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2019年03月03日|お知らせ



「民主主義の平和と平等の精神にのっとり自分の幸福の為に」―『ぼくの浅草案内』 小沢昭一を読む。

僕の浅草案内

 ぼくの浅草案内 (ちくま文庫)

小沢昭一(著)
2001年10月10日
筑摩書房
880円+税

午前7時15分起床。浅草は曇り。

これは1978年に発刊された『僕の浅草案内』(講談社)の文庫版である。この文庫は2001年10月に発刊されていたのだれども、私は今頃読んだわけだ。

今から30年程前の浅草案内なので、当然その頃私は浅草には棲んではおらず、読めば知らないことばかり。ああ、あそこはそうだったんだ、ととても興味深い。なにしろ、1978年には、今の浅草ビューホテルは存在していなくて、国際劇場があったのだからね。

そんなもので、(私には)読みどころ満載の本なのだが、今朝は私がとっても気に入ったフレーズを紹介しておこう。とは言っても、これは小沢昭一氏の書いたテクストではなく、小沢氏が撮影した〈吉原トルコ風呂従業員控室〉の写真にあった張り紙からの引用である。

ホステスさんえ

仕事上の事で他人を抽象したり影口を言ったりすること無く同志は仲良く手を取り合って民主主義の平和と平等の精神にのっとり自分の幸福の為に一生県命に仕事にはげんでください。

店長

誤字はともかくも、すごいでしょ。

民主主義の平和と平等の精神にのっとり自分の幸福の為に」である。今時、経営者でも、こんなフレーズを使える人はいないだろうな、と思う。

なによりも、この「自分」には〈他者〉もいることがすごい。

今や、平和と平等の精神にのっとらず自分だけの幸福の為に、だものね。

このフレーズの載った写真と、その隣の頁にある写真は、別の意味でもすごいな、と思うのだけれども、それは読んだ人だけのお楽しみ、ということだろうね。

Tags: 小沢昭一 ,

Written by 桃知利男のプロフィール : 2007年11月28日 08:19: Newer : Older

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