!」と言い切られてます。「伝えたい思いの多さに言葉がついて来ない」といったところでしょうか?
HPでの「論調の変化」と、講演での「時間不足を訴えられる姿」から伝わってくるものは「圧倒的な危機感と焦り」と感じてしまうのは読みすぎでしょうか?

ここ1年ばかりの「入札適正化法」「ISOを指名要件に」「CALSを電子納品と電子入札のみに矮小」など・・・
具体化されてゆく環境の変化がことごとく「建設業の弱体化」を招く要因になりつつある。
競争と淘汰という現実が予想以上のスピードで迫ってきている・・・・
そんなお気持ちなのでしょうか?

スローダウンは出来ないかもしれません。でも、魚は「泳ぎ(進み)ながら眠る」そうです。
桃知さんは、もはや「止まる」事は許されないのかもしれませんが、どこかで「心と体」をリラックスして休ませてあげることは出来ないものでしょうか?
ちょっと、いや、かなり心配です。
まずは、「お酒と煙草」は控えめに、「睡眠」だけはちょっと多めに・・・・・
そんなところから少しずつ取り組んで行きましょう!
結局月並みに「頑張ってください!」と成ってしまうんですねぇ。
「ガンバレ桃知」です。

文章の語尾の問題は「わざと」である。
大体,新聞や雑誌向けにはこの文体しかだめみたいなのだ。

試しに,以前,日刊建設通信新聞の「建設論評」に,「です。」「ます。」調で書いて原稿を送ったら,見事に掲載文は「である。」調に変換されておりました。

講演での時間不足は,本当に足りないのだからしょうがないなぁ。

それは,特に初心者向け(桃知の免疫ができていない方々向け)の話は,本当にかみくだいて話さないと,誤解を招きかねないところが多いので,純文学を大衆文学に書き直すような作業をしているわけで,本来はひとつの言葉だけですむ話も,その言葉を説明する必要があったりするわけで,これはなかなかしんどい作業なのだ。

一度,記号のような言葉を並べて,30分で全てを語るような講演というのも是非やってみたいとは思っているのは確かではある。

2001/07/26 (木)  
オープンセミナーのご案内に,8月10日栃木県宇都宮市での講演を追加しましたのでお知らせいたします。
私は,このセミナーをクローズなものと思い込んでいたのですが,どうやら勘違いだったようです。

2001年8月10日(土)
■事例に学ぶ中小建設業IT化最前線
【日時】 2001年8月10日(金) 13:00〜17:00
【料金】 無料
【会場】 コンセーレ(栃木県青年会館)
栃木県宇都宮市駒生1-1-6
028−624-1417
【定員】 200名
【概要】 北関東では始めての講演となります。
この『事例に学ぶ中小建設業IT化最前線』という私のセミナーは,桃知の入門編ともいえるようなものす。初めて私のセミナーを受講されるという方々を対象としています。
まずCALSやISOが表面化している時代背景を理解し,CALSとはなにか?,CALSへ対応するとはどういうことなのか?という基本的な話から,差別化の根源としてのIT化,経営戦略としてのIT化の必要性と,中小建設業におけるIT化のコツを事例を交えながらお話いたします。
【主催等】 主催:栃木県建設業協会青年経営者連合会
お問合せ・申し込み先 栃木県建設業協会青年経営者連合会 事務局
TEL 028-639-2611
FAX 028-639-2985
e-mail tochiken@alles.or.jp

高山からメールが届いておりました。
先日は久しぶりに桃知節を拝聴させていただき有難う御座いました。有意義な時間が過ごせた事を有り難く思う次第です。又、ISOの話も大変参考になりました。

特に痛みが直面にふりかかる当事者の我々零細企業がこれからどのように生き延びていけばよいか真剣に考えていかねばならない事を改めて知らされた思いです。

暑さ厳しき折、ご自愛いただき益々のご活躍をお祈り申し上げます。

高山は,次の目標を11月中旬に予定されているMMW(マルチ・メディア・ウィーク)において活動していきましょう。
個人的には「全国中小建設業IT化サミット」的なものを考えています。

11月の寒い高山に,全国のIT化先進企業にお集まりいただいて,事例発表やら,座談会やらで熱い一日にできたらと思います。
夢が叶うようにがんばりましょう。

ということで,取り急ぎ。
私はこれから大垣のソフトピアまで移動です。

2001/07/25 (水)  
【美濃加茂経由で岐阜着】

高山 11:20 *(ワイドビュー)ひだ 8号 美濃太田 12:58で移動。
亀井さんが迎えに来てくれていた。

美濃加茂市も暑い。
美濃加茂市建設業協会さんへ向かう前に,ギガスカンサイに寄り道していただいて,SANTAC製のH"用USB通信ケーブルを購入。

TDK製のものが,昨日の講演中に突然壊れてしまったのだ。
10,180円の予定外の出費は痛い。

しかし,店内で流れるギガスカンサイの歌はつい口ずさんでしまうな。

美濃加茂市建設業協会さんでは,マイクロソフトGroupBoard導入打合せ。
来月の盆明けに導入(設定作業)してしまうことにした。

美濃加茂市さんのCALSに対する姿勢も積極的との情報。
岐阜県のCALSの取り組みが市レベルで動く最初の取り組みとなるか。

16:00発の各駅停車で岐阜へ移動。
岐阜到着後早々にチェックインして,これからKEN-Platz向けの原稿を書こうとしているところ。

本日のバックグランドミュージックは,ポール・サイモン「YOU ARE THE ONE」だな。


【飛騨高山で暗くうたう】

桃知@飛騨高山%昨日は35度もあった。
今日も暑そうである。

昨日は高山管設備工業協同組合さんで,ISOとCALSの勉強会を開催。
ISOの部分は例によってSGSの大月さんが担当。

私のCALS話は,相手が,私が岐阜県で活動し始めた頃からの関与先なのであって,CALS話なぞいまさらの感もあり,「現象に惑わされるな。その現象を引き起こしている根っこを考えろ!」の話をする。

つまり,皆さんは「小泉は好きですか?」の話であり,なぜ私が今回の選挙を棄権するのかの話である。
一度何処かで話したかったテーマ(それも今回の選挙前にだな)なので,私自身は結構楽しんで話してみた。

勉強会終了後,理事長,副理事長を交え企画委員会の皆さんと「真山」さんで,飛騨牛の炭火焼をこれでもかというぐらい食べた。
お酒は「氷室」。

その後2次会,3次会と流れ,めったに唄わないカラオケをする羽目に。
私は,歌は(も)あまり得意ではないのだ。

まあ,仕方ないので「時には母のない子のように」を暗く唄ってきた。
ついでに「サルビアの花」も暗く唄ってきた。

今朝は8時ごろのお目覚め。
高山の酒飲みはいつもハードではある。

ところで,今年もMMW(高山マルチメディアウィーク)はやるのだろうか(→桐山さん)
今年のMMWはうちの関与先さんを一堂に会し,ももちサミットにでもしてしまおうかと皆さんと話していた。

2001/07/24 (火)  
【CALS/EC資格制度について】

昨日は,CALS/EC資格制度について,私の見解を求めるメールが多かった。
http://www.jcca.or.jp/info/cals-inst/cals01.htm

個々のメールに対応している時間がないので,,CALS/EC資格制度について,私の今現在の見解をここでまとめておきたいと思う。

この資格制度を見て,私が思いついたのは「義務教育」という言葉である。
この資格制度で生み出される資格者というのは,義務教育における先生なんだろうなぁと思う。

CALS/ECが全体最適を目指すものであるかぎり,啓蒙普及は義務教育的なものにならざるをえないだろう。
資格制度の狙いはこういう。

『地方公共団体、関係公団等、公共事業全体へのCALS/ECの導入に伴い必要となる人材を育成し、有資格者の登録・管理により、各団体等からの講師派遣要望等に迅速に対応することが可能となります。』

この程度(レベル)での話しなら,義務教育の先生で十分であるだろうと思う。
しかし,私的には,全体最適としてのCALS/ECなんて,わざわざ資格者を招聘して勉強するもんでもないだろうとは思う。

必要であれば,自らの職員を資格者としてしまえばいいだけではないだろうか。
たとえば,どこの県にもある建設技術センターの職員の多くが,この資格を取ってしまうと,はたしてどうなるのだろうかとも考えている。

この資格制度は商売の最低原則であるWin−Winのモデルからはほど遠いものであろう。
つまり,この資格制度の最終的な勝者は誰かを考えてみればいい。

資格者は果たして勝利者足りえるのだろうか。

翻って,私自身にすり合わせて考えれ見れば,私のようなIT化のコンサルタントにとっては,この資格はなんら魅力のない資格なのである。

なぜかって?
私は義務教育の先生ではないからである。

強いてたとえるならば,私は進学塾のそこそこ名の通った先生か,必ず希望校に合格させる家庭教師みたいなものである。
私が作ろうとしているものは,全体最適を超えたところにある「差異」である。

それは,「資本主義における利益の根源は,他人(ひと)と違うことを提供できる能力」という原理原則に忠実なだけである。
その意味では,CALS/EC資格制度は,少なくとも,自由経済主義的ではなく,わが国が深くはまり込んでしまった旧来依然とした社会主義的思想の賜物であろう。

まあ,その対象が,『地方公共団体、関係公団等、公共事業全体へのCALS/ECの導入に伴い必要となる人材を育成』である限りにおいては,それを論拠に批判するつもりもないが,対象が一般の建設業にまで広まるようなら,それは,この国の建設業がいよいよ終焉に近づいた証となるであろう。

では最後に,最近の私の常用句を掲示して,この質問に対する私の回答のまとめとしたい。

昨今顕著化している公共建設市場へのISOやCALSの導入こそが市場主義化の象徴的事象でなのである。ISOやCALSは,本来,競争性ある市場を前提とした生産工学であり,つまり,ISOやCALSは公共建設市場の市場原理化を象徴する。ただし,ISOやCALSが公共建設市場に市場原理化を持ち込んだわけではない。

事象的にいえば,公共建設市場へのISOやCALSの導入は,WTO要件のような国際的な競争を想定して導入が検討されてきたものが,次第にその対象範囲が下方拡大し,ついには公共工事入札契約適正化法の登場で全ての公共工事がその射程距離の範囲に入ったといえよう。

公共工事入札契約適正化法は,その指針において公共工事における品質確保にISO9000'sは有効だと謳い,CALS/ECは地方展開プログラムを策定し,自治体発注への公共事業への浸透を図っている。

これらを表面化させたものとは,公共建設市場に限らず,わが国の経済システムそのものが市場原理化,資本主義化しているということであり,それは米国流の市場主義・競争主義が普遍的な潮流として日本(世界もだが)席捲していること(つまりグローバリゼーション)の象徴的な事象ということもある。つまり,公共建設市場への市場原理の浸透は,一過性の嵐のようなものではない。

現象に惑わされるな。その現象を引き起こしている根っこを考えろ!である。

2001/07/23 (月)  
【ひだ17号にて】

今朝は6時に起床。
8:49 京浜東北線 東京 9:25
東京 9:38 ひかり 215号 岐阜羽島 11:40
で,岐阜羽島まで移動。

ちゃんと朝飯も食べたし,体調もいいせいか,ひかり 215号では,ずっと眠っていた。

この新幹線,なぜかバッジの先生が沢山乗っておられた。
選挙の応援活動か?

この先生方もよく眠られる。
ひかり 215号の8号車は近年稀に見る静かな車両ではあった。

頭の中を,ひとつのフレーズが字幕のように流れた。
『悪いやつほどよく眠る』。って,私もよく寝ていたじゃないか。

岐阜羽島からはタクシーに乗ってソフトピアジャパンまで。
岐阜のタクシードライバーは,話し好きの方が多いのだが,今日の運転手さんの話題は,なぜ日本は人を殺しても死刑にならない場合が多いのか,というヘビーなもの。

このくそ暑い最中のこの話題は,あんみつにコンデンスミルクと蜂蜜をかけて食べているようなものなので,早々に違う話題をふった。
「今日も暑いですね。」

大垣はソフトピアジャパンでの仕事は,岐阜県建築工業会さんのイントラネット講習会。
とりあえずは最終回ということで,皆さん,大変,大変ご苦労様でした。

と言っても,まあ,これで終わったわけではないので,これからもご協力をお願いいたします。

講習会終了後,IT委員会会議。
取り急ぎ,最も利用しなきゃいけないのに,最もリテラシーが低いと思われる,役員の皆様の勉強会を追加で行うこととする。

さて,おかげさまで,インデックスページはめでたく20万ヒットを達成。
前後賞を含めて5名様からきちんとメールが届く。

そこには,常連さんもおれば初めての方もおられる。
いろいろな方がこのHPに来てくれているのだなぁと実感。改めて全ての皆さんに感謝である。

前後賞のみなさん,本当におめでとうございます。
後ほど,私から直接サイズ等の問い合わせメールが届くと思いますのでよろしくお願いします。

ということで,代表して20万ゲッターの方のメールを紹介。

先日のロイトン札幌では、どうもありがとうございました。
また、お忙しい中、メールを頂きありがとうございました。
私にとって、3度目のセミナーだったのですが、やっと100パーセントに近いくらい桃知先生の言う事がわかってきました。
同じ内容の部分でも、毎回新しい発見をするような気がします。

ところで、話は変わりますが200000カウンターは私がゲットしてしまいました。
桃知先生の言うとおり、昼くらいでしょうとのことなのでHPを開けて見るとまあビックリ・・!
ジャストでした。
証拠を添付しときます。

ということでお知らせまで・・・
また、メールさせていただきます。

P.S.一生分の運を使い果たしたような気分です。

さて,今,私は,飛騨17号にて今日(こ)の戯言を書いている。
大垣での仕事を終えて,飛騨高山への移動中なのだ。

大垣 17:47 東海道本線特快(熱海−米原) 岐阜 17:58
岐阜 18:04 (ワイドビュー)ひだ 17号 高山 20:13

移動のバックグランドミュージックは,ジャニス・ジョップリンの「PEARL」にしてみた。
ああ,血が滾るぜ!

