「ももち どっと こむ」より
還暦祝い!平成30年9月15日(土)桃組「小さな勉強会」と「暑気払い」のご案内。山と山とは出会わぬものだが人と人とは出会うもの(また会う道もある花の山)。
2018年08月01日|イベント
Lesson5 コミュニティ・ソリューション(1)―2つの問題解決方法とその限界
ヒエラルキー・ソリューションとマーケット・ソリューション
ここでは、インターネット社会の特性をベースに、社会的、経済的な問題に対する既存の問題解決方法の問題点をまとめておきましょう。ここでの考察は、後に行う公共工事依存型の中小建設業が抱えるさまざまな問題(公共工事という問題)の考察にある示唆を与えてくれることになるはずです。
なぜなら、中小建設業も、インターネット社会で生きるということに関しては、他の企業やNPOや行政などの組織と何の違いもないからです。そして建設業に従事されている方々の個人というレベルでは、なおさら〈私〉という個人となにも違うものではないからです。
これまでの社会で代表的な問題解決方法といえば、ケネス・J・アローが指摘しているふたつの問題解決方法が有名です(ケネス・J・アロー,『社会的選択と個人的評価』長名寛明訳,日本経済新聞社,1977)。それは、資本主義的な民主主義国家における社会的選択肢が、
①選挙によって選ばれた政治体制による政治的決定(ヒエラルキー・ソリューション)
と
②マーケット・メカニズムによる経済的な決定(マーケット・ソリューション)
のふたつであるということです。(ここでの「ヒエラルキー・ソリューション」と「マーケット・ソリューション」という呼び方は金子郁容に倣ったものです。)
このふたつの考え方の理解は実はかなり奥の深いものですが、現実には「ある基盤の上で」社会問題を解決する方法の二極化を意味してしまっています。政府の選択もこのどちらかに振れてしまう事が多いのです。
例えば、大規模な財政発動の後の急な財政の引き締め、ケインズ政策後の新古典主義的政策の台頭、そして最近目立つ動きである、地方自治体(以下「自治体」と呼びます)発注の公共工事における「制限付き一般競争入札」の台頭も、このふたつの解決方法が極端に振れることを私たちに実感させてくれるでしょう。今の日本政府の手詰まり状態も、結局はこのどちらかに極端に振れて問題解決をしようとする結果でしかないように思えるのです。
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: 2007年09月17日 18:53: Newer
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