FROM MOMOTI.COM
サイボウズOffice10へのバージョンアップをやりませんか。
2019年03月03日|お知らせ
2007年04月19日(木) Tweet
日本人のしきたり。(飯倉晴武)
三重県津市へ移動してきた。移動時間に『日本人のしきたり』を読む。
![]() |
日本人のしきたり―正月行事、豆まき、大安吉日、厄年…に込められた知恵と心
飯倉晴武(編著) |
この本は昨日、新千歳空港で購入したものだ。購入した理由は単純にベストセラーだから、ということだけなのだが、購入してはじめてわかったのは、これは2003年1月の発行であるということなのだ。そして私の疑問は、本の内容というよりも――この本は「日本のしきたり」についてのデータベース的な記述であり、辞書を読むような感覚である――、それが何故に今頃ベストセラーなのだろうか、ということであって、移動中そのことばかりを考えていた。
データベース的な記述であるこの本は、そのことで強烈な第4象限の記憶の書となっている。先の見田宗介の分類を借りるなら、それは共同体 community(=〈即時的
伝統的な家族共同体、氏族共同体
、村落共同体のように、個々人が その自由な選択意思による以前に 。「宿命的」な存在として、全人 格的に結ばれ合っている、という かたちで存立する社会。((見田宗介:『社会学入門』:p 17)
の記憶である。
つまり、『共同態:「ゲマインシャフト」.
そしてその多くは、過去の残像として(今も)残ってはいるが、ゲゼルシャフト化が強まる私たちの日々の生活においては、既に重要な意味を失っている。
そんなもののデータベース的な記述が、なぜ今、ベストセラーなのだろうか。それが懐古趣味だとしても、その昔を懐かしむような気持ちが多くの人達のこころの中にあるのだとしたら、それは一体なんなのだろう。人間はそんな風にできているというのは簡単だけれども、私には何かが消え行く前の風前の灯のように思える。たぶんこの本をベストセラーにしているのは若人達ではないだろう。
投稿者 momo : 2007年04月19日 17:07 : Newer : Older
このエントリーのトラックバックURL
https://www.momoti.com/mt/mt-tb.cgi/1002