2001/07/22 (日)  
【雑感】

インデックスページのアクセスカウンターは20万ヒット間近で足踏み。
いろいろと書いてくれている方々もおられるようなのですが,うちは,土日祝祭日は開店休業状態なので20万ヒットは23日の午後ぐらいか。

今回は前後賞を含み5枚のTシャツをつくろうかと思いますので,199998,199999,200000,200001,200002の方は忘れずにメールをくださいな。
今回の景品はオリジナル背番号付きTシャツなので5枚ぐらいあったほうがよいでしょう。

たとえば199998の方は背番号「98」,200000の方は背番号「00」ですね。
色は濃紺で,サイズは皆さんに合わせます。胸にはWWW.MOMOTI.COMのロゴ入り。

背中には皆さんのお名前を入れます。
それから18万の久保田さんにも作成して送りますのでお待ちください。背番号は「18」ですな。

19万は該当者が現れなかったのでなし。
いつもはお酒とかなのだけれども,たまには残るものもよいでしょう。

さて,オープンセミナーのご案内に,9月8日(土)の千葉でのセミナーを掲示。
千葉での講演というと,開業時以来の快挙ある。

定員100名とはなっていましたが,本当に100名集まったら凄いことだなぁとは思う。
しかし,このISOとCALSのセミナーは結構おもしろいとは思う。

大月君はSGS(ISO認証機関)の人間だから,当然にISOはいいよって話だし,私は,ISO嫌いで有名な(?)男だから,二人の話はまずかみ合うはずはない。

その上,私の話は,ITや,入札契約法の話まで持ち込む(それも2時間という圧縮された時間の中にだ)のだから,聞いているほうは一回のセミナーでフルコース並みのおいしさ。っていうか,いろんな話を押しつけられてむしろ大変だろうとは思う。

まあ,それが私たちの狙いなのではあるのだ。
自分で自分の頭で自分の将来について考えてみませんか,というセミナーなのだ,これは。

通り一遍の(つまり凡百の)ISOやCALSのセミナーではない。
だから答えを探しに来ていただいても答えはない。

あえて探せば,自分で自分のために動いてみるってことを再確認できるってことだろうか。

2001/07/21 (土)  
【今週の読書】

タロサが7月19日の【南木曽からの帰り道】で書いた,東京顔ネタでイラストを描いてくれた。
まあ,少数民族受け狙いのネタではあるが面白い。しかし,なに考えてんだか?

さて,今週の読書である。
福田和也,大塚英志,『Voice8月特別増刊号/選挙に行く前に読んでおけ。』,PHP研究所

みんな小泉が好きかい?
小泉が言っていることときたら,聖域なき構造改革であり,それは国民に「痛み」さえ要求している。

なのに,支持率が8割を超える首相ってなんなのだろう。といつも考えている。

支持率が8割を超える首相なんていうのは,国民のイマジネーションの欠如の賜物だろう。
「痛み」は自分にはこない対岸の火事だと,8割を超えるの国民が考えているとしか思えない。

しかし,不良債権処理は灰色ゼネコンを潰すかもしれないけれど,それ以上に地場型中小建設業の淘汰を進めるだろう。
道路財源の見直しも,地方交付税の削減も,地方の中小建設業にこそ「痛み」を要求するだろう。

補正予算がなくなれば,地方の中小建設業の仕事は激減するだろう。
痛みは弱い立場の者にこそのしかかってくる。

それでも小泉を選挙で勝たせようとしているのは地方の中小建設業だったりしている。
自己矛盾だな。

本当に小泉は自民党の味方なのだろうか。

竹中平蔵がいうには「自助自立」そして「自己責任」なのだそうだ。
それじゃ,私たちはいったい何に対して「痛み」を我慢し,「自己責任」をとらなきゃいけないのだろうか。

そんなことを考えている本である。



【法政大学エクステンションカレッジ 受講者アンケート】

法政大学エクステンションカレッジでの私の講座の受講者アンケート結果が届く。
と言っても,17人さん参加していたはずなのに,9枚しかないじゃないかい。

まあ,届いた分だけでもまとめておこうというのが,今回の趣旨なのだけれども,まとめるだけでは飽き足らず,それをHPでオープンにしてしまうんだからね,ITって言うのはたちが悪い。

内容的には,おおよそ好評のようでなによりでございました。
皆さん,短い時間ではありましたが,私のようなつたない者の講義を受講いただき,まことにありがとうございました。改めて御礼申し上げます。

この講座の満足度 印象深かった点 改善した方がよいと思った点 この講座全体を通してのご感想をお聞かせください。
大変満足 引き込まれる印象で大変ありがとうございました。
今後も引き続き是非教えていただきたいと思います。
酒のめる様になりたいな。と思います。
冬にお会いしたときより桃知先生がおやせになったように見えましたが,体に気をつけいつまでも元気な悪説(?)をお願いします。 空欄
大変満足 本音の話が多く身にしみた。 空欄 多くの人と出会い,いろんな話が聞け刺激的だった。
土曜日ということでスケジュールを合わせることができた。
満足 岐阜県の堀さんの話にしても,門倉組の話にしても,ITについて失敗した内容(うまくいかなない話)を,つつみ隠さず話がきけたというのは大変有意義な講義であったと思います。 桃知さんの建設業界話をもうちょっと聞きたかったです。 建設CALS/ECで,中小建設業がITをどう活用していくのか,実例あり,失敗例ありで大変わかりやすかたのではないかと思います。
講座というとCALSの一般論的な話で終始することが多いですが,実際にITを活用している団体,組織の状況をみることで,自社におけるITをどう活用するか考えさせられる講座でした。
満足 空欄 空欄 空欄

大変満足 バナナの叩き売り口上 なし 私の脳の活性化が出来た。
大変満足 桃知先生と出会い,大変指導力が有り,講義内容も良かった。
空欄 空欄
大変満足 桃知先生の語り口はとても楽しくて,本質をついていて,もっともっと拝聴したかったです。
「何のためにIT化するのか}
「コア・こんぴたんすは何ですか」
「変化に対応する能力を身につける」
奥深い言葉の数々でした。
講義回数を3〜4回増やしていただきたかった。
定例講座化していただきたいです。
毎回趣向を凝らした内容と,個性的なゲストの方々で想像以上の密度の濃い時間を過ごすことがっできました。
大変満足 内外環境要因の分析から始まり,建設業のIT化の現状と問題点を再確認できた点。
桃知講師をはじめ,各回の講師の実体験に基づく講義。
空欄 多業種の経験豊富な諸先輩方のお話は本当に参考になった。
満足 建設業におけるIT化の取り組みにおいて,地方による温度差が大きい点と,自治体の力の入れ方で非常に差がついている現状。 空欄 毎回ゲストがそれぞれの状況を講義してもらい,視野を広げることが出来た。
本講座に参加している人の意識が高いと思いました。

2001/07/20 (金)  
【浦和は夏祭り】

浦和は夏祭り。
南浦和駅前は踊り流しまでやっていた。

夏祭りというのは精神的にも肉体的にも外向きであり,開放的なものという印象はあるが,それはリオのカーニバルを持ち出すまでもなく,普段の抑圧された生活からの魂の解放のような意味合いが大きいのだと思う。

私は,特に地元に密着して生活しているわけでもなく,蕨市民からみれば完全にフォリナーの扱いだろうし,それほど魂の抑圧もない日常を送っているせいか,特に祭りに血が滾ることもない。

それにしても,今日も蕨(つまり南埼玉方面だな)は蒸し暑く,すっかり蕨は亜熱帯地方の仲間入りをしてしまったようだ。
岐阜の向井先生が話されていたが,30度を超える日なんて子供のころには数えるほどしかなかった。というのは,なんとなく,自分の子供のころもそうであたような気がする。

そういえば今年は蕨でセミの声が聞こえない。
7年前のセミは生殖機能に問題があったのだろうか。

今日は,午後から,浦和の「てもみん」で80分のリンパ系マッサージを受けた後,大宮のLoftまで出かけてみた。
PCのケースと札入れと,小銭入れ,それと小さ目のシステム手帳が目当てだったのだけれども,先日名古屋の東急ハンズで下見していた時にそそられたようなものはなくて,結局は何も買わなかった。

ついでなので西口のソフマップも覗いてみたが,相変わらずiPaqの64Mb版はものがない。
つまり,大宮には私が今ほしいものはなにもないということだ(ほかの店にはあるかもしれないが,車のない私は,あいにくと生活圏はそれほど広くはない)。

ちょっと見には,店頭にはモノが溢れ,モノ余りの時代のようには見えるが,実は必要なもの,本当にほしいものは,品薄なのではないどろうかと思えてくる。

私は物欲主義者でもブランド信仰者でもないけれど,だからといって機能だけで満足する方でもない。
モノは使って楽しい,持ってうれしい方がいいに決まっている。

それは,そのモノが持つ時代背景や,もっと分かりやすくいえば物語とかデザインとかなのだけれども,所有する喜びとか使う喜びというものを生産者も購入者も忘れてはならないだろう。

それは値段の高い安いという部分で計られるものでないことも十分に承知してはいるが,昨今のようななんでもかんでも安ければ良いというような風潮から生まれ出るものでもないと思っている。



【たまの自宅にて】

今日は自宅で仕事。
久しぶりに使う1.5Mのインターネット回線はやっぱり快適である。

モバイルだと,どうしても億劫になりがちな講演用のPPTの送付をバンバンとこなす。
予定が詰まっているので,出来る時にやっておかないとだめだものね。

でもまだ,今月は原稿という原稿は何も書いていなくて,とっくに〆切は過ぎているし,果たして今日明日書けるのだろうかという心配をよそに,私は午後からはマッサージへ行くことにした。

体も手入れしないとだめね。
股関節はすでに限界。ばきばき。

今週の移動も相当に凄かったけれど,来週も相当にハードだから,休めるときに休まないとだめなのだ。

来週は,月曜日は大垣で岐阜県建築工業会のイントラネットの講習会(最終回)をし,その後IT委員会会議に参加して,そのまま高山へ移動。
高山は月,火と二泊する。

高山では,高山管設備工業協同組合さんの勉強会。
ISOとCALS関係だな。

水曜日には美濃太田へ行って,美濃加茂市建設業協会で打ち合わせ。
こちらは停滞気味なので対策を考えないといけない。
美濃加茂での打ち合わせが終了後,岐阜へ移動して岐阜泊。

木曜日は大垣で岐阜県建築士事務所協会さんのイントラネット活用フォローアップ勉強会をして,この日(26日)時と場所を同じくして,(つまり大垣はソフトピアジャパンで)講演をしている大田ジオさんと,岐阜で懇親会(秘密会議)の予定。

もしも,太田ジオさんと桃知という世にも恐ろしい秘密会議に参加ご希望の方が折られましたら,店主へメールをください。
ただし,冷やかしはだめよ。会場は当然に柳ケ瀬だわね。

金曜日は朝早い電車で,三重県の津まで移動し打ち合わせ2件。
終了後,東京へ戻るが,自宅へは帰れずに,翌日の早朝フライトにそなえて羽田東急に一泊。

土曜日は徳島まで飛んでいって徳島県土地家屋調査士協会さんで4時間の講演。
その日は徳島に宿泊し,日曜日に帰ってくる。

で,また月曜日から蟻のように働くのだなぁ。

2001/07/19 (木)  
【南木曽からの帰り道】

桃知@あさま530号である。
なぜに,「あさま」なのかというと,以下のとおりである。
南木曾 15:58 (ワイドビュー)しなの 23号 長野 17:47
長野 18:28 あさま 530号 大宮(埼玉) 19:46

つまり,今日は大垣駅を振り出しに,
名古屋 11:00 (ワイドビュー)しなの 15号 中津川 11:47
中津川 11:59 中央本線(中津川−松本) 南木曾 12:16

と南木曽に移動し,南木曽からは「しなの」で長野経由で帰路についているわけである。
つまり長野県を縦断してきたわけだ。

南木曽(長野県である)というころは始めてお伺いしたのだけれども,通信環境の悪さは,先日お伺いしいた新冠に勝るとも劣らないというところであった。

ブロード・バンドのかけらもない。
TVもよく映らないらしい。

国策としてのIT化っていうのは,こういう中山間地から整備し始めるべきであろう。
それは,結果の平等ではなく,機会の平等を保障するものとしてだ。

デジタルデバイドという言葉あるとすれば,それは地域間格差となって現れるということを,私はずっと主張してきているのだが,まさにその典型的な事例だろうなと思う。

税金はこういうところに使うべきだろう。>田中長野県知事さま。

しかし,南木曽駅前はすさまじかった。
お昼ご飯を食べようとしても,店が開いていない。

駅前の飯屋は全滅かと泣きが入りそうなところで,ようやく「旅路」という店を発見。
カレーのランチを食べた。

→750円也。
このカレーは「手作りです。」って店の人が言っていましたけれど,確かに手作りではあろう。
昔,母親が作ってくれた「ライス・カレー」と呼んだ方がよいようなもので,かなり素朴ではあったが,まずくはない。

味噌汁は抜群にうまかった。
さすがに木曾である。

具がきゅうりのようなものだけれども,本当はなんだかは私にはわからない。
そんな正体不明な不思議な具の味噌汁なのだけれども,物凄くうまいのである。

ランチにはビールかアイスコーヒーが付きますっていうことなので,本当はビールを飲みたかったのだけれども,アイスコーヒーを飲んだ。

お店の人に,「東京からですか」と聞かれたので,本当は埼玉の蕨からなのだけれども,面倒なので「はい」と答えておいた。
多分,このおばちゃんには,東京も埼玉も同じだろうなぁと。

そしたら,「やっぱりですか,東京の方って顔しています。」だって。
思わずアイスコーヒーを噴出しそうになってしまた。



【弁当の数だけ土工霜柱】

桃知@大垣アパホテルです。
このホテルは,安いし,大浴場はあるし,いいホテルなのだが,唯一の欠点は,あの社長(現代版おおやまさこさんのような方ね)の上半身が表紙になっている『私は社長です』という本がどの部屋にも必ずおいてあるということだろう。

これがTVの脇に立てておいてあるものだから,必ず目に入るのだ。

さて,昨日は,例によってソフトピアジャパン,ドリームコアは建設CALS/EC研修センターにて,岐阜県建築工業会さんのイントラネット講習会。

講習会終了後,IT委員会会議。
順調に進んでいるとは思うが,とにかく目指せ全員参加である。

会議終了後,大垣の「どうさん」という居酒屋さんにて懇談。
「白川郷」というにごり酒を2種類ご馳走になる。

甘いお酒でなかなかいけます。
「どうさん」の手羽先も秋刀魚の刺身も,かぼちゃのコロッケ(チーズ入り)もいけました。

ビールもたくさんいただきました。
そして調子に乗って2次会へ。

私は,地方の水商売系のおねーちゃんに話をあわっせるのがとても億劫になっていて(どっちが接待しているのかわかんないような,プロ意識に欠けた方々に話をあわせるほど,私の脳みそは柔軟にはできていない),最近は,とんと,この手のお店にはご無沙汰していたのだが,スナック「Machiko」のママは珍しくコミュニケーションのとれる方だった。

ということで,調子に乗って喋って飲んだものだから,それこそ千鳥足でホテルへ戻り,文字通り「爆睡」。
本日は,朝飯食べたら南木曽(なぎそ)まで移動。

札幌から講演感想メールが届いていたんで紹介。

北海道リコーから、セミナーの案内を頂いたときには正直びっくりしました。
そこには、以前からメルマガで読んでいた「ももこむ通信」の本人(桃知先生)の名前があったからです。

昨年からメルマガを拝見する中では、いろいろISOやCALSについて解説をする文献やら講演などとは違い、企業の社風・風土などを見直すことを根本的なものとして、話されているところや、いかにも辛口な表現をされるところなどが、刺激的に感じていました。

昨日も、先生も時間が無くて申し訳ないと言われていたとおり、すっかり聞き入ってしまって、普通3時間は長く感じるものですが、全然そんなことが無く、すごく残念な思いでした。

当社は○○を業にしていますが、100%近くゼネコン対象ですし、なんとか北海道の業界が元気を取り戻してほしいと願っています。

また北海道で先生の講演等がある場合には、建設業の友達や、当社の社員にも紹介してお話を聞くようにしたいと思います。
刺激的なお話を生で聞けたことに感謝いたします。

最近の私は,それこそ話したいことが山ほどあって,本当に収まりがつかないような講演をやっている。
自分の想いを言葉に出して話し始めると,本当にどこまでも突っ走っていくしかないような話なのだ。

