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2019年03月03日|お知らせ



真夜中に酢豚とぬか漬けで飯を食うのはアリか。(味の工房 菜苑 本店:千束通り商店街:浅草3丁目)

菜苑の酢豚
菜苑の酢豚 1500円

鐵だらけになった夜のこと、真っ直ぐうちに帰ればいいものを、千束通りの入り口でタクシーを降りてしまうのはなぜだろう。

そして蟻地獄に沈む蟻とは裏腹に、「まいどー」と能天気に店に入りこみ、ところであたしはなにしにここに来たんだっけ、と思うあたしはなんなんだ。

酒はもう一滴も入らないのに、壁に貼られた「ぬか漬け400円」をみれば、「飯とぬか漬け」と口からでまかせのオーダーをする。

菜苑のぬか漬け
菜苑のぬか漬け 400円

間が空き、だんだんこれだけでは申し訳ない気になってくるのは、酔いのせいではなく、あたしの生来の気の弱さか。心にもない「酢豚」を追加でオーダーし、わっしわっしと飯を食べはじめるという幻想の中にいる真夜中のおやじ。

客はあたしを含めて三人。みんなつれのいない男という凛々しさ。ひとかたは純レバでビールという、まことに正しい飲食。けれどスーツ姿の若いサラリーマンか、トンカツを食っている。

こんな真夜中にトンカツを食うなんて、やはりただ事ではないのだろうが、あたしは、あぁ、トンカツでもよかったよな、などと思う浮気性ぶりで、彼の悲しみなんぞ、はかり知ろうともしない。

それは考えるだけ無駄であって、そのそも、目の前のどんぶり一杯の飯さえ食いきれるわけもなく、あ、そうだ、酢豚にはパイナップル入っているよな、と探せば、ない。

かといって、酢豚はあたしを落胆させることもなく、やっぱり肉は豚だよな、とわけのわからいことを考えながら、固めの玉葱を噛めば、その辛さに恥ずかしい過去を思い出し、「バカヤロウ」とひとり言っているあたしは、やっぱり落胆している。

子供の頃はピーマンは嫌いだった。それがいつのまにか食えるようになり、ん~大人の味だ、などと思ったとたんに人生は終わっていて、あたしは未だに人参があんまり得意でないことを誇りに思っている。

それにしても酢豚は、減らない。飯は、減らない。きゅうりのぬか漬けだけが、減っていく。

わたしはここになにしに来たのだろう。

味の工房 菜苑 本店 (中華料理 / 浅草)
★★★★ 4.0
台東区浅草3-10-6
03-3871-6515
菜苑
 [浅草グルメマップ]

Written by 桃知利男のプロフィール : 2008年02月23日 00:03: Newer : Older

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コメント

今日、とある番組で“菜苑”が紹介されていて
純レバ丼を美味しそうだ…と眺めていました。
“アレ”や“たまごっち”も気になりました。
行ってみたいですが、いつになるやら…(苦笑)

投稿者 お嬢 : 2008年05月06日 23:39

>お嬢さん

菜苑いいでしょう。
あの親方が惚けていて、いい味出してるんですが、最近は店にもそんなに出ていないのですね。残念です。
昼は娘さん、夜はお母さんです。
純レバ丼は最高ですよ。不純の純ですからね。(笑)

投稿者 ももち : 2008年05月07日 16:58

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