茅輪くぐり―浅間神社。(浅草5丁目)

午前7時30分起床。浅草は雨。

この土日は、お富士さん(浅間神社)の縁日で、植木市であった。例によって、内の近所はアジールな空間となる。

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浅間神社では茅輪(ちのわ)くぐりがおこなわれていた。

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これは、この輪をくぐることで半年分の穢れを払い落とす、という神事である。

水無月(みなづき)の夏越(なごし)の祓(はらい)する人は千年(ちとせ)の命のぶというなり

と唱えながら、まず左周りに一回、次に右回りに一回、そして左周りにもう一回。

つまり、茅輪の両端を八の字を書くようにくぐってから社殿へ向かう。

それは、茅輪の両端を使って、メビウスの帯をつくっていることになる。

この空間に”ひねり”を加えることによって、反転を起こす、というのは、典型的な神話のアルゴリズムをもつ。

それをキアスム図式で書けばこうなるだろう。

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Fx(a):Fy(b)Fx(b):Fa-1(y)

穢れのある私:Fx(a)は、茅輪:Fy(b)によって、穢れのない状態:Fa-1(y) になる。

本当は、ではなぜ茅輪がトリックスターとして機能するのか、を考えれば面白いのだろうが、それはよくはわからないままにしておこう。

茅とはカヤのことである。その青々とした生命力にあやかったものなのかもしれない。

長野県に茅野という処があるが、茅野は茅の野である。そこが縄文の地層であることとも関係しているのかもしれない。

いずれにしろ、こうして今の時代にも、神話作用=神話のアルゴリズムは普通に残っている、ということである。

浅間神社
台東区浅草5-3-2
03-3844-1575
浅間神社(お富士さん)
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