会津みしらず柿にパトリを感じる。

会津みしらず柿会津みしらず柿をいただいた。

会津みすらず柿は、渋柿を焼酎につけて渋を抜いたもので、皇室への献上柿としても有名なものだ。

白い果肉(甘柿ではないのでゴマがない)は柔らかいのだが、サクでも、フニャでもない、その両方を止揚したような歯ざわりがなんといっても素晴らしい。

果肉はとても甘いのだが、ほのかに渋みが残っている方が(私的には)好きであって、それでこそ、渋抜きの醍醐味だと、勝手に思っている。

会津みしらず柿本来柿は、温かい地方(西日本)のものであり、東日本の出荷量は少ない、とどこかで教わったことがあるが、そんな東日本でも、福島県会津地方、及び安達地方は柿の産地とされていて、私もかつてはこの会津みしらず柿をよく食べたものだ。

つまりこの柿は、私にとっては少なかぬパトリ性を帯びた果実なのであって、食べるとどこか懐かしさが湧き出ている。

味覚の記憶の深層性というのは、とても興味深いものがあるなと思う。