「ももち どっと こむ」より

還暦祝い!平成30年9月15日(土)桃組「小さな勉強会」と「暑気払い」のご案内。山と山とは出会わぬものだが人と人とは出会うもの(また会う道もある花の山)。

2018年08月01日|イベント



Lesson10 IT化はなぜ遅れたのか(1)―ある建設業協会で行ったIT化状況調査から

 [表2]IT化状況調査結果(某建設業協会)

ちいさなサンプル

まずは[表2]をみてください。これは、私がIT化コンサルテーションを手がけたある建設業協会で行ったIT化状況調査からの抜粋です。皆さんはこの結果をどう思われるでしょうか。

このアンケート調査は、私のIT化コンサルテーションの為の事前調査としておこなわれたもので、全回答数は385社、社員一人当たりのコンピュータ導入数は平均で0.62台、つまり、10人に約6台のコンピュータ導入率という結果でした。

この調査結果は、ある意味この建設業協会では情報化とかコンピュータ化と呼ばれるものは進んでいることを示しています。たとえば同時期の調査として結果が公表されている茨城県の建設IT実体調査」によれば、中小建設業における社員一人当たりのコンピュータ導入数は0.25台にしかすぎません。(http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/doboku/01class/class03/shirase/shirase00.htm)それに比べれば、この建設業協会のコンピュータ導入数0.62台/1人は遥かに良い値です。

でも、私はメールの利用状況、イントラネットの導入状況を見て納得してしまったのです。ことIT化に関しては、私の予想を裏切るものではなかったのです。たとえば、コンピュータ導入数は 0.62台/ 1人もあるのに、全社員にメールアドレスを配布している会社がたったの 5.7%、現場から利用できるイントラネットを構築している会社にいたっては 1.3%しかないなんて、とても信じられる数字ではないでしょう。

でも、これはある程度、織り込み済みの値ではあったのです。つまり、情報化といわれる事務機の延長としてのコンピュータの導入と、イントラネットや電子メールの利用に代表されるようなIT化とは、全く違うものであることを、そしてまさしく「中小建設業のIT化」は遅れている事実を、この調査結果はとてもわかりやすく示してくれているのです。

情報化やコンピュータ化と呼ばれているものと、私がIT化と呼んでいるものは明らかに違うものです。そして、「中小建設業のIT化」は、この事例ばかりではなく、全国どこでも同じように遅れています。中小建設業は、IT化という流れからは、遠く隔離された業界として世間からまた遠い存在になってしまっているだけでしかありません。その世間との距離感が実は大問題なのです。

Written by 桃知利男のプロフィール : 2007年10月21日 11:33: Newer : Older


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