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2019年03月03日|お知らせ
ワークシェアリング。
経済3団体が雇用対策検討 経団連会長「ワークシェア選択肢」
日本経団連、日本商工会議所、経済同友会の経済3団体のトップは6日、新年の合同記者会見を開いた。昨年末から雇用情勢が急速に冷え込み、3団体は新たな対策を検討することで一致した。経団連の御手洗冨士夫会長は雇用確保策について「ワークシェアリング(仕事の分かち合い)も一つの選択肢だ」との考えを初めて示した。 NIKKEI NET 2008/1/7 00:28
ワークシェアリング
午前7時30分起床。浅草は晴れ。このところマスコミ的には出たな「ワークシェアリング」なのであるが、土建屋としてのあたしにしてみれば、何を今更なのである。ワークシェアリング発祥の国といわれているオランダについては後述するけれど、日本で考えられているワークシェアリングの目的は、上記の記事にもあるように「仕事の分かち合い」であって、なによりも雇用確保策である。
最近は自治体が臨時職員の雇用枠を増やしてたりしているが、その財源は職員が残業を控えて残業代を回すようにしていたりするのだから、それもワークシェアリングといえないこともないだろう。つまり、これ以上失業率を高めないために、一人あたりの労働時間を減らし、その分賃金を引き下げる。その代わりに雇用を増やすということである。
それは中小建設業は昔からやってきたことであって、受注産業である建設業の仕事量はなによりも不安定なのである。それでも仕事があることを前提にして職員は抱えておかなくては仕事にはならない。なので、仕事がないときには、ひとつの現場に社員を多く配置する等で、給料は減らしても雇用は減らさないようにしてきたのが土建屋なのである。
それは会社が福祉制度の大きな柱であった時代の名残で※1、そんなものはグローバリゼーションの世の中では通用しないから改革すべきと謂われ続けてきた構造である。その構造改革に逆らうことで、地場の雇用に貢献してきた(緩衝材であった)のが地場の建設業なのである。
しかしそのことで建設業は批判の対象でしかなかったのもたしかで(仕事が半分になっても就業者数は半分にならないことで、雇用の流動化を阻害している云々)、さらには減少し続ける仕事量に、これは土建屋もジャストインタイムかねと考えざるを得ないところまで追い込まれていたわけだ。しかし今いわれているワークシェアリングは、この中小建設業のジレンマの逆方向版でしかないだろう(たぶん)。
この国は、トヨタの発明した「カンバン方式」で、労働力さえも派遣という方法で、ジャストインタイム(必要なものを必要なときに必要なだけ)にしてしまった。※2 あたしがずっと前「社長の仕事」で、酔っぱらいながらも強調していたのは、公共事業っていうのは、カンバン方式の全く逆だから偉いんだってことだった。
オランダのワークシェアリング
( from http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3080.html)
オランダの失業率は1980年代前半に極端に高くなっているが、その後は低めに推移している。これがワークシェアリングの効果だとされているが、それは
それは篠原雅人さんの「オランダのワークシェアリング」というテクストをお読みいただければ理解できるとは思うのだが、好みに応じて、週5日午前中しか働かない、月水金の週3日しか働かない等々、自分のライフスタイルに応じてワークスタイルを選択する自由がオランダには備わっている(あたしら団塊の世代近辺の日本人にはほとんどないものだ)。
それにプラス(というか補足)するとすれば、オランダには時間差差別禁止法※2 があるということだろう。つまり、パートタイムとフルタイム社員の間には、年金や健康保険などのフリンジベネフィットにおいても差別がないのである。だから私は趣味に打ち込みたいから、働くのは週3日でいい。その代わり給料も今までの半分でいい。けれど将来の年金などは「働き」に応じた支給を受けるからそれで良いが可能なのだ。
今日本でいわれているワークシェアリングは、正規雇用/非正規雇用のフリンジベネフィット格差是正は固定されたままである。つまり派遣切りの根底にある問題は解決されることもない。しかしそれでも「仕事があるだけありがたいだろう」ということだろうか。
※注記
- 【資料】『日本型福祉社会』(自民党:1979)。 参照
- それが製造業で派遣が許可された意味だとあたしは思う。
- 労働時間差差別禁止法とは
労働時間の違いを理由とする差別は、客観的に正当化されないかぎり禁止され、これに反するいかなる取り決めも無効とする法律。オランダではパート労働者を増やしワークシェアリングを促進するため、一九九六年に立法化された。わが国のパートタイム労働法では、短時間労働者の賃金、賞与及び退職金などについて、雇用主は通常の労働者との均衡に努めるよう求めている。しかし、実際には仕事の内容や残業、転勤などの拘束性、勤続年数などの違いがあるという理由により、二〇〇〇年現在、女性一般労働者とパートの時間当たり平均賃金には1・79倍という大きな格差が存在する。しかもその差は七六年の1・43倍から拡大している。(from 労働時間差差別禁止法 | ニュースクリップ [読売新聞])
Written by : 2009年01月08日 09:21: Newer : Older
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