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2019年03月03日|お知らせ


2006年11月13日(月) 

経済成長至上主義の人たちは自分の立ち位置の微妙なずれに気付いていないのだろうか。

午前6時起床。浅草は晴れ。

日曜討論

昨日の朝方、NHK総合の日曜討論「格差は?税制は?“成長戦略”を問う」をなにげにみていた。そこで気になったのはまず、大田弘子経財相の次のような発言だった。

公共事業に依存してきた地域の立ち遅れはあるが、それについてはこれから考えていきいたい……。

これは都市と地方の経済的(景気感)格差の問題に関してなのだが、それについては「これから…」なのだそうだ。たぶん大田大臣は、地方でなにが起きているのかを、身体的に理解できていないのだろうと思う。高い位置から、ただ数値を眺めているような学者的発言には、人間の営みに対する愛情というか愛着が(私は)感じられなかった。蟻の行動観察でもしているつもりなのかもしれないが、とても(大臣の発言としては)違和感のあるものだった。

そしてもうひとつ、それは本間正明政府税制調査会会長からの、イノベーション・技術革新に関する発言であった。

時勢がホリエモン、村上ファンドのようなものを求めていて、それがサービスの裾野を広げていく…

本間正明氏は大阪大学の経済学の先生らしいのだけれども、まさかイノベーションと技術革新の例が、(いまさら)ホリエモンと村上ファンドだとは……、私は開いた口がふさがらなくなってしまった。経済成長至上主義の人たちは怖い、というか、自分の立ち位置の微妙なずれに気付いていないのだろうなと思う。

経済学を学ぶと利己的になる?

行動経済学では、「経済学を学ぶと利己的になる」という実験報告がある。

マーウェルとエイムスは、経済学専攻者とその他の専攻学生に対して公共財ゲーム実験を行った。すると驚くべきことに、経済学専攻者の平均貢献率は初期額の20%しかなかった。その他の専攻者は49%であるから、かなりの差がある。(友野典男:『行動経済学』:p319)

フランクらは、学年の違いによって囚人のジレンマで裏切りを選ぶ人がどう変化するかを調べた。それによると、裏切りを選ぶ者の割合は、非経済学専攻1・2年生53.7%、3・4年生40.2%であった。年齢が上がると協力を選ぶ者が多くなるのが一般的な傾向であるから、これはそれに合致している。一方経済学専攻1・2年生73.7%、3.4年生70.0%であって、年齢が上がっても協力を選ぶ者の割合は増加しない。経済学を学ぶと利己的になると言えそうだ。(友野典男:『行動経済学』:p321)

古いタイプの経済学者

普遍経済学大田氏も本間氏も優秀な経済学者なのだろうが、(私からみれば)古いタイプの経済学者でしかない。

つまり彼(女)らはイノベーション(革新)をいうのだけれども、そのイノベーション(革新)概念と手法が、どうしても使い古された時代遅れのものに感じてしまう。

クールヘッドであることは悪いことではない、しかしそこにウオームハートが伴わないのであれば、行政・政治に携わるのは、できれば避けて欲しいと思う。

そこは(もはや)古いタイプの経済学者の持ち場ではない。社会は、経済(交換の原理)だけで動いているわけではないのだからね

投稿者 momo : 2006年11月13日 09:02 : Newer : Older

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