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2019年03月03日|お知らせ
北海道のA木さまより、地場建設業は?とのコメントがきた。
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藤井 聡(著) |
A木さまからのコメント
午前6時55分起床、浅草はくもり。北海道のA木さまより『「第2回小さな勉強会」での講演用PPT』にコメントをいただいた。A木さまからのコメントはずいぶん久しぶりなのだ。
さて、また地域再生フォーラムのコーディネーターを仰せつかることになりました。よろしくお願いします。
今回は、これまでの中で最も難しい役回りだと自覚しております。
とくに藤井聡先生の著書を読んで感じたのは、その文脈の中に地場建設業の存在が薄いことです。さらに、言うとデフレ対策として公共事業は必要だけれども、景気が回復すれば、公共事業はやめてよかんす…と、とれるところが悩ましいのです。
つまり、地場建設業が持続可能は事業体として、その地域で生き残っていくための方策が明記されていないことが悩ましいのです。
それを見つけて、地場建設業が「豊かな暮らし」「気持のよい空間創造」のために、どうコミットして、情報発信していくのかを意見交換できればと思っております。
藤井先生の文脈
藤井先生も、『大規模に国債発行を行い、公共投資を拡大していけるのは、デフレからインフレに変わるまでの「期間」に限定されているのである』(『公共事業が日本を救う』,p226-227)と言っている。
つまりデフレ対策として大規模な公共事業は必要だけれども、景気が回復すれば、公共事業はやめてよい、と言っているのだ。
それは地場の建設業者を大手と一緒にしてしまったようにも見える。
若しかしたら藤井先生は「これ」を知らないのかな、とも思ってしまう。(右図:公共工事の二重構造)
「これ」は2004年のPPTからだが、今どこまで「これ」が生き残っているかは不明だ。
けれども、建設業界の官公需法が蔑ろにされたのは、小泉構造改革からで、仕上げに3人の県知事の逮捕が相次いた※1。
そして、その反公共事業傾向だけは、現政権も引き継いでいる。
藤井先生は、「コンクリートから人へ」という鳩山政権のスローガンから『公共事業が日本を救う』に入っていくのだが、それではわからないことが多すぎる。ここはまず、小泉構造改革を反省しなくては、と思うのだ。
それは「重商主義」としての小泉構造改革である。※2
重商主義の特徴として、内需不足の解消を輸出によって埋めようとした。その為に、国際的な価格競争力をつけさせるような雇用、土地、資本の市場可、流動化を行い、法人税、所得税は減税し、そして低利子政策をとった。
その結果として国内経済の分断が起きた。大企業/中小企業、都市/地方、正規雇用/非正規雇用という具合にである。そして公共投資、政府支出の削減=小さな政府、地方交付税交付金削減、等々、今書いていても頭がいたいのである。
たぶん、『公共事業が日本を救う』は、こんな事は承知の事、としているのだと思うが、その結果として地場の中小建設業への視点が抜けているのだ、と思う。
だからA木さんが言われるように、『それを見つけて、地場建設業が「豊かな暮らし」「気持のよい空間創造」のために、どうコミットして、情報発信していくのかを意見交換できればと思っております』、となるしかないのだろうな、と思う。
「豊かな街」をつくる
あたしは、第2章『「豊かな街」をつくる』に、その可能性を見いだそうとしている。この異質な章は、基本は違うかも知れないが、あたしの「街的」な考え方とも似たようなものだ。
そしてそこで触れられている「ストック」である。この「ストック」としての「公共」の在り方がホントは多様なのである。この多様さに地場建設業の生き残る道を見つけたい、と思うのだ。
※注記
Written by
: 2011年02月17日 10:13: Newer
: Older
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コメント
>A木さまからのコメントはずいぶん久しぶりなのだ。
本当に久しぶりですね(笑)申し訳ございません。
昨年4月からデスクの内勤業務になり、かごの鳥のような状態が続いています。「永久蟄居」か「幽閉」のようなものです(笑)。これも、公共事業削減の影響に伴う弊社の路線変更によるものです。
3月の地域再生フォーラムでは「我々は、もっと主張してもいいんじゃないの?」「コミュニティに生きている地域建設業が国家財政の先行きを忖度しても、しょうがないじゃないよ」と開き直りたいと思います。
また、ご指導をお願いします。
桃組の皆さまへ
今回は、全国から来たほうがいいですよ。気合いいれます(笑)
投稿者 北海道のA木 : 2011年02月20日 20:31
追記
3月の「地域再生フォーラムⅦ」は、山口二郎氏の「ポピュリズムへの反撃」と、藻谷浩介の「デフレの正体」をベースにしていきます。
投稿者 北海道のA木 : 2011年02月20日 20:34
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