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その2 ダイアルアップルーター(導入編)


■Windows95 Peer to Peerから外へ出てみる。
さて、前回はWindows95 Peer to Peerで2台のパソコンでネットワークの構築をしてみました。
NetBEUIによるネットワークは、思いのほか簡単で、わが事務所でもCDDやプリンタの共有に活躍しております。
今回は、ようやく我がBOHO事務所にISDN回線が敷設されましたので、ISDN回線を使ってネットワークから外へ、つまり2台のパソコンから同時にインターネットへ接続しようというたくらみの話です。

Windows95のPeer to Peerネットワークから、インターネットへ接続する方法として考えられるのは以下の2つでしょうか。
   1・ソフトウェアProxyサーバーを使う
   2・ダイアルアップルーターを使う

■Proxyサーバー
Proxyサーバーを使う場合、INS64でインターネットに接続しようかと思うと、TA(ターミナル・アダプタ)が必要となります。
TAは、高性能のものが比較的安くどこでも手に入るようになってきました。このTAとソフトウェアProxyを使ってLANで繋がれた複数のパソコンから同時にインターネットへの接続が可能です。
ダイアルアップでの使用を目的としたProxyサーバーの代表的なものとしては、
 ・Proxy97(株式会社ブレーン http://www.brain-tokyo.co.jp  ももちのリンク集にも収録)
 ・Light Internet Proxy(多摩ソフトウェア http://www.tamasoft.co.jp
などがあります。
が、今回桃知が選択したのはダイアルアップルーターでした。

■ダイアルアップルーター
Proxyサーバーによるインターネット接続が、ソフトウェア的とすれば、ダイアルアップルーターによる接続はハードウェア的接続といえるでしょう。
今回桃知が選んだのは、ハード的な方、つまりダイアルアップルーターでした。
購入した製品はのは富士通のNetVehicle-fx3という製品です。
ルーターを選択した理由としては、
○近く検証用のWindowsNTServerマシンをネットワークに追加 する予定で、都合3台のネットワークになるとハブが必要となる。
○ハブとターミナルアダプタとProxyサーバーを購入すると、ダイアルアップルータを買ったほうが安く済むのではないかと考えた。
○なんかいろんなモノがごちゃごちゃしているより、ルータ1台の方がスッキリしている(笑)=CDラジカセ的な簡単さを期待。

NetVehicle-fx3を選択した理由は、
NetVehicle-fx3の性能・機能については、ネットビークルのホームページをご覧いただくとして、桃知がこのルーターで注目した機能は具体的には以下の通りです。
   ・DHCPサーバ機能
   ・10BASE-Tハブ4ポート
   ・DSU内臓
   ・WWWブラウザを使った簡単設定 

購入価格は名古屋は大須の九十九電気で、税抜き54,800円でした。
ダイアルアップルータとなると、TAと違って、ある程度大きなショップじゃないと品数も揃わなくて選びようがないかもしれません。許す限り大きな電気街での購入をお勧めします。ショップの店員さんの話も参考にしましょう。

実は、同じ九十九で、5千円程安くNTT-TE東京のMN128-SOHO/DSUが山積みで売っていまして、1時間ほど迷いに迷ったのです(笑)。結果的にNetVehicle-fx3を購入したのはハブが1ポート多かったから?でした(笑)。
■TCP/IPプロトコルを利用できるようにする。
画面1 前回設定したネットワーク設定画面
ダイアルアップルーターを使用する場合、TCP/IPというネットワークプロトコルがパソコンにインストールされている必要があります。
そしてネットワーク上で繋がれている機器同士がTCP/IPを使って話が出来る必要があります。

Windows95 Peer to Peerからインターネットへ接続する場合、前回設定したネットワークプロトコルであるNetBEUIでは接続できません。TCP/IPプロトコルの追加が必要です。

画面1は前回設定したThinkPad560Xのネットワークの設定画面ですが、TCP/IPはダイアルアップアダプタへのみバインドされていて、LANカードであるMELCO LPC-Tにはバインドされていません(前回、DHPCServerが云々というWindows95からのお叱りに削除してしまったのですね)。

この設定では、NetBEUIによるWindows95 Peer to Peer接続と各々のパソコンによる個々のダイアルアップによるインターネット接続が可能な状態であり、ダイアルアップルーターを使ったインターネット接続は出来ません。ダイアルアップルータとパソコンが話が出来ないのですね。
そこで「追加」をクリックして「プロトコル」「Microsoftネットワーク」から、TCP-IPを選択して追加します。(画面2参照)
画面2 LANアダプタにTCP/IPをバインド

