「中小建設業情報化の為の5つのポイント」 その5   


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その5 「建設業の情報化=現場の情報化」


■建設CALS/ECへの対応は現場の情報化の取組みから

建設業情報化における最大の特徴であり、そして情報化のリーダーシップを発揮する方々が最も意識して取り組まなくてはならないこと、それは、建設業には「現場」が存在するということです。

このあまりにも当たり前の事実を忘れているところに、建設業における情報化が地に足の着かないものになっている原因があります。

私は、現場の存在を省みない情報化が、建設業における「コミュニケーション&コラボレーション」を主眼としたネットワーク構築を遅らせてきた大きな要因であると指摘しています。

本社事務所にコンピューターを揃え、ネットワーク(LAN)を張り巡らし、基幹系(勘定系)のシステムに大きな投資をされて満足されている経家者を沢山見ることができますが、建設CALS/ECに対応した情報化、顧客指向の情報化という視点から見れば、それらの(自己満足的な)情報化の取り組みを持って情報化進んでいるというような観点は私にはありません。

皆さんの会社では、現場で働いている社員さんと、社内におられる社員さんとでは、どちらの数が多いでしょうか。
多くの建設会社では、当然に現場で働いておられる方々の方が多いと思いますし、建設会社において、利益とコアコンピタンスを生み出す根源の場とは常に「現場」であるはずです。

その「現場」を視点におかない情報化とは情報化にして情報化にあらずなのです。

さらに、より実践レベルで建設CALS/ECに対応しなくてはならないのは「現場」であることを理解しなくてはなりません。


■現場こそ情報化実践の場

建設CALS/EC実践の場は「現場」であるという認識が必要です。
現場こそ最優先に建設CALS/ECに対応した情報化の対象とされるものであり、その意味を持って現場で働く方々の情報リテラシイの向上を目的とした情報化の取組みが必要とされるところなのです。

現場と総務部、現場と経理、現場と役員、現場と営業部、現場と現場等々、現場を巻き込んだコミュニケーション&コラボレーションの為の情報化を積極的に展開しなくては、建設CALS/EC対応どころか、これからの大競争時代を生き抜く競争力が、情報化から得られるとはとても考えられないのです。

つまり、現場を自社のネットワークに積極的に取組み戦略的な経営に現場も積極的に参画しなくてはならないということです。

■イントラネットの可能性

本社外、つまり遠隔地に存在する「現場」を取りこんだネットワークインフラとして、現時点で考え得る最良の選択の1つとして私はイントラネットの構築と活用を推奨しています。

イントラネットは、建設CALS/ECにおける情報インフラとされるインターネットの技術を社内的に利用しています。
つまり、イントラネットの社内的な活用は、建設CALS/ECに対応した社員の情報リテラシイの向上と密接に関連していきます。

また、イントラネットは極めてシームレスにインターネットへの接続が可能であり、社内の枠を越えたネットワーク、つまり他社とのエクストラネットや建設CALS/ECへの接続も、特別な対応策なしに可能となることにその利点があります。

社内的にイントラネットを活用して行われる様々な業務は、そのまま建設CALS/EC時代への演習になりえるのです。
逆説的には、社内でイントラネットを通じて行われる業務は、建設CALS/ECで行われる業務を既に超えて行われていくことになります。

2000/08/25 一部改定

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