しかしだ,それでいいとは本人も思ってはいない。
本日の表題である,「弁当の数だけ土工霜柱」は山谷で生活されていた方が書いた句(読み人知らず)である。

初めてこの句を読んだ時に,この五・七・五という表現にこめられた世界に圧倒された。
こういう講演をしたいなぁと思ってはいるのだ。まあ,永遠にそれは無理だろうが。

2001/07/18 (水)  
【悪口】

桃知@名古屋マリオットアソシアホテルです。
ここはいいホテルなのではあろうけれど,寝具が湿っぽい。

ホテルにとってこれは致命傷。
つまり,失格。私は多分このホテルは二度と使わないだろう。

ここに比べると,前日お世話になった札幌のロイトンの方がかなりよかった。
その札幌から昨日の講演の感想メールが届いていた。

いままで札幌の桃知さんのセミナーには仕事の都合で参加できず、今日が始めてpinkhipセミナーに参加させていただきました。
メルマガはpinkhip時代から購読させていただいております。

今日は技術的な話が聞けず少し残念でしたが、私にとって非常にうれしいことはISOに関する所見が、従来私が思っていたことと同じということです。
弊社は○○関係の仕事をやっておりますが、3年前よりまさにトップダウンでISO9002の所得、その後ISO14000、OHSASの取得と矢継ぎ早に会社のステータスの為??に雪崩れを打って取得しております。

幸い、私は現在、○○の仕事をしていて(現場上がりの土木技術者ですが。)、社内ISOシステムの被害はあまりこうむっていませんが、(極力かかわらないようにしている。)社のISOの実態は取得時より書類捏造の積み重ねで、ISOの理念とは程遠いのが実態です。

(経営者の言うことに疑問を持たないITチンプンカンプンのアホバカが得意満面で幅を利かせています。非常に悲しい現実です。)

(一番悪いのは審査機関です。表面的な規格要求事項さえ満足していれば、お墨付きを与え、後は知らない、品質で問題が起きれば御社の責任ですという無責任な態度が一番腹がたちます。,,,,,,,,,ちょっと言い過ぎかな。)

ということで、今日のセミナーでは、ISOに関する従来の私の信念が間違っていなかったことに確信をもち、少し救われた気がしました。

桃知さんにおかれましては、今後とも精力的に活動され、日本の新しい文化を築かれんことを影ながら応援いたしております。

誤解を恐れずに言うが,私はISO9000’sは好きにはなれないし,その効用を評価していない。
建設業にとってはサイズの合わない服のようなものだと思っている。

詳しくは,【日刊建設通信新聞2001年6月19日「建設論評」寄稿原稿】「管理の形骸化」をお読みいただきたい。

でも,ISO9000’sの公共工事への導入は止まらないだろうと思う。

入札契約適正化法の指針に「公共工事の品質確保に効果的なISO9000シリーズの認証取得の促進を図ること。」と書いている。
私には,国土交通省はどうかしてしまったとしか思えない行為なのだが,これには自治体は過剰反応するだろうと思う。

つまり,地場型中小建設業のISO9000’sブームはしばらくおさまることはないだろうし,入札要件とでもなれば,地場型中小建設業はいやおうなくISO9000’sと付き合わなければならない。

そこで起こる問題は,次のようなものである。
 →ISOが入札参加への条件化されれば,差別化の根源とはなり得ない。
 →ISOによる管理の形骸化への対応能力のなさ。

上記のメールにあるような問題は(つまり管理の形骸化の問題であるが),ISO9000’s認証取得企業の多くが抱える問題である。
ISOによる管理の形骸化へどう対応するか。

それが私のいうところの「IT化」の目的のひとつでもある。

2001/07/17 (火)   
【元気で清く正しい不良は札幌講演を終えて,名古屋へ飛んできた】

桃知@名古屋はマリオットアソシアホテルです。
部屋が31階でPHSが使えず,電話回線を使っていますが,交換機の影響も少なく,結構スピードが出ています。

さて,元気で清く正しい不良は札幌講演を終えて,名古屋へ飛んできたのでした。
飛行機は満杯。名古屋地区の観光客の方々が多いらしく,機中,みゃぁみゃぁとにぎやかではありました。

北海道の皆さんには大変,大変お世話になりました。
無事に名古屋に着きました。ありがとうございました。

さて,本日の札幌講演は大入りではありましたが,本人としては出来はいまいちだと感じています。
すみません,情けない話で。

飛行機の時間があったので,それを十分に考慮に入れたつもりなのですが,岐阜県のCALSの戦略性などを話していると,どうしても3時間では時間が足りなくて,公共事業の変化とIT化戦略について十分な説明が出来ていなかったなと反省しております。

でも,以下のようなメールが早々に届くと少しは救われるのでした。
ありがとうございます。

桃知先生

本日は熱のこもった講演をありがとうございました。私は,一受講生で,○○の社長を務めております○○と申します。
本日は,大変,おもしろく,刺激を受けながら聞かせていただきました。

弊社は○○などを主な業務としておりますが,何せ北海道開発局の業務100%のベタベタの公共土木系の企業です。最近の公共事業を取り巻く環境変化や北海道の情けない現況に対して,何とかせねばと,春頃からシリコンバレーなどの研究を始めていたところでしたので,本日のお話の中にあった,「市場原理の導入」や「デファクトスタンダード」といった考え方には,共感を覚えました。

しかし,まだ,私は理論と戦略の研究を始めたばかりなので,実際の会社の改革は進めることが出来ていません。社員は,お話の中にあった「何も変化がなければいい」,「今日が晴れてるから,明日もきっと晴れる」といった考え方の人が多いと見ています。もちろん,これは私の責任です。
 
さて,ご講演の最後にお話された,”IT革命は自分から情報を発信しようとする意識革命である”という言葉には目から鱗が落ちる思いでした。そして,是非社員にも先生のご講演を聞かせたいと思いました。なにも意識革命の役割を先生に押し付けるつもりはございません。それは,あくまでも私の仕事と思っていますが,その下地づくりとして,社員にも先生のお話を聞かせたいなあと思った次第です。

そこで,もし,また近いうちに札幌でのご講演のご予定がありましたら,お知らせいただけませんでしょうか。先生の話を聞いて来いといって,何名かの社員を送り込みたいと考えております。よろしくお願いいたします。

そうですね,北海道では毎月ぐらいでもセミナーを開きたい,といいうよりも,出来れば法政大学エクステンションカレッジのような少人数のゼミを持ちたいぐらいです。が,今のところ予定はございません。

すみませんです。
また機会がありましたら是非においでください。



【元気で清く正しい不良は札幌で酒と煙草をやりながら蟹を食べた】

昨晩は,予定通り「桃知利男ディナーショー in サッポロ(暑気払いはやっぱカニでしょ!)」を開催。
場所は雪華亭という店で,地元の方々の話だと,札幌で蟹ならここだそうである。

ビルの16階にあるのだが,玄関で靴を脱ぎ,見晴らしのよい個室に通された。
和服の仲居の仕事姿も,挨拶もきちんとしていて,これだけでもよい店であることがわかる。

料理はhttp://homepage1.nifty.com/DON/tanken/b002.htmを参照していただきい。
こんなものを食べたのである。

乾杯が終わって,さて食べ始めようかという前に,仲居が料理の説明を口上よろしくはじめるのはご愛嬌。
その口上が終わるや否や食べ始めるが,料理はまずいわけはない。

こんな蟹料理はめったにお目にかかれるものではない。
なので,いつもに比べると,それはそれは寡黙な宴会ではあった。

私は懇親会では,食べずにしゃべり続けることが多いのだが昨日は別なのである。

高橋さん,楽しい宴会設営をありがとう。
そして,懇親会参加の皆様,今回は,すでに長いお付き合いの方も,初めて参加いただいた方もおられましたが,また楽しくやりましょう。

そういうことで,たらふく蟹を食べたこともあるし,一日にしては長い移動距離をこなしたこともあり,さすがに疲れていて私は早々にホテルに戻って寝る。
まあ,顔色はいいようで安心しましたといわれてはおりましたが。

まあ,健康第一なんてこと考えていると,こういう(↓)メールも届くのだ。

奥村康という世界的レベルの免疫学者の話です。元気をもっと出してもらおうと思いまして紹介します。

45歳から55歳までのフィンランドの男性を二つの集団に分けて調査したそうです。一方はタバコも酒も飲まない「養生訓」みたいな生活をさせた600人で、もう一方はタバコは吸え、酒は飲め、何でも好きな事をやれ、コレステロールも血圧も気にするな、と言う生活をさせた600人。どちらが沢山死ぬかを10年間追跡調査をしたそうです。

結果は節制組が圧倒的に沢山死んで、でたらめだなほうが長生きしたそうです。でたらめで激しい刺激にさらされた人間らしい生きかたをしているほうが免疫系が強くなるタメだそうです。フィンランド政府はあまりにショッキングな結果なので、その結果をしばらく秘密にしていたくらいで、今では「フィンランド症候群」と呼ばれている、その分野では有名な話だそうです。

またまた村上龍の「存在の耐えがたきサルサ」からの引用でした。

酒とタバコをやめようかなどと不埒な事は考えず、元気で清く正しい不良でいてください。簡単に同化しない「異物」だからこそ、僕らの免疫系を刺激して、生命力に作用を及ぼす貴重な存在なのだからして。

ああ,まだ大丈夫ですよ。
やりたいことをやって生きています。皆さんにご迷惑をおかけしない程度にね。

ということで,今日は札幌講演。
元気で清く正しい不良は,今日も長ーい「まくら」をやるのでしょうか。

2001/07/16 (月)  
【札幌は結構寒いよ】

桃知@ロイトン札幌である。
遠距離移動を重ね,ようやく札幌着である。

朝早い飛行機に乗るために,本日は5時に起床。
早朝の京浜東北線は混雑もほどほどで苦痛はなかった。

予定通りに羽田に到着し,ANAのチケットレスサービスでチケットを購入。
「楽乗」というやつだが,本当にこれは便利になった。

羽田の13番搭乗口喫煙所で,S社の野水氏とであう。
札幌日帰り講演だそうである。ご苦労様。

千歳は雨。
お迎えの車に登場し,新冠の逢瀬マサキ建設さんまで1時間30分の移動。

道すがら沢山の牧場。
霧雨にけぶる緑とサラブレットがとても綺麗。

正木社長とは先月9日の法政大学以来の再会。
お元気そうでなによりである。

新冠での打ち合わせを終えて,今日の懇親会に参加される社員の方とホテルまで車で2時間30分。
私はほとんど寝てきてしまった。すみません。

車内のナビゲーションに表示される外部気温は19度。
東京とは20度近く違うんじゃないのかな。

ということで,私はこれから「桃知利男ディナーショー in サッポロ(暑気払いはやっぱカニでしょ!)」会場へ向かう。

2001/07/15 (日)  
【今週の読書】

原剛,『日本の農業』,1994年2月21日,岩波新書

私が今最も関心のある話題のひとつが,日本の農業についてである。
それは地場型中小建設業と農業の関係を見るというのが発端ではあった。

このあたりにご興味のある方は,店主戯言2001年5月13日12日11日で行っている「開発主義」に関する一連の考察をお読みいただきたい。

私たちがかろうじて食料を調達できているのは,円がまだ力を持っているからに過ぎない。
つまり,私たちは自らの食料をお金という非常に不安定な商品を持って諸外国との食料の交換をしている。

ある人は,これを土地(農地)を輸入しているという表現をされるが,あながちそれも間違いではないだろう。
それでは,日本には農地はないのだろうか。

それは否である。
ただ,わが国の開発主義的な政策は,戦後の高度成長期間中,わが国は農業という国の基幹産業を骨抜きにしてきただけである。

その代わりに,農村に対して富の配分を行ってきたのは,国土の均等ある開発という主義であり,そこにおいて,配分における毛細血管の役割を果たしたのは地場型中小建設業である。(なので,この配分における毛細血管の役割としての公共事業に対してその効率性を云々言うのは本来筋違いなのである。)

しかし,今,地方公共団体の行う公共事業の見直しが言われることを,国土の均等ある開発という主義の終焉を意味すると考えれば,合点がいくところも多いだろう。

つまり,時代が変わろうとしているのである。
時代の主義がパラダイムシフトしようとしているのである。

そのとき,地場型中小建設業から,農業への就業人口の移動は起こるのだろうか。
答えは否だろう。

今のわが国の農業はその術(すべ)を持たない。
雇用の流動化と言うことは簡単だが,今,わが国には,雇用の貯水池は公共事業(地場型中小建設業)にしかないのだ。

しかし,そこには原資がない。
今こそ,農業は復活しなくてはならない。


【おじやうどんを久しぶりに食べた】

昨日法大の講義に参加のために東京においでになっていた吉川さんが蕨をたずねてきてくれた。
蕨へおいでいただいたら,やはりおじやうどんを食べるしかない。

なので,当然に,多留屋さんでおじやうどんを食べながら会談。
私自身も,最近は蕨にいる時間はほとんどないので,昨年12月以来のおじやうどんとなったのだが,真夏のおじやうどんもまた格別である。

その後,蕨駅で吉川さんと別れ(吉川さんは東京方面へ,私は浦和へ),浦和のLAOXで新しいMDプレーヤーを購入。
今まで使ってきたもののリモコン部分が阿保になってしまっていたのと,MDLPが使えるものをということでSONYのMZ-E900を購入。

私は音楽と書籍とお酒と煙草がないと生きていけないのだ。
でも,最近はお酒と煙草は止めようかななんて思っていたりするが。

さて,明日から私は北海道での活動となる。
6:21 京浜東北線 浜松町 6:59
浜松町 7:05 東京モノレール 羽田空港 7:28
羽田空港 7:55 空路ANA(羽田−新千歳) 55便 新千歳空港 9:30

その後日高まで車で移動して,旧友と再会し,夕方には札幌へ移動。
夜は,「桃知利男ディナーショー in サッポロ(暑気払いはやっぱカニでしょ!)」と銘打った懇親会が予定されている。

【会場】雪華亭(せっかてい)
【料理】雪華亭一人膳 水雲(すいうん)
◇お品書き
一、毛がに姿盛り
一、松葉かにしゃぶ
一、かに陶板焼き
一、たらばがに足茹で盛り
一、かにしゅうまい
一、松葉かに天ぷら
一、かに雑炊
一、鉄砲汁

ああ,蟹だらけである。お品書きだけでよだれが出てくる。
いとうれし。

しかし,「桃知利男ディナーショー」とはあるが,これだけ蟹が並ぶと寡黙な宴会になりそうである。

17日は,札幌にて講演会。
3時間の講演。私の最近の論調では,以前とはちょっと違ったアプローチから地場型中小建設業のIT化を語っている。

つまり,CALS/ECをキーワードにしないIT化の話なのだが,これをやるのは北海道では始めてのこととなる。
特に,北海道の場合ISO熱が高いので,そのあたりの注意も含めた話とする予定。

