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2019年03月03日|お知らせ



「公共事業をやめて強くなったゼネコン」と云爾。

矢作建設工業の業績推移業界として衰退の一途をたどる建設業界。だが、目を凝らせば、ビジネスモデルの転換を模索し、生き残ろうとしている企業も存在する。名古屋市に本拠を置く矢作建設工業もそうした企業の1つである。

売上高だけを見れば約780億円と地方の中堅ゼネコンの域を出ない。ただ、利益に目を転じれば、見える風景は大きく変わる。鹿島建設や清水建設といった業界大手の営業利益率が3%前後なのに対して矢作建設は5.2%。業界他社を大きく上回っているのだ。
from 公共事業をやめて強くなったゼネコン:NBonline(日経ビジネス オンライン)

午前4時40分起床。浅草は本気で雨が降っている。風も強くなってきた。北海道では200ミリを越える降雨量が予想されているわけで、ご安全に、なのだが今は現場もないか。

上記は、NBonline(日経ビジネス オンライン)の気になった記事で、市場原理主義者日経の、偏執狂的タイトルは単純だけれども、アイキャッチせずにいれらないフレーズで、うまいな、と思う。

建築/土木

タイトルはさておき、あたしが関与させていただいている皆さんは、建設業だけれども「ゼネコン」ではなく、《売上高だけを見れば約780億円と地方の中堅ゼネコンの域を出ない》どころか、売上高はその十分の一から百分の一以下なのであって、この記事がそのまま参考になるとは思えない。けれど、あたしの知り合いの中でも、比較的元気な方々(それも精神的に)は、例外なく民間建築をされているのはたしかだ。

建設業と一括りにしても、建築/土木の違いは大きく、はっきり言えばまるっきし世界が違う。例えば『桃論』に出て来る「公共工事という産業」というのは「土木」中心の中小建設業のことであって、建築主体の会社の公共事業依存率はそもそも小さい(100%なんてことはない)。

一方、土木中心の会社は基本的には依存率100%であり、「公共事業をやめて強くなる」のか、といえば、強くなるかもしれないが、そのとき彼らは建設業ではくなっているだろう。(たぶん)

お金は差異に向かって流れるけれど

普遍経済学のトポロジーお金は差異に向かって流れるのが、金融資本主義という、主流ではあるが資本主義の一つの種のルール=「交換の原理」なのだから、自社の強みをもって「差異」を市場に提供し続けることができるのなら「公共事業をやめて強くなる」ことも十分可能だろう。

開発主義では差異はタブーだが

しかし地方における「公共工事という産業」は、「差異」を最小限に押さえ込むことで産業を束ねてきた「技術のミーム」なのであって、それは「贈与の原理」を保った資本主義(開発主義)のルールで動いている。

もちろん「開発主義」は時代遅れにちがいないが、東京を除けば、日本というのはほとんどその残像を食べて生きている。

しかしその残像さえも、唯一存在可能な潜在意識的なテーマである、「地方の均等ある発展」が永遠に動く輪廻転生システムであること無くなってしまった。

あるシステムが、輪廻転生するためには、その意図を意識的に忘れさせ、組織的にぼかすことが必要なのだが、それは「意図に対する信頼」を形骸的に要求する「みんな」には我慢できるものではない。

そんな我慢できない「みんな」に、道路特定財源が裸にされたように、国土交通省も自民党も、「みんな」的に消費されているのでしかなく、涙がこぼれないように上を向いて歩くしかない地方は、「お金は差異に向かって流れる」のは知っていても、いったいそれを誰が、どうやってやるのかの議論で終始し、芸人のような首長を抱くことが、唯一の問題解決方法であるような現状に、ただただ疲弊していくだけなのだろうか。

だからなのか、あたしはこの人の行動力が好きだ。「意図に対する信頼」が要求されるのなら、それをみせてやるために、動き出すしかないのだわ。(たぶん)

Written by 桃知利男のプロフィール : 2008年05月20日 08:06: Newer : Older

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コメント

ももちさん、おはようございます、

昨日は本当にありがとうございました。大変勉強になり、自分を反省させられました。

たまたまいま矢作建設工業さんとお取引があります。耐震工事の特許をもっていらっしゃるので、これから学校の校舎の耐震補強などでは独占的な地位を占められのではないでしょうか?実際の現場をみるとごくあたりまえのことをやっていらっしゃるのですけどね。

投稿者 ひでき : 2008年08月24日 12:15

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