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2019年03月03日|お知らせ



麻生首相が地方農政局と整備局の廃止の検討を分権委に指示したこと。

麻生首相、地方農政局と整備局の廃止含め検討 分権委に指示

丹羽地方分権改革推進委員長と懇談する麻生首相=6日、首相官邸麻生太郎首相は6日、首相官邸で政府の地方分権改革推進委員会の丹羽宇一郎委員長(伊藤忠商事会長)と会談し、農林水産省の出先機関である地方農政局の業務について「廃止を含めた地方への大幅移譲」を検討するよう指示した。(略)

首相と丹羽氏は国土交通省の地方整備局に関しても廃止を含む業務の大幅移譲の方向を確認した。首相は主要出先機関の縮小方針を打ち出すことで、次期衆院選に向けて行政スリム化やを印象づける狙い。ただ自民党の一部議員や関係省庁の反発は必至で、分権委の2次勧告に廃止や業務移譲の方針が盛り込まれたとしても実現までの調整は難航しそうだ。(2008/11/6.10:59) NIKKEI NET

国土交通省の地方整備局に関しても廃止を含む」というのは、環境の変化であることで、地方の建設業界にとっても関係のないことではないはずだし(北海道の開発局はどうなるのだろう)、麻生さんも(選挙対策なんだろうが)凄いことを言うな、と思う。けれど、なにかあたしはもうひとつピンとこないでいたりする。

それは今更どうにでもなってちょうだい、という金魚の開き直りのようなものなのか、国だろうが、地方自治体だろうが、これだけ建設行政がぶれつづけていれば、今更なにが起きても驚きようもないのであって、結局、今できることをやるしかない、という、あまりにも当たり前すぎるところに落ち着いてしまう。

あたしらの戦略といえば、精々これなのである。

とりあえずはこの巨大な動きの中で流れて、それ以上のスピードで流れていくことで独自性を保っていくことが一つの方法になるかもしれない。(川俣正:『アートレス>』:p45)

公共建設市場の二重構造けれど、発注者にしてみれば、あたしらのように静観しているわけにもいかないだろう。

最近の地方自治体の(発注者としての)衰退は、スティグリッツの法則の力学どおり、発注者としての国交省が、そのヒエラルキーのトップに立つことを可能とするものだった(ヒエラルキーの二重構造の逆転)。

それも、(なんともなのだけれども)小泉さんの三位一体の改革のおかげなわけで、公共工事全体のパイは激減したけれど、同時に地方自治体の財政状態も悪化したために、国交省が(発注者として)公共工事全体を仕切れる環境ができあがりつつあるな、とあたしは現状を捉えていた。

それは、いいことなのか、わるいことなのかは別として、どうでもいいから、いいかげん落ち着いてくれればいいな、と(あたしらは適正な価格で発注される仕事であれば発注者を問うことはしない。たぶん)。 

しかし今回の麻生さんの発言は、また地方の公共事業ヒエラルキーの復活を暗示させているわけで、それに対して国交省は、スティグリッツの法則的に拒否反応を示すだろう。まだ具体案は見えないけれど、こうしてある一定の方向性が示されてしまえば、世論はそのつもりになってしまうし、もちろん「自民党の一部議員や関係省庁の反発は必至」だ。

そこで対立は起きるが、しかしそれも、いったりきたしながら、どこかには落ち着くのはたしかで、その落ち着き先は(折衷案としても)地方有利なものになる可能性は高い(それは麻生さんでも小沢さんでも同じだろう)。そのことでだれでも出来るから公共事業が復活するかもしれない。

しかし地方の建設業は、それを喜ぶ前に、そんな猫の目のような環境に支配される身を恨みながら、ただコロコロと変わる環境に右往左往させられていることで、体力を消耗してしまっているのである。ということで、午前5時30分起床。浅草は雨。今日は盛岡出張。

Written by 桃知利男のプロフィール : 2008年11月07日 06:04: Newer : Older

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