ただし,これをやると,心底気分を害する方々が結構沢山出てくるのだが,そういう方々(紙ベースのISOが大好き,デジタルなどという招待不明なIT化は大嫌いというような方々)は,最初から受講しないことをお勧めいたします。

しかし,同じ気分を害される方々でも,例えば,ISOをいいながら自らISOの勉強をしない発注者の方々には,是非に受講されることをお勧めいたします。

この講演が終了した後,以下の予定で名古屋へ飛ぶ。

新千歳空港 19:10 空路ANA(名古屋−新千歳) 714便 名古屋空港 20:45
名古屋空港 21:15 連絡バス 名古屋 21:43

名古屋での宿は,名古屋マリオットアソシアホテルにしてしまった。
これは合理目的な経済学的には認められない行為である。

なにせ夜10時頃のチェックインであり,翌日は早々に大垣へ移動しなくてはならない。
つまり,夜寝るだけなのだから普通に考えれば安いビジネスホテルで十分である。

しかし,名古屋マリオットアソシアは,私自身への投資なのである。
別に贅沢したいわけではない。

18日は,大垣のドリームコアで岐阜県建築工業会さんの勉強会。
大垣泊。

19日は南木曽へおじゃまして,仕事が終わり次第岐路につく。
また暑い日が続くのだろうか。ハードなロードになりそうである。



【昨日の講義の内容】

講義内容は,昨日の【情熱】に書いたとおり。

郡上建設業協会前田会長講義風景
岐阜県建築士事務所協会向井会長講義風景

修了証書の授与もやったしね,受講者の皆さんから記念の寄せ書き(色紙)までもらってしまった。

中学生の卒業式じゃないんだからってね,,,,まあ,照れる。

今回の講義は,私がしゃべったのは最初の概論だけ。
後は,すべて外部招聘講師の方々に話していただきました。

それは,実際に行動している方々が一番偉い,という私の基本的な考え方を皆さんに理解していただきたかったからに他なりません。
私の手抜きではないのです。

私はこの仕事を始めてから,クライアントさんから学ばされたことが沢山あったことを痛感しています。
クライアントさんは私の本当の先生でもあったわけです。

つまり,今回の講義は,実は,私の先生方の話でもあったということを理解していただければうれしく思います。

IT化への障害は,アカデミックな理論構成で解決できるものでも,枝葉論的な技術論で解決できるものでもないでしょう。
IT化は例えば小泉の言葉を借りれば「変革」なのだと思います(しかし,「変革」という言葉もこうして書くと陳腐なものになったと思う)。

その「変革」が絵に描いた餅に終わるのか,それとも確実に組織の変えていくのかは,それを推進する方々の「情熱」次第なのではないでしょか。

情熱は実践における失敗さえも無駄にはしないのです。

昨日の講義は,総勢28名様のご参加。
16名で始まったこの講座も大変に盛り上がって終えることができました。

すばらしい情熱をありがとうございました。
この講座はIT化に限らず,ISOもM&Aも協会の運営も,それこそ談合の話も,発注者側の話もなんでもありでした。

多分,現時点で日本で一番熱い地場型中小建設業論が展開委された時空だったと思います。
この時空を共有された皆さんの情熱が,地場型中小建設業という未開のジャングルのような業界を,どう変革させるのかを楽しみにしています。

そして,また,いつか,どこかで,お会いしましょう。
アディオス・アミーゴ!

2001/07/14 (土)  
【情熱】

本日は法政大学エクステンションカレッジの最終回です。
本日のゲストスピーカーは,岐阜県建築士事務所協会の向井会長と,郡上建設業協会の前田会長です。

これは岐阜県における事業者団体ベースでのIT化の取り組みを,当事者(責任者でもありますね)自ら生で話していただこうという趣旨です。
岐阜県の先進性を体感していただければとの想いで企画しました。

考えること,思うことは,勉強をしたり経験をしていけばある程度までは到達可能なことなのですが,実際にやってみるということは,これは大変なエネルギー(情熱)が必要なのです。
なによりもそのエネルギー(情熱)を感じていただきたい。

方法論はそのエネルギーの前ではたいした意味は持たないのです。
つまり,実際にやってみることにしか価値はないのだと私は考えています。

空論を語る者を私は一番嫌います。
私の今回の講座を貫いてきたものは机上の空論ではありません。

体系的にIT化理論を述べてきたのでもありません。
技術論的なIT化を話してきたのでもありません。

ただ,ひたすらに生身の人間による生身の活動を学んできたわけです。
それは私自身の実際の活動を見ていただくことでもありました。

つまり,生身の人間による生身の活動こそがIT化だということです。
そしてそれを支えているものとは人間の情熱だと思います。

ということで,私はこれから待ち合わせ場所の小田急サザンタワービルまで移動いたします。

2001/07/13 (金)  
【他人(ひと)のメールでお茶を濁すシリーズ】

ももち@蕨に帰還です。
家人が先に帰ってきて,部屋を冷やしてくれていましたが,すでに手遅れのようです。

今日は京浜東北線には乗る気にもなれず,というか既に気力はどこかへ消えうせ,新神戸駅を出るときから,東京駅からはタクシーで帰ることに決めていたので,予定通り東京駅からタクシーで帰ってきました。

今日の運転手は,テキヤ関係に造詣が深く,平塚の七夕さまに関するテキヤ情報をたくさんいただきました。
そんなもの私には関係ないじゃないかと思うのですが,,なぜか,今日の運転手は私をテキヤ関係者と勘違いしているのでした。

さて,本日も面白いメールが盛りだくさん届いていましたので,いつものように,他人(ひと)のメールでお茶を濁しましょう。

たどりつく といえば ジョン・レノン空港 には驚きました。
なにか ジョンを 愛と平和のひと としようと企む小野洋子を感じます。
もしジョンが生きてたらこんなことにはならなかったのに・・・
ギターのうまい不良のなりあがりで十分なのにと思うのは私だけでしょうか?

ジョン・レノン空港っていうのは,正式名は「リバプール・ジョン・レノン空港」ですね。
リバプール空港が改装されて「リバプール・ジョン・レノン空港」と改称されることになったのでしたよね。

確かに,「ギターのうまい不良のなりあがり」というのは,先に逝ってしまったジョン・レノンと,残された我々がコミットするときの最初のキーワードでOKのように思えます。

ただ,「ギターのうまい不良のなりあがり」という称号は,個人的には絶対にキース・リチャーズのものだと思っています。

やっと、桃知さまにお会いできました。

(↑)は,昨日大垣でお会いしたある方より。
この一行は深い。

今日の神戸の講演会でも,私に会いに来てくれた方が結構おられると結構聞いておりましたが,デジタル・コミュニケーションは必ず人を引き寄せるということでしょうか。

昨日は参議院選挙の告示日の為、地元の候補者の出陣式に行ってきました。

地元建設業協会から会社宛に、30名の出席を要請されたみたいで見事30名の中の一人になり、嫌々ながら出席してきました。

出陣式の会場は見渡す限りの建設業関係者ばかり(笑い)で、候補者や応援に集まったお偉い人達が、こんなに集まって下さって感無量みたいな事を言って自分達だけで盛り上がっていました。

候補者は二人いて、一人は建設省OB、もう一人はコンクリート2次製品屋のおやじ、壇上でそれを応援しているのは地元建設業界を牛耳る県会議員、集まって盛んに拍手をしているのは地元建設業者という、利権絡みの構図がみえみえで私は嫌気が差してきました。

こんな光景は、周りの一般人から見てみると滑稽で何か異常な世界なのでは? 私は、穴があったら入りたい。

勤務時間中に何十人という社員が居なくても仕事なんて何とかなる建設業界、仕事はこれからもお役所様から貰えると思っている建設業界。

こんな旧泰然としている事を仲良く競争もせず、他から攻撃される事も無く自分達の殻を作って、今だ当たり前の用に行っているなんて生きた化石のシーラカンス!!

特に地元業者は、体制が今だ土建業で建設業にもなっていませんのです。周りからいくら殻を剥がされ壊されようとも、けして外に飛び出そうとしない哀れなのんき集団!!

桃知さんが心配しておられた、地位や肩書きだけで何とかなる哀れなアナログ社会を現実に見る事の出来た貴重な(?)一時でした。
こんな業界に明日なんか来る物か!!

でも,明日はやってくるのです。

小泉首相にも,新宿のプ〜ちゃんにも,西川口のおねーちゃんにも,バッジの先生にも,おまわりさんにも,死刑囚にも,生きていても,死んでいても,明日はやってくるのです。

でも,私は,その必ずやって来る明日に確固たるビジョンや期待や希望というようなものを持つことはできていないかもしれません。

それは,小泉首相が標榜している「改革」なんて,ぜんぜん関係ない世界が,同じ政党の中でおきている不思議さに,この時代のあやしさが象徴されているからかも知れません。

小泉が好きだから自民党に入れる。小泉が嫌いだから自民党に入れる。
今回は,その両方の選択が可能なのです。

改革推進で自民党。改革反対で自民党。
今回は,そのどちらでも自民党なのです。

これでは,政党政治ではありません。

私は自民党支持者であることを公言していますが,今回は自民党には投票はしない予定です。
つまり,今回は私の選択肢はどこにも見当たらないのです。それは自民党以外にもですね。

なので棄権しようかと思っています。
そういう選択肢もありかなと思っていますが,だめですかね。


【ひかり128号にて】

桃知@ひかり128号%お家に帰れる嬉しいぃなぁ,なのである。

今日の神戸での講演は,期待にそぐわぬスローペースで(って,そんなの誰が期待しているっていうのか),44枚あるプレゼンピッチの内,たったの9枚しか使わずに,予定時間の50分が過ぎてしまった。

今回準備したPPTは,どう考えても4時間かけて話す内容だった。
それを50分で話し切れると考えた我は,本物の馬鹿かもしれないなと思う。

可哀想なのは残された35枚のPPTであるが,彼らは一体全体どうなってしまうのか。
神戸の民に続きはないのか。

しかし,まあ,会場の反応は上々のようだった(ように見えたというのが正解か)。
帰りがけにお声掛けいただいた方々には,「わかりやすかった」,「面白かった」という好意的な話はいただけたのだが,さて本心は。

ところで,今日の世話役であられる,小松崎さんから,凄い珈琲店が会場の近くにあると聞いて,講演の時間待ちの間に行ってきてみた。
なまえは「けんもつ珈琲店」といいます。

マスターが一杯一杯,それは丁寧に,フィルタードリップ式の珈琲を出す店なれど,一杯の珈琲が目の前に出てくるまでの,それは儀式ともよべるような店主の作業は感動ものである。

特に,珈琲にお湯を注ぐタイミングは職人技と呼べるものである。
膨れ上がる珈琲,お湯を注ぎ足すタイミング,量も寸分の狂いもない。

これで珈琲がまずかったら,大笑いなのだけれども,それは,まずいはずはない。
うだるように暑い神戸で,しびれるような熱い珈琲に出会えた。



【IT化ということ】

桃知@神戸です。

私のThinkPad240Zは,Windows2000でIE6を使っていたのですが,まぐまぐでのMailマガジン発行のページがどうしても表示できず(なので,昨日のももこむ通信はドリームコアのPCで行ったのでした),IE6を「コントロールパネル」の「アプリケーションの追加と削除」を利用して削除しました。

再起動すると当然のようにデスクトップには何も表示されないのですが,これは当たり前で,IE自体がインストールされていない状態なのだからしょうがないのです。

私のPCは,先にIE5.5にしているので,こういうときにはあせる必要はありません
まず,Ctrl+Alt+Deleteで,「Windowsのセキュリティー」を表示させ,そこから「タスクマネージャー」を起動させます。

当然にアプリケーションは何も動いていないので,そこで「新しいタスク」から"C:\Windows Update Setup Files\ie5setup.exe"を指定して,IEのセットアップをすればよいわけです。

こうして再起動すれば,IE5.5はちゃんとデスクトップを表示してくれました。

こんなことは何処にも書いてはないと思いますが,IE6(まだテスト版ですね)で不具合を感じている方は,こういう方法(これは私と条件と同じならです)で以前の状態に戻せる訳です。

なぜ,お前はこんなことを知っているのかと問われれば,それは,長年Windowsを使ってきたからとしか答えようがないのです。
つまり,今迄の経験と知識の蓄積をもって,このマニュアルにもないような(つまりイレギュラーな)復旧方法を,直感的に行っているのです。

それを私の頭に中にだけしまっておけば,それは職人技のようなものなのですが,こうしてテキストにしてしまうと形式知化され知識は共有されます。
これがIT化の利点の一つです。

なのでマニュアル化(例えばISO9000's)は,暗黙知を形式知化し知識のい共有をするには確かに効果的です。
でも,それは当たり前のことを当たり前にするというレベルを超えることはありません。

大切なことは,「今迄の経験と知識の蓄積をもって,このマニュアルにもないような(つまりイレギュラーな)復旧方法を,直感的に行っている」ということなのです。

私がこの復旧方法を直感的に行ったということの背景は,複雑怪奇で一言では説明しようもないものです。
それは,長い間に起きた,何度もの失敗,挫折,再挑戦,から得た知識を私の脳みそが調整統合して出した答えだということだと思います。

私は企業活動の差別化の根源として,アイディア,スピード,実行力という無形資産としての生産要素を挙げていますが,実はそれは,マニュアル化された知識というよりは,このような個人レベルでの「何度もの失敗,挫折,再挑戦から得た知識の調整統合」プロセスにこそあるのだと思うのです。

差別化の根源はイレギュラーへの対応能力(当たり前のことは当たり前にできるというのは当然のこととして=当然のこと=差別化の要因ではない)だと思うのです。

私のIT化とは,このイレギュラーへの対応能力の発揮の場として位置づけているわけです。

2001/07/12 (木)  
【神戸です】

桃知@神戸です。

大垣での勉強会を終了後,岐阜羽島駅からひかりで移動してまいりました。
今日は久しぶりに新神戸オリエンタルホテルに宿泊しています。

最近の私は,ホテル引きこもり症候群(そんなものがあればだが)らしく,今日も外に出る気力は更々ありませんので,夕食はルームサービスで済まし,さっさと寝てしまう予定です。

私の明日の仕事はは以下のとおりです。

情報化・OA 化セミナー(兵庫県建設業協会主催)         
兵庫県農業共済会館  7階

13:30〜14:20 ◎『建設CALS/ECへの備えとWeb活用で業務改革』
(株)大塚商会 マーケティング本部 建設販促課 課長 青本正樹

14:30〜15:20 ◎『ADTで建設業の生産性が飛躍的に伸びる! -最先端の建設IT戦略とは-』
オートデスク(株)AECソリューション本部 ABDアプリケーション セールスエンジニア 山田渉

15:30〜16:20 ◎『windows2000時代の建設オフィス環境』
インターネットの拡大によって大きな変化を遂げている建設オフィスを、Windows2000を中心としたデスクトップ環境から企業間情報共有に至るまで、事例を交えて幅広く紹介。
情報システム コンサルタント 桃知利男

正味時間は,50分しかございませんが,できる限りの沢山の情報(中心は岐阜県を中心に行っている事業者団体ベースでのIT化の取り組みですね)をご提供できればと考えています。

