中華そばプレミアム


人間は、不便に戻れる。

「幸楽苑」は年末に食べてきた。たいしてうまくもなく、かといって不味くもない、ここのラーメンを食べて、「幸楽苑」は元旦は休むのだな、と思った。TVのニュースで知ったのだ。全国規模のサービス業が休むということは、個人のやっている店が休むのとはわけが違う。ましてやラーメンチェーンである。利益が×店舗数で減るのだ。

それでも、本当に休むのか、と思った。元旦の朝、「幸楽苑」のサイトを見た。そこには、代表取締役社長 新井田 昇さんの名前で、以下の文章が載っていた。最高の言い訳だと思った。資本の原理にちょっとだけ逆らってみた。そう、なんだか資本の原理が(ちょこっとだけだけれども)変わってきているように思う。

人間は、不便に戻れる。

人間は、便利を追い求める生き物です。クルマの発達、家電、その他いろいろなサービス。人間にとって便利で、企業を儲けさせた努力と進歩でした。

お正月に働くこと、24時間店舗を開けること、もまた、
すべて、人間を便利にするために努力し、進歩し、便利を生みだした企業を発展させてきました。

しかし。いつしか「便利」が強制力になってしまいました。
その反動が、いま、ようやく少しずつ起きています。

サービス業は、みんなが休む日に働く仕事、ではありません。
誰にでもお正月やクリスマスや記念日はやってきます。
家族が不在のお正月を過ごす寂しい気持ちは、私自身、幼少期からずっと味わってきました。

人間は、不便に戻れます。限界を超えてしまったら戻れば良いのです。
便利を失うことは怖く、はじめは不便だと思います。でも、すぐに慣れます。
お正月をもういちど、不便で、しかし幸せで楽しいものに。
お正月を休むことに「すいません」という必要がなくなりますように。
全員が家族と家で過ごす不便なお正月のために、私たち幸楽苑も努力をしていきたいと思います。
これからも、温かいご声援をよろしくお願いいたします。

株式会社幸楽苑ホールディングス代表取締役社長 新井田 昇

いつの日か、みんなが休む、不便な、
でも幸せで楽しいお正月が来ることを願って。
12月31日14時~1月1日全日、今年は昨年より長く全店休業します。