山鹿の馬刺し。(熊本県山鹿市)

山鹿の馬刺し

山鹿の馬刺し山鹿の立花さんより馬刺しを頂いた。ありがとうございます。

それは野趣溢れんばかりの肉の塊であるが、立花さん曰く、『庶民が食べるグラム幾らの「馬ブロック」を手配いたしました。…注意事項です、馬肉は絶対に冷凍してはいけません。それから、筋に対して直角にやや厚めに切ってくださいませ。』なのである。

熊本の馬刺し

馬刺し熊本の馬刺しは全国的に有名であり、あたしも熊本を訪れる度に馬刺しをご馳走になっていたりする。その馬刺しは、きれいなサシの入ったもので、たしかにそれは素晴らしく旨い。

ただ会津馬刺しの赤身を食べてからは、赤身の旨さ(というかさっぱり感だな)というのにも開眼してしまったわけで、先日山鹿の皆さんと会食をした折、山鹿でも普段食べているのは赤身ですよ、との話を聞いてわが意を得たり。早速お送りいただいたわけだ。

熊本馬刺しのたれ

熊本の馬刺しの特徴(会津馬刺しとの差異)は、そのたれにあるだろう。会津馬刺しは辛し味噌を使って食べる。ニンニク、唐辛子入りの味噌を、普通の醤油でといで使う。

醤油一方、熊本の馬刺しは甘い熊本の醤油で食べる。今回は、気を使っていただいた。なんと馬刺し用の醤油が同梱されていたのである。

この醤油は関東の醤油に馴染んでしまうと、猛烈に「あまい」。瓶に「あまくち」とは書いてあるが、「あまくち」ではなく「あまい」のである。

このあまい醤油に、おろししょうがで食べるのが、私の知っている熊本馬刺しのスタイルなのだが、今回は「馬さしづま」なるものが付いてきたのでそれを溶かしてつかってみた。

馬さしづま

馬さしづま

これは初めてみるものであって、原材料をみると、ガーリック、唐辛子が主原料のようだ。つまりは会津馬刺しのたれである辛し味噌と基本的には同じなのである。

それが熊本では乾燥したものになり、会津ではペースト状のものとなる。

この差異こそがパトリの表出に他ならないのだが、こうして浅草にいながら山鹿のパトリを食することの幸せを感じる反面、やっぱり地のものは地元で食べなくちゃいけないよな、などとも思ってしまう。まあ、それは贅沢というものなのだろうけれどもね。