■NetVehicleのDHCPサーバ機能を使う
TCP/IPを使う場合、ネットワークの各コンピュータ(ホストと呼んだりしてます)のIPアドレスの割り当てが必要です。
昔は一台一台のコンピュータに固有のIPアドレスを割り当てていたのですが、NetVehiclefx3はDHPCServer機能を持っていますので、使用するIPアドレスの範囲をあらかじめ決めておき、ネットワーク上でコンピュータを起動するたびに順次アドレスを割り当てるDHCP(Dynamic Host Configration Protocol「IPアドレスの動的割り当て」といいます)が使えるわけです。これを使わない手はありませんね。

画面3 ゲートウェイの設定
そのためには、まず[現在のネットワーク構成]一覧から「TCP/IP->MELCO LPC-T」(図2参照)を選択して[プロパティ]ボタンをクリックします。
[TCP/IPのプロパティ]画面が表示されますので[IPアドレス]で「IPアドレスを自動的に取得」を選択します。
次に[ゲートウェイ]で、新しいゲートウェイを「192.168.1.1」(NetVehiclefx3のIPアドレス)と入力し[追加]ボタンをクリックします(画面3参照)。これだけで設定は終了なのです。あとは、例によって[OK]を何度か押してパソコンを再起動すると、パソコン側でのNetVehicleのDHCPサーバ機能を使う準備はできました。

この後は、実際にNetVehiclefx3のハブポートにLANケーブルを繋ぐのですが、今回使用するLANケーブルは前回と違い、ストレートケーブルです。前回はハブを経由しないで、直接2台のパソコン同士を接続しましたが、その時使ったのはクロスケーブルでした。NetVehiclefx3には10BASE-TのLANケーブルが1本付属していますので、今回は460円にて3mのストレートケーブルを1本購入するだけで済みました。

■ちょっと確認
さて、パソコンとルータを接続して起動すると、実にあっさりとWindows95が立ち上がりました。
ここで、まずTCP/IPプロトコルでルータとパソコンが話が出来ているのかを確認するのに、DOSプロンプトから[ping]コマンドを打ってみました。
それが画面4の画面ですが、ちゃんと192.168.1.1(NetVehiclefx3)からReplyが帰ってきています。うまくいっているようです。

次に、IPアドレスがきちんと割り当てられているかを確認します。これには「winipcfg.exe」を使います。
[スタート]-[ファイル名を指定して実行]で「winipcfg.exe」を指定すると、図5のようにIPの設定情報が確認できます。
560Xには[192.168.1.2]というIPアドレスが割り当てられているのが確認できました。

  ↑画面4 pingでの確認
  ↓画面5 winipcfg.exeでの確認 

■ルーターの設定
あとはWebブラウザを起動してルーターの設定を行います。URLに「http://192.168.1.1/」と指定するだけで、設定画面が現れます。
今回は、ダイアルアップ先のプロパイダに関する情報の設定だけすればいいので、特別な設定は何も行わない「かんたん設定」で設定をしました。3分もかからないで設定は終了します。
実に簡単です。心配していた異常課金対策も「かんたんフィルタ」を設定するだけで大丈夫なようです。
ネットビークルのホームページには「かんたん設定」の体験ページもありますので、興味のある方はご覧ください。
■まとめ
今回は、ダイアルアップルータを使ってWindows95 Peer to Peerネットワークから、インターネットへ接続できるようにしてみました。
ルータからのインターネット接続は実に快適です。使用開始二日目ですが今のところ問題はありません。
テレほーだいにも申し込みをしてきました。残念ながら締め日が10日ということで、使えるのは来月の11日からです。
アナログポートには、ファックス・電話機を取り付けてみました。どちらかといったら、ファックスの方が使い方が難しいですね(笑)

ダイアルアップルータというのは、面倒で素人さんお断り的なネットワークの世界に、CDラジカセ的便利性をもたらしてくれるものだと思います。今回行った事は、それこそネットビークルの入門的機能しか使っていませんが、それでも小規模事務所でのネットワーク構築には十分有効なものだと思います。
建設業におけるダイアルアップルータの最も効果的な利用場面は現場事務所だと考えます。
3,4台のパソコンによるLANの構築と、CALSには欠かせない電子メール等のインターネット利用が1台のダイアルアップルータで構築することができます。現場事務所-本社、現場事務所-現場事務所間の接続にも使えますね。

ちょっとした投資、ちょっとした工夫、ちょっとした努力。 BOHO構築の3原則ですね。

IP address
〔インターネット〕IPアドレス:インターネットに接続するコンピュータに割り当てられた認識番号.

Progressive English-Japanese Dictionary, Third edition Shogakukan 1980,1987,1998/プログレッシブ英和中辞典 第3版 小学館 1980,1987,1998

Tuesday, 26-May-98 10:48:12


桃知商店
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