鹿角屋でホルモン焼を食べる。(盛岡市)

パトリとしてのホルモン

ホルモン鍋3月1日、盛岡の夜は、鹿角屋(かづのや)でホルモンをご馳走になった。

深めのジンギスカン鍋に、ホルモンとタレをがばっと入れて、豆腐とキャベツを載せて、ぐつぐつと煮る。

あたしは(なんの予備知識もなく)このホルモン焼きを見たのだが、思ったのは、これは(あたしが)ホルモン鉄板鍋と呼んでいる、(あたしの)パトリ的ホルモンの食べ方とほとんど同じじゃないか、ということだった。

悪党的な食べ物だろうということ

ホルモンであれば、これは「悪党」の食い物であり、(たぶん)鉱山労働者の食べ物であり――その昔、鉱山で働く人たちの間では、ホルモンを食べるとけい肺にならないという伝説があった――、それは縄文の香りさえ孕む非農業民のものである。

そして(私は)なぜか、北海道は歌志内の「なんこ鍋」(それは馬のホルモンなのだけれども)の話をしていた。そして何故にこれが盛岡にあるのだろうかと。

秋田県鹿角というパトリ

向井田さんのお話によれば、この食べ物は店名のとおり、ホルモン秋田県鹿角のものであるらしく、そこは鉱山のあったところだということだった。

たぶん私の想像は大方あたりかもしれないな、などと思いながら、このワイルドなたべものを楽しんだ。

そして浅草に戻り、鹿角とホルモンのことを調べてみたら、こんなサイトをみつけた。食べ物 新日本奇行:<ベティー隊員の 今週の「食を歩く」を歩く>

そして秋田県の鹿角といえば、大湯環状列石のある、縄文の地層が露出している地でもある――私の想像は大方当たっていたようだ――。

恐るべし食い意地魂である――まあ、これだけ方々で食べていれば、食の民俗学的連鎖は、なんとかくわかるようになる、ということだろう。

ホルモン焼 鹿角屋
岩手県盛岡市大通2-3-12 タイガービル1F  
019-624-1242

鹿角屋

ホルモン焼鹿角屋
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