天玉そば(見事な胞衣(なえ)にくるまれたたまごの黄身よ、天玉そば
(見事な胞衣なえにくるまれたたまごの黄身よ、
お前があたしに食べられるのは分かっていたことなのか)


高円寺の桂という立ち食いそば屋

午前4時起床。浅草はくもり。高円寺駅を出ると黄色いひさしが目につく。「立喰いうどん」と書かれたここは「」という(あたしに云わせりゃ)そばやである。ちょっと時間があたのでこの日の昼餉ランチを桂で済ませることにしたのだ。

しかしこの店、驚くことに思い切り奥行きがないのだ。なんと厨房が座って食べているあたしの横にあるという塩梅で、食べていてもちょっと変な感じなのだが、暖かい時には外に座って食べると気持ちよさそうだな、と思う。

帰り際に外を見ると店の奥行きが1mぐらいしかない。そんな狭い処で蕎麦を食わせてくれるわけだが、ここの蕎麦は茹でおきの太く黒いもので、さすがにもりもり食わせよう、という魂胆なのかもしれないが、天ぷらも勿論揚げ置きのものだ。

蕎麦は茹でたて、天ぷらは揚げたて、という立ち食い蕎麦屋が多い中、最も正しい姿で残るこの蕎麦の味はどうかと聞かれれば、これが結構うまいのだから、世の中なにが幸いするのかはわからないのだわね。

うどん・そば桂
東京都杉並区高円寺北2-3-6