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午前8時起床。浅草は雪。それは東京的には大雪なのであって、その上かなり寒い。二日酔いのあたしは、さっさと引篭もりをきめ、布団からでるのも億劫なので、基本的には一日寝て過ごすことにした。ぐーたらな日曜なのであった。

昨日の新年会は、ほぼ満員御礼どころか、ほんとうに満員御礼なのであって会場は人に溢れた。それはまさに蕩尽なのであり、主催してしているあたしも、参加してくださった方々も、ビンゴの景品を提供してくださった方々も、そして陰ながら応援してくださった方々も、だれも経済的には得をしないという、この場に集うことで弱くなり、しかしそのことで生き返るという子宮的構造なのである。

その子宮的な構造を完璧なまでにつくりあげた皆々様に深く感謝申し上げたい。すばらしい一日だった。

新年会の様子は、（たぶん）多くのブログサイトで紹介されることだろうから、そちらに譲るとして、ここでは、あたしの短いはなしについて書いておきたい。

あたしの講演時間は時間配分の妙で10分にも満たないものだったけれども、それは今回のテーマがなぜ「現代の長屋」だったのか、ということだ。

まず、Webの世界は長屋なのだということだ。多くの桃組のみなさんも自分のブログをもっておられるが、そのブログのあるサーバは基本的には自分の所有物ではなく、借り物なのであって、いってみれば長屋なのである。しかしそれが長屋的なコミュニティにならないのは、大家の機能が違うからだろう。

そのウェブの長屋的なものを強調させる典型として、岩見沢生活空間創造システムをいま手がけているのだけれども、そこには岩見沢建設協会の会員の皆さんのサイトがある。それは長屋のようにである。そしてこの長屋のシステムは、お互いに携わることによって、共同体性を担保することができる。

江戸の人工は100～120万人だったけれど、そこの大家と呼ばれる方々は大体2万人ほどいたわけだ。

つまり50人から60人にひとりは大家なわけで、これは広くて薄い紐帯をつくり、つまりクラスター（長屋とその住人）を外と結ぶハブだ。

そのことで長屋の住人はバロックの館のように(大家を介して）〈世界〉とつながる。それはネットワーク的には理想的なかたちなのであって（なにしろあたしのIT化とは如何にしてそれをつくるのかなのだから）、かつてはそれがあったという事実は理解しておく必要があるだろう。

しかしいまは、せっかくつくったこのネットワーク構造は壊れてしまい、セル化しているというか、閉じた円環というか、孤立化がすすんでいる。

挙句のはてが、

子供が親の所有物として、例えば母親の子宮にぶら下がったままであるかのように、親が、子供の試験会場に付き添い、入学式に付き添い、はては入社式にまで付き添い、いきおい新婚旅行まで付き添うような、そんな親の私有物として育った子供はどうなるんでしょうかね、というか、この国にそんな時代があったためしもない。（これは江弘毅への返信のために書いたフレーズの先出しなので引用扱いにした）

なわけで、それは私有の問題もからむのだけれども、公共のものとしての子供、たとえば街が子供を育てる、といった感覚の欠如は、「贈与」としての共同体性の問題というだけではなく、動物化した人間ではない人間らしさの問題として、真剣に考えなくてはならないところに来ているのだ、とあたしは思う。というようなはなしをした。

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