Web 2.0の流れは「消費者から企業へ」

先の記事(「講演用PPTのつくり方」)を書いた後に、CNET Japanにタイムリーな記事見つけた。

Web 2.0の流れは「消費者から企業へ」--進む「IT技術のコンシューマー化」

Ajaxを使ったウェブ開発、RSS、ブログといった技術は、たしかにビジネスの分野でも利用が進んでいるものの、たいていは小規模か、実験的な導入にとどまっている。また、Wiki、タグ付け、ウェブベースのソーシャルネットワーキングなどが持つ、人と人とのつながりを促進するという側面は、働く人たちの間でのコラボレーションの向上にも役立つと、講演者たちはその利点を述べた。

Web2.0 関連の話題は、その技術的な側面と時代背景(環境)とが、一緒くたに語られてしまうので、どうしても焦点がぼけてしまいがちだ。

しかし「環境は技術を促進し、技術はまた環境をつくる」と考えておけばよいだけのことだろう。

その辺でうじうじ考えていてもなにもはじまらないと(私は)思う――CALSがつまらないのはこの辺でうじうじしているからだ。

仕事ではコミュニケーションし過ぎるということはない。」――つまり個人をHUBとしたコミュニケーション&コラボレーションの可能性が私の中小建設業のIT化の主論なのであって(大企業は無視しているが)、それはWebに触れたときから今までずっと変わらない。

それがWebの世界で顕著であるのは「Webはリアルな世界のちょっと先をいく実験装置」だからである。

今回のCNET Japanの記事は大企業向についてのものだろうが、中小企業は最初から「進む「IT技術のコンシューマー化」でしかないのである。

そのことでIT化に乗り遅れない――どころか、大企業よりも有利になることが可能なのである。それも非常に小さな投資額でだ。

過去においては、率先して新技術を採用するのは常に企業の側で、コンシューマーにまで新技術が行き渡るには時間がかかっていた。だが、この関係は今では完全に逆転していると、Googleのエンタープライズ事業部でプロダクトマネジャーを務めるRajen Sheth氏は指摘する。  「ビジネスにとってのWeb 2.0とはすなわち、ITのコンシューマー化だ」と、Sheth氏は語った。

つまり、中小企業のIT化では、技術的には進む「IT技術のコンシューマー化」でよいのである。

そこをあまり難しく考えてはいけない。

要はIT技術を使いこなして、「仕事ではコミュニケーションし過ぎるということはない。」を実行できる個人と組織の関係――それがWeb2.0における「種の論理」なのだが――をいかにつくるのかということだ。

個は種のミームの中で育ち、また種は個の変化によるミームの変化を内包している

ただ、創造力が無いところでは、この自律的な運動は起きない。

だから「考える技術」は必要なのである。

つまり環境は今、Web2.0という環境で通用する個人と組織の関係(創造性)を要求している。

それが「ライプニッツ的個(バロックの館)」であることで――情報の共有であり、IT化の目的でなくてはならない。

これは難しいものではあるけれども、このあたりは南九州3県合同CALS情報交換会でお話しようと思う。