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2019年03月03日|お知らせ



「個と組織 新たな挑戦」―働くニホン 現場発。(日本経済新聞)

午前6時45分起床。浅草は小雨。今日は岩見沢へ出張る。今朝の日本経済新新聞の1面は、「個と組織 新たな挑戦」―効率・意欲どう両立―というものだ。

日本企業は「失われた15年」に古い殻を脱ぎ捨て競争力を回復したが、職場の風景は一変。上場企業は5年連続で最高益の見通しなのに、働く現場には息切れムードも漂う。資本主義経済の高速回転は止まらない。働く意欲と効率を両立させ、個人と組織がともに成長する。新たな働くカタチをつくる挑戦が始まった。

普遍経済学日本の雇用の基本システムであった「個人と組織がともに成長する」システム(贈与の関係)は、交換の原理(市場主義)の猛攻にあい、地方、中小企業を中心に、今や絶滅危惧種となった。

それは、年収300万円ならぬ年収200万円で生きることが普通の時代をつくりだしてしまってもいる。

そこに日経がこの記事である。

「個人と組織がともに成長する」システム破壊の、片棒を担いできた日経が、何をいまさら、ではあるのだが、転向までは行かないが、なにかあるな、と勘繰る。

まあ、これで少しは、世の中が「個人と組織がともに成長する」システム(贈与→普遍経済学)というものに、興味を持ってくれるのなら、より幸いでもあるが(簡単なことではないだろう)。

言うまでもなく、私のIT化理論は、「個人と組織がともに成長する」システムを、IT化を通して如何に実現するかを考えてきたものだ。

その中心理論を「種の論理」と呼ぶ――個は種のミームで育ち、主は個の変化による変化を内包している。

つまり、個人は依って立つ地面としての種(組織・共同体)を必要とする。しかしその種は、個人が自ら世話をし、つくりあげていくものだ、ということだ。

それは(時間がかかる故)、即効性(交換)を求める昨今の風潮には長らく逆行してきたが、贈与(時間軸に伴う変化)にはめっぽう強い。

今求められているのは、じつはこの「贈与」のシステム(時間軸に伴う変化)なのだと思う。

同紙9面には、この記事と関連したネット調査の結果があり、「社員が感じる働きがいは」の問いに対する答えはじつに興味深い。

  1. 自分の成長(46%)
  2. 達成感(43%)
  3. 職場への貢献
  4. 社会への貢献
  5. 顧客からの評価
  6. 社会からの評価
  7. 賃金(31%)

上位には数値で示しにくい項目が目立つ。「会社や組織の業績は23%と「賃金」より下。「出世」は5%でしかない。

自分の成長とは、贈与(時間軸に伴う変化)でしかないのである。これを「キアスム」と私は呼んできた。

ここにいるのは、経済的合理性のみで生きる経済人ではない。じつに不確かなものを追い求める、非合理な人間である。

非合理性はある。

非合理性

しかしそれをないもにしてしまおうとした、と言うか、あえてそれを見ないようにしてきた昨今の我々のあり方が、岐路に立っている、ということだろう。

Tags: 雇用

Written by 桃知利男のプロフィール : 2007年10月01日 13:18: Newer : Older

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コメント

その通り、いい感じです。もっといっとけ。
「街に守られているが故に人が人を守る」という「街的」ですね。
これは、その瞬間にクリック一発で最大の経済効果を得る、無時間モデルではダメですね。
それを非倫理的だと言うのでしょう。

投稿者 大阪・江 : 2007年10月03日 10:18

>江さん

>その瞬間にクリック一発で最大の経済効果を得る、無時間モデルではダメですね。

はい。
だめです。(笑)

それを考えた途端に、死に向かって生きている、という〈私〉の抱えている矛盾が見えなくなります。

まあ、矛盾の無い人生、というのも美しいのでしょうが、そんなことは、ありえない。

無くなるのではなく、見えなくなることが、生きていてつまらない、と私は思うわけです。

投稿者 momo : 2007年10月07日 09:45

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