ただし,(↓)の【IT化とヘレン・ケラー】でも触れましたが,私の活動は「情報化」とか「OA 化」の枠を踏み出しておりますので,この流れでいくと,かなり異質なものと受け止められるかもしれませんし,今回の時間の短さは,私の話を近視眼的に受け取られてしまう可能性も無きにしも非ず(今月4日の秋田でのセミナーがそうであった)ですね。

そのあたりを,特に注意して話を進めなくてはならないなぁと,明日の準備をしているのでした。



【IT化とヘレン・ケラー】

結局午前3時ごろにようやく眠れて,午前6時に起床しました。
メールチェックをしたら,朝から難しいメールが届いていました。

IT化=情報技術化とは違う  IT化=イマジネーションを駆使する情報技術化と訳しては考え過ぎなのだろうか?
唯一 私がITに向かう基本姿勢だったので、意見を聞きたいのです。お願いします。

IT化については,Being Digitalをご参照ください。
つまり,以下の見解に立っています。

本論ではIT化と情報化を明確に区別している。これについては西垣通氏の解釈に拠っている。

「六〇年代の情報化と二十一世紀のIT化とでは,社会的スケールが違うのだ。この点は銘記しなくてはいけない。端的には前者は「生産者=公」の領域のみのコンピュータ化であるのに対して,後者は「消費者=私」の領域を含む,より広いコンピュータ化なのである。」

「六〇年代の情報化を担ったのは,メインフレーム(汎用大型計算機)とよばれる恐ろしく高価なコンピュータだった。内部処理の仕方はメーカーごとに異なっていたから,異機種の間で情報交信を行うことは難しい。だから『情報化』とは,大企業や官庁の所有する単体メインフレーム上での情報処理にほかならなかった。」

「二十一世紀のIT化を担うのは安価なマイクロプロセッサであり,それらを自在に結ぶインターネットである。マイクロプロセッサとは,指先よりもちいさい大量生産のコンピュータのことだが,これが今や,パソコンだけでなく,携帯電話やテレビにも組み込まれつつある。一般庶民でも所有できる何千万台,何億台という多様な小型コンピュータが相互に結ばれ,めまぐるしく情報を交信しあうのが「IT化なのである。」

西垣通「IT革命後の社会」,中央公論,2001年1月号,p58-60

私は,IT化というのは,人間の思想の自由化だと捉えています。
思想の自由という意味では,イマジネーションの自由と言ってもいいかもしれません。

けれども,イマジネーションというものは,勝手に沸いてくるものではありません。
確信的に書くことはできませんが,イマジネーションは,自ら得た情報量に比例するのではないのかと思っています。

つまり,自らに情報が届くことを制限された世界では,おのずと自らのイマジネーションにも限界が生ずるのではないかと思うのです。
それは,人間の思想の自由が保障されていない世界ということでもあります。

例えは悪いかもしれませんが,例えばヘレン・ケラーは目も耳も不自由だったわけですけれども(つまり情報の閉ざされた世界),,「Water」という言葉を,手で水に触れながら自らのものとしたときから,彼女のイマジネーションはようやく起動し始めます。

彼女が,言葉という情報技術を手に入れなかったら,今という時代に,ヘレン・ケラーという名前を,皆さんは決して知ることはできなかったでしょう。
彼女が得た最初の「言葉」である「Water」こそが,私たちにとってのインターネットだと考えています。

つまり,「一般庶民でも所有できる何千万台,何億台という多様な小型コンピュータが相互に結ばれ,めまぐるしく情報を交信しあう」(=インターネットである)というのは,ヘレン・ケラーで言えば「言葉」なのだと思うのです。

ただし,大切なことがあります。
本当に必要な情報は黙って待っていてもやってこないということです。自ら捜し求める必要があるということです。

さらに大切なことは,「相互作用」だと考えています。

それはヘレン・ケラーが,言葉を得ることによって自宅にこもることから開放されたこと。
人とコミュニケーションがとれるようになったことのようなものかもしれません。

ということで,そろそろ出発の準備をしないといけないので,中途半端ですけれども,この辺でお終いです。



【「逃げ切ろう」としているかに見える人々】

昨日は,講習を終えて,(↓)の【続・引き続き大垣】を書いてそのまま眠ってしまった。
つまり,午後7時前には眠ってしまったわけで,おかげさまで今,変な時間に目が覚めて困っているわけだ。

おなかも空いているし(当たり前だ,晩飯を食べ損ねた訳だから),目は冴えわたるし,明日は早くから勉強会をしなくてはならないというのに困ったものだ。

寝るに寝れない状態なので,本日勉強会をしたばかりのイントラネットを覗きに行くと,早速,本日の受講者様からの書き込みがありました。

桃知 利男 様
今日初めて講習に参加して
建築工業会のイントラネット構築の面白さを知りました。
今後会員企業全社が早く使いこなせるように期待しています。

こういう書き込み(つまり理解者が一人でも増えるということは)はなによりも私の励みになりますし,今回の推進役の方々にもエナジーを注入してくれるものだと思います。
ありがとうございます。m(__)m

そして,たまっている未読メールを読んでいると,毎度楽しい,イマジネーションメールも届いていました。

家に帰って番組欄に「マタギ」の文字を見つけて、あわててテレビをつけました。
青森と秋田の県境の白神山地の建設計画に毅然と立ち向かうマタギの美しい姿が描かれていていました。
1982の頃で、地元経済発展を論拠に推進する「土建業界」というメジャーと、自然を当然のように守ろうとする清貧なマイナーの戦いが描かれていました。NHKのプロジェクトXという番組です。
そのドラマのクライマックスは地元住民の署名3000票を集める事が出来るかどうかという課題で始まりました。
私が短絡的にイメージしたのは、その当時にインターネットがありさえすれば、白神山地の豊かさと自然破壊の愚かさを、インターネットで共通の価値観を持てそうな学者やマスコミや有名人や作家に呼びかけ、外圧をかけて地元を揺さぶるというシナリオでしたが、すぐに自分の発想の貧困さが恥ずかしくなりました。

マタギの行動は感動的でした。山の民のマタギは、川の民の漁師に呼びかけ共同戦線をはり、地元民家を一軒一軒、山をだめにするのは「どなにもこなにも駄目だ!」(どうしてもダメだと言う意味らしいです)を訴えて連日連夜回っていました。メディアを一切使わない、完全な純粋なローラー展開そのものです。
その結果、それまで地元経済の活性化を歓迎して自然保護消極派だった地元から、何と1万3000票の署名が集まったそうです。

自分がITのスキルに意識が奪われ、人の心を突き動かすという本質から目をそらしてしまっていたことに気づかされました。
彼らにとって最大の「危機感」が人を動かし、世界遺産に指定される世界で最も美しいブナの原生林を守ったのは、その山の世界の「価値観」を粘り強く「説得しつづけ」たことによるものだと思います。

スキルじゃない。危機感と価値観こそが人の心に響くのだ、という当たり前の原則を再確認しました。
山はいつも私に生きることの原点を教えてくれます。

『地元経済発展を論拠に推進する「土建業界」というメジャー』,『自然を当然のように守ろうとする清貧なマイナー』という構図ね。
メジャーとマイナーというのは,体制派と反体制派,主流と反主流というような呼び方でもいいのかな。

しかし,(かつてはそうだったかもしれないが)いまや,『地元経済発展を論拠に推進する「土建業界」」というのは決して「メジャー」な存在やイメージではないのかもしれません。

村上龍が面白い表現をしていました。
『「逃げ切ろう」としているかに見える人々』という表現でです。

『最近,「逃げ切ろう」としているかに見える人々,集団について考えています。近年では東側の国家体制の崩壊に顕著ですが,結局のところ,国家やそれに準ずる共同体は,支配層の配分可能な富が枯渇してきたときに変化や萌芽の芽が生まれるようです。』

『日本でも,バブルの消滅以後,戦後を支配してきた層の分配可能な富が急激に枯渇しているようです。そういう状況で,半ば確信犯的に「逃げ切ろう」としている人々や集団が目につきます。逃げ切る以外に選択肢をイメージできない人々や集団です。』

『わたしは,彼らの姿が,ホームレスや一部のフリーターの若者たちに重なって見えることがあります。つまり,富の枯渇とパラレルに,他の選択肢を探すための欲求・desireが枯渇してしまっているように見えるのです。』

『彼らは「どこへ」逃げようとしているのでしょうか。彼らに,逃げる場所などないということをきちんとアナウンスすることが重要ではないかと思っているのですが,例によってそれは文化の仕事かも知れません。』

以上,村上龍,『JMM VOL.13 若年労働者の危機 未来のあるフリーター 未来のないフリーター』,P175,より引用。

小泉政権が90%もの支持率を得ているような今のわが国の状況下(民意)では,建設業界とは,『「逃げ切ろう」としているかに見える人々,集団』としてしか,国民に認識されていないのかもしれません。

それは,かつてのメジャーとしての土建業界ではなく,村上龍に言わせれば,『ホームレスや一部のフリーターの若者たちに重なって見える』イマジネーションの欠乏した(つまり『逃げ切る以外に選択肢をイメージできない』)人々や集団としてではないでしょうか。

つまり,先のメールの引用で言えば,地場経済の発展という価値観と自然を守るという価値観の対立というよりも(たぶん地場経済の発展を言う方々の中にも,自然を守るという価値観の方が本当は大切だと知っている方々が沢山おられるとは思うのです。),問題は,旧来の価値観の中に自らを縛り続けて『「逃げ切ろう」としているかに見える人々,集団』としてしか行動することができないのか,それとも逃げ切る以外の選択肢(例えば「自然保護」という価値観の中かでいかに生きるか)をイマジネーションできるか,という単純な図式なのかもしれません。

しかし,その『「逃げ切ろう」としているかに見える人々,集団』として見える建設業界に,『逃げる場所などないということをきちんとアナウンスする』ことは,(私自身が自らの仕事を通じて得た経験からも)難しいことだと思います。

それは,わが国にはそれを可能とするような「文化」が育っていなかったからかもしれません(つまり「コミュニケーションできません」ということでしょうか)。

状況は,更に深刻になってからでないと,『逃げ切る以外の選択肢をイメージできない』のであれば,それは既に手遅れなのだと。
それは,私の主張というより,時代変革の法則でもあると私は思うのです。

建設業界も含めて,『逃げ切る以外に選択肢をイメージできない』)人々や集団にとって,決定的に欠如しているのは,当たり前の話にはなりますが,結局,イマジネーションなのだと思います。

2001/07/11 (水)   
【続・引き続き大垣】

桃知@引き続き,引き続き大垣である。
岐阜県建築工業会さんのイントラネット勉強会,午後の部を終えてホテルへ戻る。

またまた,ちこっとだけ→勉強会風景(午後の部)
こうして,ITによるコミュニケーションは,少しずつ少しずつ,自社の枠を超えていくのである。

ところで,ラテンの殿様キングスネタでMailをいただきました。
毎度ありがとうございます。

ところで,またうれしい共通点を見つけてしまいました。

>そして,私は今,「流浪の民の王」(別名ラテン界の殿様キングス)こと,
>ジプシー・キングスをバックグランドミュージックにこれを書いている。

去年のまさに今ごろ,東京フォーラムのコンサートに行きました。
来日は何度かしていたのに,コンサートは初めてだったのです。
最初から最後まで非常にのりが良かったです。

もちろん超満員でした。
客の年齢層が非常に幅広かったのがちょっと驚きでした。
ちょうど,麒麟淡麗生のCMを流し始めた時期だったので,若い世代もたくさんいました。

そして,恐らくTVの「鬼平犯科帳」のエンディングに流れていた「Inspiration」のギターにしびれてファンになったと思われる年輩の人もたくさんいました(昨年の来日メンバーには,この曲のギタリストはいなかったのですが)。

>私は彼らの「A Mi Manera」(わが国ではシナトラが歌う「マイ・ウェイ」という曲名が有名)が大好きである。
>「流浪の民」のような生活をしている私にはぴったしかんかん(古いな)だなと。

先の鬼平の。。。ように,妙に日本人の琴線に触れるものがあると思います。
個人的には彼らの「HOTEL CALIFORNIA」も独特の哀愁があって好きです。
ヒスパニックが増えている米国では,この曲はイーグルスのものではなく,ジプシーキングスのものだと思っている若者が多いそうな。

メンバーは結構,入れ替わり立代わりして,その時々で頭数が違ったりするのですが,常に全員が,ボーカル&ギター&パーカッションというようになんでもOKなのが,ちょっと日本人には真似のできない部分です。

小さいころから音楽が仕事というようりは,生活そのものだからなのでしょう。
魂から音楽を発しているところが魅力です。

確かに,「ヒスパニックが増えている米国では」なのであろうなと思う。
私もその昔,米国(LA)に行った時には,英語とスペイン語の両方で話していた。

タクシー・ドライバーには結構スペイン語が通じる人たちが多くて,第二外国語がスペイン語であった私には,ちょとした腕試しができて嬉しかった記憶がある。

という訳でもないが,今日のバックグランド・ミュージックは,ポール・サイモンの「ザ・ケープマン」である。

ご存知(ないかもしれないが),プエルトリカンのストリートギャング、サルバドール・アグロン通称「ケープマン」の半生を描いたミュージカルのために書き下ろした曲を自ら歌っているもので,ポールは,このミュージカルの興行的な失敗で大きな金銭的な痛手をこうむった(らしい)。

が,音楽的にはまったくもって素晴らしい。
私にとっては,マイ・フェバリットの一つであり,こうして旅のお供にも欠かせない。

サルサ好きにはたまらないマーク・アンソニーが出てきたり,ラテン系の方々にも結構楽しめる。
とは思うが,まあ,個人の嗜好の話なんて読んでもね,もさほど面白くもないだろうから,この辺でお終い。



【引き続き大垣】

桃知@引き続き大垣%岐阜県建築工業会さんのイントラネット勉強会である。
講習風景をちこっとだけ→勉強中の風景

この写真の会場は,大垣にあるドリームコア@ソフトピアジャパンのマルチメディア実習室4CALSトレーニングルームである。
撮影は,古田@宇佐美組さんである。

今日は,午前午後各3時間の講習が二班。
これから午後の部が始まるところ。

2001/07/10 (火)  
【A Mi Manera】

午前中は,岐阜県建築工業会さんの事務所で,サーバーの設定。

大垣駅前からタクシーで出勤したのだけれども,生憎と21号線は渋滞。
9時ちょっと前に到着。

今日の仕事はDNSの設定がメインなので,会議室をお借りして,エアコンかけ放題でこもって仕事。
この事務所は会議室にもLAN回線がきているので,こういうときは至極便利。

ただし,エアコンがんがんの冷やしすぎて,体が冷凍状態に。
後半はエアコンを止めて,窓を開けて仕事をした。

お昼にちらし寿司をご馳走になり,またまたタクシーで宇佐美組さんへ。
朝とは打って変わって道路はスカスカ状態。遅刻必至かと思われたが,ぎりぎりに到着。

宇佐美組さんでは,イマジネーション会議。
ITで何ができるのかというのは,所詮イマジネーションの範囲内にしかない。

夕方ホテルへ戻り,午前中に設定したDNSの具合を確認して,大垣駅ビルの鈴の屋で晩飯。
といっても,豆腐の田楽を三本と,豆腐のステーキというヘルシーな食事。

帰りがけ,駅ビルの本屋で三冊ほど本を購入してホテルへ戻る。
そして,私は今,「流浪の民の王」(別名ラテン界の殿様キングス)こと,ジプシー・キングスをバックグランドミュージックにこれを書いている。

