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2019年03月03日|お知らせ
『猫楠―南方熊楠の生涯』 水木しげるを読む。
水木しげる(著) |
午前5時45分起床。浅草ははれ。『猫楠―南方熊楠の生涯』 水木しげるを読んだ。
昨日鉄蔵さんと(久しぶりで)カフェバー エープラスで会い、そこで本を2冊お借りしたのだ。その本というのが2冊とも漫画で、あたしの今の状態をよく知っているかのようである。
そのうちの1冊が水木しげる氏の『猫楠―南方熊楠の生涯』で、文庫版の大きさで428pもある。これを帰宅後読み始め昨夜のうちに読了し終えた。
南方熊楠と云えば、(思考構造に関する限り)強烈な対称性論理の人であり、「粘菌」という不思議な生物に魅了されていた生物学者である。その生物学者の英国留学から臨終までを見事に描ききっているなぁ、と思えた。
密画の(様な)背景は相変わらずで、そこの略画の人物(と猫)が居る。凄い絵だな、と思う。
再度引用するが、大森荘蔵氏曰く、略画的世界観とは、近代科学成立以前の物の見方、すなわち非科学的、呪術的、擬人的、アミニズム的と云ったマイナス・イメージをもって貶められている世界観のことであり、ずばり水木しげる氏の書く妖怪達の世界のことである。
この漫画には妖怪達はそれほど出てこないけれど、妖怪のような南方熊楠がでてくる。だからこそ水木しげる氏が書いているのだが、その妖怪達のように、自然にフィットし、ユーモア好きで、猥雑なことが大好きで、純粋で、お人好しである熊楠を書けるのは水木氏しか居ないのも確かだろう。
それとこの本の解説は中沢新一氏が書いている(他に荒俣宏氏)。今、日本で、「南方熊楠」といえば中沢新一なのだが(ほんとか)、漫画界を代表してそんな中沢の役目をしているのが水木しげる氏なのだろうか、ふとそんな気がした。
Written by : 2010年09月06日 08:26: Newer : Older
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