経財相に大田弘子氏。

安倍内閣の経済財政相には、民間から大田弘子政策研究大学院大学教授が就任するらしいされた。

大田氏は、竹中平蔵氏と基本的には同じような考えを持っておられる方なわけで、経済政策路線は、基本的には小泉・竹中内閣と変わらないと云うことだろう。

つまり公共事業はババ抜きのババであることをはっきりさせたようなもので、公共事業という産業や地方にとっては、また厳しい時代が続くと覚悟して望まないといけないわけで、戦略的にはかなりタイトな選択を余儀なくされるかもしれない。

追記

2006年9月27日:昨日の安倍総理の昨晩の記者会見を聞く限り、この内閣は歳出削減内閣でしかなく(首相自ら30%給与カットを宣言してしまった)、経済成長は市場(イノベーション機能)任せであることは確実のようだ。つまり、ここで公共投資のパイは確実に減る。

そこでは、公共事業という産業が「金魚論」の枠内である限り、需要が減少する(市場が縮小する)経済で、個々の企業が過去からの継続で同じことをしていても、その範疇での努力は報われないと云うことになるだろう。

つまりキアスム的転換は必要なのだけれども、そのためのリソースはあるのかと云えば、心もとないのが現状であり、つまり、試みの多くは失敗に終わる可能性が高い。

しかし失敗しても再チャレンジが可能な環境であれば、変化へのインセンティブは高まるわけで、とすれば、安倍政権の経済政策は、変化へのインセンティブ中心になる可能性は高く、その象徴が金融再チャレンジというへんてこりんな大臣ポストなのだが、このポストと、大田弘子経財相は対のような関係にある(破壊する→再チャレンジさせる)。つまりかなり本気にリバタリアニズム化は進展してしまう――安倍さんがそう意図しなくてもだね――と云うことだ。