私は彼らの「A Mi Manera」(わが国ではシナトラが歌う「マイ・ウェイ」という曲名が有名)が大好きである。
「流浪の民」のような生活をしている私にはぴったしかんかん(古いな)だなと。

私がこの曲を始めて聴いたのは,確か1997年頃か。
残業しながら聞いていたラジオから流れてきた,この演歌のようなラテンを聴いて,思わず笑ってしまった。

喜劇王チャーリー・チャップリンはこの曲を聞いて涙したというが,私は大笑いした。
そして,もう今の仕事(つまり勤め人)なんてどうでもいいやと思った。

そして,私は私の「A Mi Manera」を歩き始めることとなった。
笑いながらね。



【7月17日札幌講演】

昨日も書きましたが,7月17日の札幌での講演の詳細がようやく判明しましたのでお知らせいたします。

2001年7月17日
■RICOH Solution Way21in SAPPORO
【日時】 2001年7月17日(火)  13:30〜16:30
【料金】 無料
【会場】 ロイトン札幌 3F ロイトンホール
     札幌市中央区北1条西11丁目 Tel.011-271-2711
【概要】 建設業様向け特別セミナー
 「自社の強みをネットワークで活かせ そのツールこそがITだ!」
 〜建設CALSへの対応は?電子入札は?
  電子納品は?ISOはどう活かすのか?
            困ったときの桃知セミナー〜
【主催等】 主催 :北海道リコー(株)
お問合せ 北海道リコー(株)販売戦略室  山澤(ヤマザワ)または山路(ヤマジ)まで
セミナーは,下記URLから申し込みが可能です。
TEL 011-700-5505
FAX
e-mail
www http://hokkaido.ricoh.co.jp/rsw21f1.html
【懇親会】 16日の夜に札幌で予定あり。詳しくは店主へMailです。

定員がありまして,100名様限定のようです。
展開としましては,CALS/ECをキーワードとしないIT化セミナーとする予定です。

岐阜県での事業者団体ベースのIT化戦略の事例紹介もいたします。
沢山の皆様のお越しをお待ちしております。

2001/07/09 (月)  
【Mailの紹介でお茶を濁すか】

桃知@秘密会議後,ホテルへ戻ってきました。
今日は生中四杯ぐらいですから,まだ生きています。

さて,読者からのMail。
これは,7月6日に書いた【変わりたくないおやじ】に関して。

先日、○○県中小企業団体青年部の総会に行って来ました。
あまり縁のない団体なので懇親会から出席しましたが、講師の方がインターネット関連の話をしたらしく、青年部長の挨拶時に似たような話が出ました。

インターネットはデジタルで、このような会合はアナログなので、こういうのも大事にしていきたい、という話でした。

両方やっている方であれば、素直に聞いてあげるのですが、どうせ「やっていない者のやらない言い訳」なので、挨拶にも行きませんでした。やっていない証拠は簡単、事業計画にも、運用でも何もないですから・・・

青年部にも【変わりたくないおやじ】が、たくさんいます。

「デジタルあってのアナログ」「アナログあってのデジタル」は認めますが、「デジタルなしのアナログ」だけは認めたくないですね。

青年会議所というところにも以前参加していましたが、「ネットワーク」という言葉が好きな団体で、よく使うのですが「時間と金をかけて、出かけていくこと会って話をする、飲むことが大事」という発想のネットワークでした。

情報系の委員会に所属して、当時はパソコン通信普及をやっていましたので、仲間たちと「ちがうよなぁ」と愚痴っておりました。

その後、大普及したのが、スケジュールも立てなくてもその場の指示でなんとかなってしまう携帯電話の「ネットワーク」でした。

40で終わりなので、卒業(というのですが)の時の挨拶に、しゃべりました。
「パソコン通信は、外から見たら、機械と話しているようにしか見えません。しかし、ゲームやビジネスソフトと異なり、パソコン通信(インターネット)は違います。画面の向こうには、『人』がいます。ですから面と向かって言わないような言葉を書くのも、おかしいし、会話がないというのもおかしいです。」

青年部という下部組織や、長年続いてきた団体では、ダメなのかもしれません。

簡単な言葉で言うと,「つまらない人間はつまらない」なのである。

つまり,デジタルであろうがアナログであろうが,私たちを惹きつけて離さない人間というのはいるもので,特にデジタルの場合は,既存の権威とか,地位とかいうものは何の意味も持たない。

つまり,大学のセンセイであろうが,国会議員のセンセイだろうが,協会の会長であろうが,会社の社長であrぷが,つまらないものはつまらない。

やたらに,そういうエラいセンセイが,自らの地位とか権力みたいなものを振りかざすと,デジタルの世界では余計に底が見えてくる。

要は,その人の人となりであり,人間性の魅力みたいなものが,実はデジタルでは際立つのだろうと感じている。

そして,速記者より,Mail。
変な文章をでMailをくれる人なのだが,私は結構気に入っている。

酒が飲める人なのかどうかは不明だが,今度機会があったら手羽先でも食いながら一杯やろう。
安い店でね。

字どおり東奔西走の
桃知商店代表 桃知利男様

主の尻に火をつけてみたり、ちょいと消してみたりしている速記者です。
忙しい中、原稿に目を通していただき、本当にありがとうございました。
しかも、私目の尻に火がついている真っ最中、あれもこれも締め切りが迫っているくそ忙しい中、仕事をふやしていただきまして、本当にありがとうございました。

(ざっくり)

桃知店主の話は、文章が短く、歯切れがいいという特徴がある。勢いもあるるな。あの講演会はスピードもあった。余り手を加えると、講演会という臨場感が乏しくなって、おもしろくなくなる。今思えば、質、量ともに充実した講演だだった。こういうおもしろい講演会に次はいつ出会えるだろうか。建設CALSはわからなくとも。

リアルなコミュニケーションからバーチャルなコミュニケーションへしっかり移行

店主のHPのファンになる。速記者のさがで、読んでいると、字が余分だ、間違っていると、気になる。桃知店主の声が耳元で聞こえる。これも速記者のさが。

建設CALSがわからなくても読んでしまう。 しばらくHPへのアクセスが続きそう。あっ、IT化の方もわかっていない。



【建設CALS/EC研修センターで昼休み】

桃知@岐阜県建築工業会のイントラネット講習会での昼休み中である。
大垣も暑い!

昨日は,午後7時30分頃にホテルへチェックイン。
その後,いつもの四鳥で秘密会議。

しかし,昨日の四鳥の料理は良くなかった。
うまいとかまずいとか言う前に,仕事自体に切れがないというか,イマジネーションを感じられない。

例えば,それは焼き魚の切り口を見ても分かってしまうし,盛り付けを見ても分かってしまうものなのだ。
思わず,仲居さんに,今日はいつもと板前さんが違うの?って聞いてしまった程である。

料理というものは怖いものなのである。

というところで,来週の札幌行きについて。
北海道のお弟子さんよりMailが届く。

師匠、毎日のおつとめご苦労様っす。○○@DMです。

ご来札の件、ご連絡が遅れてすみません。7/16(月)は日高から遅い時間に札幌入りするとのことでしたが、何時くらいになられるか、目処がつきましたでしょうか。

実はまだ何にも段取りしていないんです。すいません。あと1週間で挽回します。道外のメンバーが多くお見えになるようなので、早い時間なら、ちと値は張りますがカニ料理のコースなんかいかがでしょうか。
http://arc.pmall.ne.jp/fumon/annai.htm

それとも、桃知組札幌支部メンバーにも声をかけて、居酒屋でわいわいやりましょうか。しかーし、もとより北海道の建設業界、建設関連業界は絶不調のどん底なので、なかなか声をかけにくい状況ではあるのですけどね。私は少し吹っ切れました(笑)。

宿泊先、時間、食べたいものなど、何でもリクエストしてください。
ご期待に添うよう頑張ります。

2001/07/08 (日) 店主戯言:
> 週が明けて16日には北海道へ飛ぶ。
> 17日に札幌でセミナーを予定しているが,詳細は私も知らないという凄まじさ。

ありゃあ、そうだったんですか。詳細は下記URLをご覧下さいませ。
http://hokkaido.ricoh.co.jp/rsw21f1.html

確か、このセミナーの手配をしたのは○○コンピュータですよね。
あとで「めっ」しときます(笑)

はい,「めっ」しておいてください。
大体だ,講演の1週間前にようやく演者が詳細がわかるなんていう状況は,そもそも失礼なのである。

ということで,私は16日に札幌入りする予定です。
そこでは,例によって宴会となるわけですが,16日は,その前に新冠町にお邪魔してから行きます。

なので札幌まで3時間はかかりますね。
でも,遅くとも午後7時ごろには届くような段取りで参りましょう。

夏の札幌でお会いいたしましょう。

2001/07/08 (日)  
【私はまた旅に】

今日はこれから大垣まで移動。
注)13日の金曜日までは,家人も留守にします。なので,自宅に生ものは送らないでください。

明日からはいよいよ岐阜県建築工業会さんのイントラネット講習会が始まる。
大きな団体さんなので,何処までITレベルを持ち上げられるか。まずは明日からの勉強会で加速をつけたいところです。

10日は講習はなし。でも,午前中は工業会さんのサーバーのメンテナンス。
午後からは宇佐美組さんで会議を予定している。

11日,12日は一日中建設CALS/EC研修センターで岐阜県建築工業会さんのイントラネット勉強会。
12日は終了後に神戸へ移動。

13日は神戸で兵庫県建設業協会さんのセミナーで少しだけ講演。
終了後に蕨へ戻る予定。

14日は法政大学エクステンションカレッジの最終日。
この日は,岐阜県建築士事務所協会の向井先生と郡上建設業協会の前田会長が外部招聘講師。

このお二方のところは,間違いなく事業者団体レベルでのIT化では,日本では最前線を走っておられる。
二人の話を同時に聞けるなんて言うのは,私も始めてなのである。受講者の方々にも良い刺激になるであろう。

このお二人で通常の講義時間枠は使い切ってしまうので,今回の講義の時間は前回に引き続き1時間延長。
たまには私の話も聞いてね。まとめぐらいは喋らせてねの状態なのである。

最終回には,今まで外部講師でお招きした方々もおいでになる予定。
オールキャストで,最後の宴会は「後楽鮨」麹町別館。

この法政大学エクステンションカレッジであるが,私のビジネスとしては収支はとんとんというかやや赤字。
でも,ここで得られたものは私にとっても受講者の皆様にとっても意義あるものであたと思う。

週が明けて16日には北海道へ飛ぶ。
17日に札幌でセミナーを予定しているが,詳細は私も知らないという凄まじさ。

2001/07/07 (土)  
【黒龍のしずくと今週の読書】

福井コンピュータ様より福井県は黒龍酒造が誇る大吟醸酒「しずく」到着。
小林社長ありがとうございます。

この「しずく」という酒は,勿論,冷で,それもある程度冷やして飲むに限る。
早速,「あら」を塩焼きにして,一杯いただく。

「あら」という魚は,焼いていただくと非常に淡白でおいしいのだが,関東では比較的珍しい部類の魚だろう。
運良く手に入ったので,今晩は「しずく」のお供となったわけである。

さて,今週の読書である。
村上孝樹(編),『IT活用成功法』,2001年6月30日,(株)タスク・システムプロモーション

果たしてこの事例集が何処まで地場型中小建設業のIT化の参考になるかはわからない。
なにしろ55紹介されている事例のうち地場型中小建設業の事例は皆無である。

ただし,この本の主張するところは正論である。

『企業の中を考えてみると,ITを活用する技術力を高め,デジタルデバイドの解消をいくら行っても,それ自身が企業の競争力を上げることに直接つながるわけではばい。なぜなら企業の競争力を高めるということは,自社との競合会社,また市場や顧客との関係の中で,いかに優位に立つかという問題であるからだ。』

『ITの活用は目的ではなく,手段なのである。もっとも重要なことは,ビジネス戦略やビジネスプロセスの改革はもちろん,自分たちのビジネスを市場のどこに位置づけるのかというポジショニングがきちんとなされ,なおかつ継続的にそれらを実行していくためには,ITを活用したマネジメントの高度化が不可欠となる。』

これはIT化にとっては初歩中の初歩の話であり,最初に理解すべきことなのである。
だが,これさえも多くの地場型中小建設業にとっては,関係ない話なのかもしれない。なので,「何処まで地場型中小建設業のIT化の参考になるかはわからない。」なのである。



【七夕】

一年に一度の日である。

でも,一年に一度,確実に(宇宙の法則で)めぐり来る慣性というは,決して悲しい話ではないだろう。
宇宙がある限り二人の命は永遠なのだ。

翻って,私たち人間社会の現実は恐ろしい程に複雑であり,個人の命ははかない。
同じ日は二度とめぐり来ないし,一人ひとりに与えられた時間といえば,それはあまりにも短い。

その短い時間の中で,私はなにかの法則で生きている(生かされている)のかを考えているのが私の仕事だとすれば,その答を探す作業も複雑ではかない。

しかし,山本夏彦は言う(『完本 文語文』,2000/05/20,文藝春秋

『手短に言う。あらゆる思想は出尽くしたと絶望して人類は方向を転じたのである。産業革命である。蒸気機関は残せる。直ちに鉄道、汽船に応用できる。昭和初年特急は東海道を十六時間で走ったとせよ。今は四時間、三時間で走る。飛行機ならさらに速く飛ぶ。』

『人は何がしたいのか。時間と空間を「無」にしたいのだ。汽車が出来なければ電話がある。電話は時間と空間征伐した。産業革命にもはじめは時間があった。八時間半を三時間にするには十なん年もかかった。もう時間はない、いよいよない。』

『時間と空間を密接させたがるのは「欲」である。何ゆえの欲かというと人間本来時空がないからである。』

人間本来時空がない故の欲の中で,私はいったい何をしている(しようとしている)のだろうかということを観察すること。
そうさせるものは,果たして本当に,人間本来時空がないからなのかを確認することができれば,私の仕事は終わりなのかもしれないなぁと思うのだ。

2001/07/06 (金)    
【私が客観的という言葉を絶対に使わない理由】

なぜ当サイトのリンクが,ただの「リンク」ではなくて,「主観リンク」なのかという質問に対する答え。

『情報社会は,コピーとシミュレーションの世界を基部とします。しかし,誤解してならないのは,人間に独特の世界とは,観念の世界であり,どのように表現しようと,やはり,コピーとシミュレーションの世界なのです。人間はこの世界を拡大拡充させることで進化を遂げてきたのです。たとえ,観念上の正しさ,(観念的現実=第二次現実)と事実上の正しさ(第一次現実)とは違うとしても,人間は,観念世界の拡充拡大を図りながら,観念上の正しさをを確信して生きることを不可欠とする存在なのです。したがって,確信を抱けば,現実がその確信と正反対に見えようとも,実行に移してしまう,主観的な存在なのです。』

