赤坂 憲雄(著) 1995年7月6日 |
ある意味では、異人とは、異質なるものそれゆえ異界へむけて開かれた窓である。異人という窓または通路をもたない場合には、わたしたちは
異質なるもの とむきだしの状態で接触しなければならないことになる。そのさい、異質なるものは差別の対象と化し、バルバロス的異人として接触自体を嫌忌される。換言すれば、世界が多様なる差異を孕んだ人々によって構成されているかぎり、そうした他者たち=かれら との関係の媒介者として、わたしたちは異人を必要としているのである。(p212)
バルバロス=野蛮人→獣類