THE pinkhip WORLD 「中小建設業情報化講座」 第12回 |戻る |著作権|
今回は、突然に(笑)建設CALS/ECに対応した社内の情報化において欠くことの出来ない3つの要素について述べたいと思います。
社内の情報化とは、何よりもまず、全社員が情報や知識の価値や有効性に気づき、積極的に情報や知識を入手したり、創造したり、利用したりできるようになると同時に、社内において、あるいは社内の枠を越えて、他の人々とのあいだに緊密なコミュニケーションとコラボレーションの輪を広げていくことを意味します。
コミュニケーション(意思疎通)とコラボレーション(協動)こそが、情報社会(インターネット文化)における社会活動の行動原理です。
つまり、情報社会(情報過多の社会)に生き残る企業とは、この2つの行動原理を企業内で実践できる企業であるということです。
これは、従来型の情報に対する受身の姿勢ではなく、まず、知識や情報を自ら表現し、積極的に自らの考えを伝達する、ということ(企業レベルでも社員レベルでも)。(コミュニケーション)
さらには、単に自ら情報を作りだし表現するだけではなく、もう一歩進んで、目標の実現に対して、その目標と自らの案を提示しながら、組織の階層や部署を越えて(企業の枠をも越えて)、その目標の実現を、お互いに競争ではなく、協働を通じて図るということです。(コラボレーション)
もちろんこの行動を根底から支える基盤は情報技術であることは言うまでもありません。
この意味で、社内情報化の効果をあげるためには、その基盤となる適切な物的インフラや、それを支援するサービスの人的なネットワークが、社内に作られ機能することが大切です。
具体的には、
(1)全社員が手軽にアクセスできるインターネット型の高度な情報インフラ
(2)そのインフラを基盤として動く、誰でも容易に使える多様な情報通信機器とアプリケーション・ソフトウェア
(3)そして、それらのインフラや機器、アプリケーションの保守や運用上の疑問に答え、社員を訓練し、日々の情報生活をなにやこれやと支援してくれるサービス網を、まず作る必要があります。
(1)と(2)は、現時点ではイントラネット・グループウェアの導入を言うことは理解されることと思います。
問題は(3)でしょう。社内にヘルプデスクを設けられる会社はともかく、多くの中小建設業の皆さんにおいては、それは望めるものではありません。ですから、この機能を担うのは、なによりもまず社内の「情報化キーマン」の皆さん、そして社内のボランティアグループとならざるを得ないのは言うまでもありません。
情報化推進の取り組みは、
・まず強力な経営トップのリーダーシップから始まります。
・しかし、その推進・熟成には、極めて「草の根運動」的なボトムアップの作業が不可欠であるともいえるのです。
この章をまとめるにあたっては、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター所長の公文俊平氏の「情報化の展望と課題」を全面的に参考としています。
工業社会と情報社会
工業社会と情報社会 工業社会 情報社会 革
新
技
術中核体
基本的機能
生産力蒸気機関
肉体労働の代替と増幅
物的生産物
コンピューター
知的労働の代替と増幅
情報生産力
社
会
・
経
済
構
造生産物
生産機関
市場
リーディング産業
経済構造
経済主体
経済体制
社会形態
所有物・サービス大量生産
近代工場(機械・装置)
植民地、消費購買力
製造業(機械・化学工業)
市場経済
企業
自由競争原理
階級社会
情報技術・技術・知識の大量生産
情報ユーテリティ(ネットワーク、データバンク)
知的フロンティア、情報利用
通信情報産業
協働経済(共同利用)
自主的コミュニティ
協働原理
協働社会
「原典情報社会」増田米二 TBSブリタニカ 1985.(「CALSの実践」水田浩 共立出版 1997.による)
原典では、「協働」を「共働」としていますが、コラボレーションの持つ意味を考えると、「協働」がよりふさわしいと考え、筆者の文責にて、「協働」という言葉を使っています。
:参考
店主戯言「甘えと信頼」を是非お読みください。
政府による「情報社会」の認識
「高度情報通信社会小委員会 報告」
URL http://www.epa.go.jp/j-j/keikaku/k-joho-j-j.html#0
12/11/98 23:32:14
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