『つまり,難しいことを承知で言いますが,情報社会は,人間の歴史,人類史の発展方向に背向いた社会ではなく,人類史の進化形態である,というべきでしょう。観念世界の現実性が存分に問われる世界,これが情報社会ではないでしょうか。』

『人間が抱く観念が正しいか間違っているかは,その観念が現実に添っているかどうか,だけでは決まりません。人間は,正しさを観念的な確信から抱く存在でもあるからです。愛情を確信するのは,観念上の確信なしには不可能です。愛情の確信を現物に置きかえることができますか。現物で置き換えようとしますが,それですむものではないでしょう。』

以上,鷲田小彌太,『研究生活の方法』,1999年8月5日,東洋経済新聞社,P106 〜107。からの引用でお答えとします。



【変わりたくないおやじ】

一昨日の秋田での情報交換会の時に,「ITは人と人とのリアルタイムでのコミュニケーションの阻害をもたらすことになりませんか」という話をいただいた。

これはどこでも聞く話で,特にIT革命否定論者にこれを言う方々が多いのは周知の事実であり,彼ら否定論者は,最終的にはこの部分をIT否定の最後論拠(砦)としている方々も多い。

例えば,以下は,『IT革命 根拠なき熱狂』,柳沢賢一郎,講談社+α新書,からの引用である。
子供の精神的な発達においては,むしろインターネットは有害だという文脈でのはなしである。

『コンピュータとのコミュニケーションでは情報の流れがほぼ一方的であり,リアルな双方向のコミュニケーションの機会が少なくなるからだ。画面とキーボードとマウスといった道具立ての世界では,子供の注意力はそれらの枠組みの中でしか発揮されないから,発達する注意力はすでに限定されている。

これに対して,現実の人間社会を生きるうえで必要な注意力は,全人格的なものが要求される。文字・音声・映像を駆使したコンピュータがいかに現実に接近したものとなっても,生身のコミュニケーションとの間には雲泥の差が存在するからである。』

私は,こういう意見に対しては,発言者のイマジネーションの欠如を感じざるを得ないのだ。

デジタルなコミュニケーションとは「情報の流れがほぼ一方的であり,リアルな双方向のコミュニケーションの機会が少なくなるからだ」という(根拠のない)パラダイムに自らを置いてしまっている以上,そこからのイマジネーションには限界があるのだろうと思う。

私には,単なる変わりたくないおやじの言い訳ぐらいにしか聞こえない。

デジタルなコミュニケーションが「情報の流れがほぼ一方的であり,リアルな双方向のコミュニケーションの機会が少なくなるからだ」というのは,デジタル嫌いなおやじの単なる偏見的な意見でしかないと私は思う。

現に子供たちのコミュニケーションの世界は,バーチャルもリアルも実に多彩であり,複雑である。
そういう事実をこの方々は知る由もないだろう。

私は,デジタルでコミュニケーションができない方々は,実はリアルワールドで(つまり複雑怪奇な人間世界で)も,単純にコミュニケーションが下手なだけなのではないかと思うのだ。

例えば,IT否定論者は私をどう説明するのだろうか。
私は,一切のリアルな営業を行っていない。

唯一の店舗は,このバーチャルな世界にある「桃知商店」だけである。
挙句の果てに,このHPには住所も電話番号も書いていない。

私との接触の入り口は,ほとんどの場合,電子メールというバーチャルな世界を経由しなくてはならないような仕組みにしてある。
これはわざと(確信犯)である。

だからといって,私が「生身のコミュニケーション」を否定していないどころが,最も大切にしているものであることは,私と「生身のコミュニケーション」を体験したことのある方は十分承知であろう。

私とのコミュニケーションは複雑である。
私は,バーチャルなコミュニケーションを通じて,リアルな(生身の)コミュニケーション)の機会を確実に増やしていったサンプルということができるだろう。

バーチャルなコミュニケーションを否定していて,どこか駅前のビルにでも店舗を構え,お客様がおいでになるのをただ待つような商売をしていたのでは,とても今の私の世界は実現できていない。

例えば,講演会(リアルな一方通行でのコミュニケーションである)の後に,私に話しかけてこられる方々(勿論リアルな世界でである)は,ほとんどがこのHPの読者様である。
彼らが異口同音に言われるのは,「とても初めてお会いしたようには思えません。」なのである。

日本という国が,IT革命という長くて曲がりくねった道(TheLong And Winding Road)を歩ききるには,やはり,『革命は空から降ってくるものではなく,時代にエキサイトした個人一人ひとりが,あらゆる困難に立ち向かってつくりあげるものだからです。』という意識革命である必要があるのだろうと,最近痛感しているのでありました。



【TheLong And Winding Road】

桃知@やまびこ32号です。
今日は,朝から表題の曲が頭の中でりフレーンし続けています。

と,いっても,私はこの曲をさほど聴いたこともあるわけではなく,そもそも,私はビートルズを彼らの全盛後(つまり解散後)に知った世代なので,この曲を知ったのも,発表からずっと後のことなのです。

それは,まだ私が学生だった頃の話で,一般教養課程の英語の教師は,若い英国人でした。
その英国人は,授業にカセットテープレコーダーを持ち込んでは,彼の好きな曲や,好きなアーティストのインタビューなどを,ヒヤリングの教材として私たちに聞かせていました。

その最初の彼の授業で聞いた(聞かされた)曲が,実はこの「The Wrong And Winding Road」だったのです。
その英国人は,この曲を私たちに聞かせながら,一本の細く曲がりくねった道とその先に一軒の家を黒板に書いたのでした。

それが強烈に印象に残っているのです。
長く曲がりくねった道と,その先で待っていてくれるあなたの扉。

こうして旅ばかりの毎日を過ごしていると(それはたぶん私の人生の旅なのだろうが),あの日の授業の原体験が,脳味噌の奥深くから湧き出してくるんだろうかなぁと思うのでした。

ちなみに,私が一番記憶に残っているインタビューはというと,QUEENのフレディ・マーキュリーのものでした。
そういえば,当時大学の生協で,彼らの「バイシクル・レース」というアルバムを買ったことを思いだしました。

2001/07/05 (木)  
【勇気の出る経営学】

桃知@こまち12号です。

朝日測量の小林社長も,くしくも同時期に同じ本を読まれていらっしゃったようだが,今回のツアーに持ち込んでいる本の一つが,『勇気の出る経営学』,米倉誠一郎,2001年6月20日,筑摩書房である。

米倉教授の話は,確かにIT革命を信じる私たちにとっては「勇気」を与えてくれるものだろう。
例えば,IT革命について次のように書いておられる。

『繰り返しますが,僕たちは今,革命のさなかにいます。でも,この日本でこの革命が遂行されるかどうかは定かではありません。なぜなら,革命は空から降ってくるものではなく,時代にエキサイトした個人一人ひとりが,あらゆる困難に立ち向かってつくりあげるものだからです。』P145

『その意味では,先に書きましたが,IT革命によってその後にどのような社会が来るのか,そこに目標とすえうものがあるかどうか,ということが大事です。自分たちはいま世界で一番美しいカテドラルの基礎を作っているのだ,というグランドデザインが必要です。』P145

それから,私にとってとても興味深い「ワークアウト」が紹介されています。

『ワークアウトは,アメリカの代表的な巨大企業(GE)が,同社をよりスピーディでスリムな会社に変革するときに使った手法で,二つの大原則から成り立っています。

(1)変革の必要性を知っているのは,現場の人間である。したがって,現場の人間が変革を提案すること。
(2)しかし,その提案に対して中間管理職が判断を下すのではなく,トップが責任をもって即決すること。』

なかなか面白そうなはなしでしょう。
続きは,是非,ご自分でこの本を読んで感じ取ってください。

読みやすい,平易な文体で高度な知識が満載です。お勧めの一冊です。


【特権的な危機感とHappy Birthday Mail】

村上龍が浅田彰との対談で面白いことを語っていました。

村上 進化の意思なんて本当はなくて、すべて無自覚で、特権的な危機感だけがある。例えば海の中にずっといても襲われなかった強い魚は魚のままで、これはやばいと思った弱い連中が進化して、つまり突然異変が偶然、プラスに働いて両生類になったわけでしょう。たかだか進化ってそんなものだと思うんだ。
浅田 その意味でのマイノリティが、一番危機感を持つ。それこそが特権なんだね。
中心にいて権力を持っているマジョリティには、そういう特権がないわけだ。

「存在の耐えがたきサルサ」文春文庫より

「特権的な危機感」というキーワードを心に刻み込もうと思った次第です。

いつもの方からのメール。刺激をいつもありがとうございます。
「特権的な危機感」,早速昨日の講演でも,使わせていただきました。

昨日午後からの基調講演は,一般開放されていたため結構多く方々に来ていただきました。
私の話は,時間も限られているため,郡上建設業協会でのIT化事例を紹介。その背景の岐阜県CALSの話は表層的なことしか話せなくて残念。

面白かったのは,東京都下水道局建設部の武見氏の話。これは,発注者側の業務効率化としてのCALSである。
そして,この話は,発注者が聞くべき話である。

今言われているCALSであれば,それは本来,まず第一義的に発注者側が取り組むべきものである。
決して受注者側の経営改善のインセンティブにはならないという良い事例だろう。

講演終了後,情報交換会に出席。
その後の2次会にも参加。秋田の方々には大変お世話になりました。

情報交換会でも2次会でも,喋ってばかりでなにも食べられなかったので,最後に横町の「紀文」にて千秋麺を食べる。
これは,醤油スープのあっさりとした細麺の正統的なラーメンであり,とてもおいしい。

連れて行ってくださった猿田さん,ありがとうございました&ご馳走様でした。

ホテルへ戻ってメールチェック。
Happy Birthday Mailがたくさん届いていました。皆さん,ありがとうございます。

少し紹介しましょう。まずは,うどん星人1号様から。
相変わらず,ほのぼのと,うどんを食べているようです。なによりなのです。

うどん星人です。

お誕生日おめでとうございます。
旅先(とゆうより、出張先?)で迎えるお誕生日は、いかがなモンでしょうか?
来年のお誕生日の時には、思い出しやすいかも・・・去年は、誕生日@秋田・・・と。

涼しいはずの、山間部もあつ〜いです。温度計のOUTSIDEは、35.6度です。
外に一歩もでたくない気分です。ひからびそうです。

暑くなってくると我が家は、必然的にうどんの登場回数が、俄然増えます。
先日、1年ぶりにカナダの留学から戻った娘の友人が、来たので当然うどんで迎えました。
1年ぶりの彼女は、なにを食べていたのか・・・巨大化も著しく、ニキビぶつぶつ。
彼女の野菜不足を補うために、サラダうどんでした。
麺は5人分ゆで、キャベツ・大根・貝割れ・きゅうり・レタスで、麺が見えないほど。
特大皿2枚に盛り分けて、「うぉー、こんなに誰が食べるの?」と言っていたのに、4人でぺろり。
麺は、稲庭がベストです。
おつゆは、企業秘密の某料理屋のレシピをいただき。

美味しいモン、一杯食べて来るべく猛暑に立ち向かうための、エネルギーを備蓄して下さい。
暑さに負けず、お体お大事に・・・
すてきな43歳をお過ごし下さい。

そして,うどん星人2号様より。
あなたの年齢は既にばれている?

桃知さま、

お誕生日、おめでとうございます!

私も誕生日は旅先、出先というのが多かったですが、なにかそのほうが、感慨が深かったような気もします。
特に、帰国便の機内で、CAのお姉さんにふと「誕生日なんです」ともらした途端、よってたかって死ぬかと思うほどのシャンペンを飲まされたり、と印象が残りすぎた誕生日もあります。
今年の5月末は、おかげさまで、四谷でとびきりおいしいお寿司を食べながら、秘密会議に加えていただきました。
これも、なかなかすごい印象です。

桃知さん、もしやと思っていましたが、戌年でいらしたのですね。
(なぜ、歳をきいて、干支がすぐわかるかは、触れないことにして....)
戯れ言を拝見させていただいていると、お元気な時と、壊滅的にお疲れの時がよくわかりますが、どうぞお体に気をつけて、お過ごしください。

ここ2週間、某講座でのテキスト制作で、籠もりきりだったので、「入船」の「桃の生ハム巻きと竹蒸し。それと焼き物についてきた蓼のソース。岩がきのフライ。そして,ホタテのXOジャン炒め。などと聞くと、おもわず机をバシバシと叩きたくなってしまいます。
秋田には、公私ともに全く縁のない私です。

***
お誕生日に話題にするような事ではないのですが、少し前に、こんな記事をwebニュースで見ました。

「国立大学の教員養成コースの1年生で、小学校レベルの算数の問題4問全問に正し く答えた学生が4人に1人しかいないことが22日、西村和雄京大教授(経済学)ら の調査で分かった。西村教授は「基礎的な学力が身に着いていない学生が多い。低学力の教員を大量に採用すると、若者層のさらなる学力低下を引き起こす」と、「教師の卵」の数学離れに警鐘を鳴らしている。

調査は1999年と昨年4月、国立4大学の教員養成系学部に入ったばかりの1年生約800人を対象に実施。小学校から高校1、2年レベルまでの算数・数学26問(29点)の正答率を調べた。」

「教師の卵」の「数学離れ」でなくて、これでは「算数離れ」ですよね。

この「教師の卵」の人達は、高校の頃には、早ければ自宅にパソコンがあった世代。
熟年や往年のおじさま達が、パソコン習得に苦労して悲鳴をあげているのを横目に、キーボードをかしかし叩いているハズですが、その若者達がこの状態とは、いったいどういう社会のシステムになってしまったのでしょう。
かたや、パズルのような難しい数学の問題が解けないと、入学できない有名私立中学あり。
IT化(←ちょっと無理に使ってみました)の副産物、デジタルデバイドとは、単に階層間の格差でなくて、こういったアンバランスな構造を作ることなのでしょうか。

今の日本の教育システムでは,「訓練された無能」を大量に排出しているだけなのかもしれません。
算数が出来なくてもいいから,イマジネーションだけはなくしてはいけない。

そして北海道のお弟子さんより。
今日は標記のメールが多くて、嬉しい悲鳴をあげられているでしょうね!私も、その一人になります!

「やりたい事・やらねばならない事」は無限ですが、「自分の時間」は有限です。
自分の体が二つ欲しいとまで、お考えのご様子から精神的にも相当「お疲れのご様子」ともお見受けします。
確かにお気持ちは、痛いほど理解させて頂いているつもりです。
でも、桃知さんのいう「イマジネーション」はやっぱり無限ですよね。
私は「情熱」も無限だと考えています。

ですから、あえて桃知さんに「ムチ」を入れさせて頂きます。
「頑張ってください!」とにかく「頑張ってください!」
私も頑張ります!

