スクランブルチーズケーキ。(小樽スイートハウス)

スクランブルチーズ

スクランブルチーズ スクランブルチーズ

午前8時起床、浅草はくもり。先に豆腐によく似たチーズケーキのことを書いたが、これもまた擬態である。スクランブルエッグのようなチーズケーキである。

お豆腐レアチーズ」と同様、浅草松屋の北海道物産展で購入したもので、北海道小樽市の小樽スイートハウス製で、「スクランブルチーズ」と名指しされている。

ただ擬態としてのインパクトは、「お豆腐レアチーズ」に比べれば落ちる。それは、スクランブルエッグの素材性の薄さ(つまり完成品としての)の限界だろう――豆腐は素材であり、素材を擬態としたときのインパクトはより大きいように(私は)思う――例えば掘りたてのネギや大根のようなチーズケーキを想像してみるとよいだろう――、でもそれがなぜかはわからない。

擬態

もう何が本物で、なにが模造であるかなど、どうでもよい時代であることは確かだ。チーズケーキの正しいかたちなど、もうだれも興味をもたないし、そんなものを追求しても誰も振り向かない。

消費者は、ただズレを楽しみ、「ふわふわで、おいし~い」とでも言えば(書けば)、それでなにか分かったような気になってしまう。そしてそれは、けっして悪いことでもないだろう。

しかし私は、最初にこれらの擬態を見て、ただ、面白いなと思った、が、やがてなにか悲しくなってしまった。それがなぜなのかはよくわからないし、それをわかろうとも(今は)思わない。ただね、食べたら、おいしいよ、と書くのである。