そして,いつもストレートで実直なメールを下さる方から。
お忙しく活躍されてて、なによりのこととお喜び申し上げます。ほんとは、百万本のバラをと、心ではおもっております。
ももち先生の毎日のメール、なんかすごく世間を知る、そして、ハイレベルな知識を、吸収させてくれる気がいたします。
前線にたって、どうか、今の地場建設業界ハッパかけ、誘導していっていただきたく、切に願っております建設業界の一人です。

皆さんからのたくさんのメールありがとうございます。
それが,私の活動エンジンなのです。

2001/07/04 (水)    
【今日は私の誕生日】

桃知@秋田%今日で43歳になりました。
本日は,平成13年度秋田県建設CALS技術研究会総会(I T come into view 建設CALS/EC in Akita)への参加です。

秋田県建設CALS技術研究会総会(午前10:00〜午前11:30)
1)秋田県建設CALS技術研究会会長挨拶
2)来賓挨拶(国土交通省秋田工事事務所長、秋田県建設交通部建設管理課長)
3)新規会員の紹介
4)研究会活動状況報告
5)記念講演 「建設産業における建設CALS/EC戦略」 情報システムコンサルタント 桃知利男 氏

ということで,ここで私はまず記念講演をします。
問題は講演時間がはっきりしないことですが,どう考えても1時間は取れないです。

それで,ここで使用するプレゼンピッチを早起きして大修正しました。CALSの戦略性に的を絞った話とする予定です。
この後には,一般の方々にも開放されている.基調講演(午後1:00〜午後4:30)があります。

(秋田県工業技術センター所長挨拶)

演題(1)「行政コスト縮減における建設CALS/EC」 
東京都下水道局建設部 工務課  武見敏靖 氏
・施工・品質管理等提出書類の電子化(CDROM化)
・中間検査・完成検査におけるCDROMの活用
・会計検査におけるCDROMおよびビジュアルデータの活用

(休息 10分、コーヒーブレイク) 

演題(2)「岐阜県への建設CALS/ECの支援について」
マイクロソフト製品マーケティング本部  平野雅之 氏
情報システムコンサルタント  桃知利男 氏
・岐阜県IT戦略における建設CALS/EC
・建設業協会の取り組みおよび対応
・マイクロソフトの支援状況について

(休息 10分、コーヒーブレイク)

演題(3)「高速ネットワーク時代におけるCALS/EC」
NTTコミュニケーションズ ソリューション事業部 岡村智弘 氏
・ブロードバンドによるデータ伝送
・モバイルコネクトによる移動型端末の活用

ここでの話は時間枠が大体見えます。1時間を考えればよいわけで,それも岐阜県事例の紹介ですので,ここはまあ,大丈夫でしょう。

5.情報交換会(午後5:30〜)

この情報交換会には本来は参加予定ではなかったのですが,MSの平野氏が急ぎの移動のため参加されないこともありますので,本日の最終の移動を明日の朝一番に変更して,私が参加しようと思います。なので,本日も秋田泊ですね。

2001/07/03 (火)  
【秋田】

桃知@秋田行きのANA便である。
待ち人来たらず。というか今一歩で届かず。どうするんだ。

しかし,今朝の出勤は最低の気分であった。
10:29 京浜東北線快速 赤羽 10:37
赤羽 10:46 埼京線 新宿 11:01
新宿 11:10 小田急特急サポート 15号 本厚木 11:53

夏場の埼京線なんざ,ネクタイをして大きな荷物を持って,乗るものじゃございません。
物凄く混んでいる体育会系の部室のようなものです。

厚木では,県央建設業協会さんで講演。
実務者レベルでの話というご依頼でありましたが,まあ,話の内容はいつもと同じようなものでございました。

CALSについての説明が必要とのことでしたので,岐阜県の事例を紹介しながら,岐阜県のCALSの戦略性等も交え,今の国土交通省のいうCALS/ECの戦略の無さ,国土交通省のいうCALS/ECはつまり,国土交通省のためのOA化であることを話しました。そして,その戦略性の無さは,むしろ,地場型中小建設業にとっては,どちらかといえば有利なことなのだということも。

講演終了後,午後5時には,タクシーで移動開始。
渋滞時間の一歩手前をかいくぐり,1時間ほどで羽田まで到着。

と,以上までが機内で書いた分。
結構気流が悪かったらしくて,機体は揺れていて,すぐにシートベルト着用サインが出てしまったので,早々にPCもしまってしまったのだ。

ここからは本日の宿泊先である,秋田キャッスルホテルで書いている。

秋田空港に着いた時には,小雨だった雨も,今は雷雨。大きな音で雷鳴が鳴り響いている。
飛行場から「入船」へタクシー直行。本日のタクシー代は3万円をこえてしまた。

この「入船」と言う店は,とてもしっかりした店で,今日の驚きは,桃の生ハム巻きと竹蒸し。
それと焼き物についてきた蓼のソース。岩がきのフライ。そして,ホタテのXOジャン炒め。

なんかみんなすごい。
秋田へは,入船に行く用事だけでも来たいぐらいの店である。

ということで,明日は早くから仕事の予定なので早々に寝ることにしよう。


【言っちゃいけないんだろうが】

さて,つかの間の自宅滞在期間も終わり,今日からまた私はトラベリング中年である。
とにかくやらなくてはならないこと,行かなくてはならないところは山ほどある。

しかし,私は一人。私という個は有限である。
ましてや,移動というのは,デジタルと違って,物理的に私が時間を消費しなくては実現できない。

私という個の持つ時間というのも有限である。
この有限性こそが私の価値の源泉なのだろうが(古典主義の文脈だな),それが私にはどうも我慢できない。

技術的なものはアウトソーシングも可能ではある。それは問題はない。
問題は私自身のアウトソーシングかと考えるのだ。

それは,私のコピーを作成するということかなと思うが,私はパーマン1号でもドラエモンを擁するのびたくんでもない。
仮に誰かが私のコピーとして存在するとすれば,それは私以外の人格を持った,それは私のようなものではあるが私ではない一個人ということであって,すなわちそれは私のコピーではない。

この世に私のコピーは存在し得ない。それでいいのである。
ここで,問題は振り出しに戻る。

さて,本日の日刊建設通信新聞に興味深い記事が載っている。
12面,『落札率低下は入札制度改革のおかげです』である。

落札率の低下などは,電子入札の導入ではなく入札制度の改革による効果であるとの,横須賀市の森山氏の話が紹介されている。
さらには,電子入札による効果は「契約課の事務量の軽減に過ぎない」と指摘されておられるが,それは,当たり前のことで,既存の調達システムを温存して電子入札を導入しても,落札率の低下などはありえない。

それは私が現行のCALS/ECの形骸化を批判するときに,前々から指摘しているところでもある。
つまり,電子入札や電子納品などという今のCALS/ECは,費用対効果の面でも大きな問題がある。

横須賀市の場合,多分(推測の域を出ないが)電子入札システムはNTTグループが破格の安値(タダかな)で作ってくれるであろうから,コストはかからないだろうから,「契約課の事務量の軽減」は人員の削減等のメリットを生むだろう。

しかす,他の省庁,自治体が,単なる「契約課の事務量の軽減に過ぎない」電子入札のシステム構築に何億円も税金の投資したとしたら,それは本末転倒,費用対効果を考えない,それこそお役所仕事にしかならない電子入札が始まるのではないかというのが,私の危惧しているところなのだ。

CALSは調達のシステムである。電子入札は調達における一つの断面,点に過ぎない。
電子入札によって,より良いものをよりやすく,早く,公正に調達するというCALSの目的の一つを達成するには,その前提となる現行の入札システム改善を行わなくてはならない。

横須賀市はそこに気が付いたということだろうが,それはCALSからアプローチではなかったというのが,今のCALS/ECの形骸化を物語っているだろう。

2001/07/02 (月)  
【さて,どうなることやら】

WorkPad(c3)が完全におかしくなってしまった。
「ようこそ」画面が点滅し続けている。リセットも何も受け付けてはくれない。

それは,ひょうきんに,しゃっくりでもしているようにも見えるのだが,オーナーである私の心は穏やかではないのだ。
バッテリーが切れるまで,こやつは,このままなのであろう。悲しい最後である。

ということで,私は次のPDAを探している。
というか,それは既に決まっているのだが,その肝心なものが売られていない。つまり品切れ状態。

それはCOMPAQのiPAQ,それも64MBバージョン。
32MBのものは在庫があるようで,実際に見ることができるのだが。ここらで,妥協してしまおうかとも考えていたりするのだ。

今日はc3の復活はあきらめて,明日,明後日の講演の準備をしていた。
明日は厚木へお邪魔する。神奈川県の県央建設業協会さんに御呼ばれしている。

その厚木での講演が終わったら,急ぎ羽田へ向かう。最後の便で秋田まで移動。
本厚木からバスも出ているようなのだが,待ち時間もあるようなので,タクシーででも行こうかと思っている。

秋田についたら,先日連れて行っていただいた「入船」で晩飯としながら,一緒の便に乗ってくるはずのMSの平野さんと打ち合わせをしてホテルに入ろうかと考えていた。

明後日は,秋田県建設CALS技術研究会総会にて午前と午後に少しずつ話をする予定(記念講演と基調講演とあったが,その区別は私にはわからない)。

しかし,明日の移動はかなり疲れが出そうな旅程ではあるな。



【CATV】

今日は蕨ケーブルTVの工事の日。朝から2時間ほどで工事は終わる。
たくさんのTVは写るようにはなったし,速いインターネット回線も使えるようになった。

やはり自宅で仕事をしているときには,とにかく速い回線がほしい。
それでADSLかCATVかで悩んでいたのだが,地元の蕨ケーブルTVの回線速度が,7月から最速で1.5MbpsになるとのことなのでCATVを選んだ次第。

確かに速くて,以下のような計測結果。

測定サイト http://speedtest.pos.to/
測定時刻 2001/07/02(月) 16:18:45
回線種類 CATV
回線業者 -
プロバイダ その他のCATV
データサイズ 1440.656kB
伝送時間 6.39秒
ホスト1 WebARENA 1.80Mbps
ホスト2 WebARENA(2) 1.85Mbps
ホスト3 pos.to 1.78Mbps
ホスト4 pos.to(2) 1.80Mbps
推定スループット 226kB/s
推定スループット 1.80Mbps

ケーブルモデムは3COM社製のものが来た。
我が家は一応家庭内LAN状態にあるので,このCATV回線をLANでシェアするために,PCI製のブロードバンドルーターBRF-04Fを使ってみた。

実売価格(大宮のソフマップ)で15,799円(税抜き)。
関与先で何度か使ったことのあるルーターなのだが,我が家では何の設定もなしで繋がってしまったので拍子抜け。

ということで,一応我が家もブロードバンドを手に入れたわけだが,ほとんど家にいない私は,この恩恵にあずかるのも少ないのが玉に瑕というところだろうか。

2001/07/01 (日)  
【今週の読書】

人間は目的合理だけに向かってなんて動かない生物なのである。
これが最近の私の今の考え方の基本である。

『見世物家業−安田里美一代記』,鵜飼正樹,2000年3月31日,新宿書房

この本は再掲である。以前に一度紹介している。
昨日の【農民のエートス】で書いた中村久子女史を私が知ることとなったのは,恥ずかしながらこの本を読んでからのことなのだ。

この本では,中村久子女史は「だるま娘 中村久子」として登場してくる。
「だるま娘」である。つまり,手も足もないということなのだが,私が最初にこれを読んだときには絶句してしまった。

まあ,そんなことよりも,私がこの本に惹かれるところがあるとすれば,すくなからず今の私の活動拠点でもある岐阜県との係わり合いはあるだろう。
人間ポンプこと安田里美氏は大垣に自宅をもっておられたし,中村久子女史は飛騨高山の生まれである。

明治,大正,昭和と,日本が近代化を進める中で,その影の部分を生きてこられた方々の話は,私を轢きつけて離さない。
それは,生命のリアリティ,命というものの愛しさゆえのものだと感じている。

大垣のソフトピアジャパンを訪れる度に感じる空虚ささえも,ここは人間ポンプが生きていた街だと思うことで,私の中の虚構は消えてくれるのである。

資本主義だろうが社会主義だろうが,政府が大きかろうが小さかろうが,戦争であろうが平和であろうが,金持ちだろうが貧乏だろうが,仕事があろうがなかろうが,ITになろうがアナログであろうが,いつの時代も,人間は生き続けなくてはならない。そして,その人間のドラマこそが唯一つの真実なのだと思う。

しかし,もう一つ踏み込んで考えると,私が彼らの生き方に感動を覚えるのは,彼らが,「機会の平等=潜在的な自由」,アマルティア・センの言葉で言えば「潜在能力」が保障されない時代に生まれ,そしてその不自由な世界で生きてきたことゆえのものであることに気付く。

ということでむりやり話題を2冊目の本へ移す。

『定常型社会 新しい「豊かさ」の構造』,広井良典,2001年6月20日,岩波書店

今という時代に,「セロ成長」とか「環境制約との両立」とかいう次元を超える,ポジティブな価値観を提示する本が書かれたことを私は評価したいと思う。
先に使った,「機会の平等=潜在的な自由」というのは広井のことばである。

『個人の「機会の平等=潜在的な自由」が保障された社会とは,わかりやすく言えば,各個人が「共通のスタートライン」に立てるような社会,ということなのであるが,ここで重要なのは,その場合の「共通のスタートライン」ということの意味である。』

『たとえば,ここに二人の高校生がいたとする。一方は,経済的にも恵まれた環境に育ち,大学への進学,海外への留学,あるいは進学せず職人的な仕事を目指す等々で迷っている。他方は中学時代に父親を事故で亡くし,大学進学は困難で,何らかのかたちで自ら生計を立てていける進路ないし職業を探さなくてはいけないという状況にある。』

『さて,この二人について見たとき,そこで「機会の平等」ということが十分保障されていない,ということは言うまでもない。では「自由」はどうか。』

『二人に対して,「干渉しませんからそれぞれ"自由”にやってください」と言うことはできる。その限りでは両者はともに「自由」である。けれども,当然のことながらその「自由」の意味内容はまったく異なっている。つまり,(与えられた選択肢の中で)「好きなように」という意味で「自由」ということが言えたとしても,その場合の選択肢そのものが大きく異なるのである。』

『この場合,「選択肢」の大小ということは,すなわち「潜在的な自由」の大小と言い換えられるだろう。つまり,「自由」ということを放任とか「好きなように」という意味ではなく,その人が選びうる選択肢の広さという意味での「潜在的な自由」としてとらえるならば,いまの例での後の者の場合に十分に保障されていないのは他でもなく「自由」である。』

私の興味の対象というのは(それは熱心な読者なら既にご存知のとおりであるが),ここで広井のいう「機会の平等=潜在的な自由」を達成するためには,どのような経済・政治システムが有効なのであり,それを支える哲学とは何かというところなのである。広井はそれを「定常型社会」へ求めるのである。

それでは定常型社会とは何かといえば以下のようなものだ。
「定常化社会」の3つの意味とその条件/根拠 P161
定常社会の
・第一義的な意味「マテリアルな(物質・エネルギーの)消費が一定となる社会」
(=脱物質化)←情報化(情報の消費)や「環境効率性」の追求を通じて
・第二の意味「(経済の)量的拡大を基本的な価値ないし目標としない社会」
(=脱量的拡大)←「時間消費」を通して
・第三の意味「(変化しないもの)にも価値を置くことが出来る社会」
←「根源的な時間の発見」を通じて

これが現実的なのかどうかは,私の頭では今のところわからない。
でも,こういうことに興味があれば是非に読んでみてくださればと思う。人間社会は限りなく複雑であり深い。

momo
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