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2019年03月03日|お知らせ



08年度補正予算が成立―追加経済対策、首相が指示。「生活者」「金融・中小零細企業」「地方」に重点は、公共事業の目的が、地域経済の活性化と雇用の確保に戻ったということなのか。

追加経済対策、首相が指示 生活者・金融・地方に重点

麻生太郎 2008年度補正予算の成立を受けて、麻生太郎首相は追加経済対策の策定を直ちに指示した。企業や個人の投資を促す政策減税や定額減税、金融安定化策が柱となる見込み。世界的な金融危機による実体経済の悪化や株価急落への手当てを急ぐとともに、次期衆院選マニフェスト(政権公約)の目玉にしたい考えだ。ただ財源に限りがあるなかで、景気浮揚効果には不透明感も残る。

 「今の金融危機は外国の人の言葉を借りれば、100年間に1度起きるか起きないかの話。日本への影響をどう予防するかを真剣に考えなければならない」。首相は16日夕の政府・与党会議で危機感をあらわにした。

 首相は追加経済対策で「生活者」「金融・中小零細企業」「地方」の3つを重点分野と位置づけた。 (16日 22:58) NIKKEI NET

午前6時起床。浅草は抜けるような空が広がる秋晴れだ。昨日2008年度補正予算が成立した。あんまり目立たないのだけれども、「地方減収補てん法」というのも成立している。

地方減収補てん法が成立

 参院は16日の本会議で、4月の道路特定財源の暫定税率失効で地方に生じた減収分(656億円)を国が穴埋めする地方税等減収補てん臨時交付金法を与党や民主党などの賛成多数で可決、成立した。総務省は月内にも各自治体に推計減収額を配分する。(00:05) NIKKEI NET

選択の自由?

これらの財政出動に対する批判はほとんどなく(民主党も賛成だもの)、日経も「ただ財源に限りがあるなかで、景気浮揚効果には不透明感も残る。」と歯切れが悪い。財政は全体としての経済のサブシステム(subsystem―ひとつの部分を構成するシステム)」(@正村公宏)であるなら、政府の仕事はこんなことしかできない。そのことに今は(小さな政府が好きな)「みんな」も同意してくれている(のだろう。バラマキという言葉もほとんどない。これも「選択の自由」なんだろうか>フリードマン先生)。

しかし自民党が「こんなこと」さえしてこなかった(新自由主義という教義ゆえに放棄してきた)ツケは大きくて、特に地方自治体の財政状態はボロボロなわけで、それこそ(自治体に)公的資本でも注入しないと、せっかくの補正予算も、自治体負担が出来ないのであれば、地域経済活性化――「生活者」「金融・中小零細企業」「地方」に重点――のために使えないだろう。

公共事業の目的は
地域経済の活性化と雇用の確保に戻れるのか?

この補正予算にあたしが注目しているのは、ここにきて、公共事業の目的が、地域経済の活性化と雇用の確保に戻っているということだ。それは政府の力が大きくなること――配分を重視したルール(ヒエラルキー・ソリューション)の復活――を意味していることで、新自由主義を標榜している方々は許せることではないだろうが、親玉の米国だってやっていることは同じなのであって、つまり新自由主義(個人の自由重視で小さな政府を志向する)の行き着く先なんて、大きな政府じゃないのか、ってことか?

公共事業の二重構造それはさておき、公共事業の目的が、地域経済の活性化と雇用の確保に戻るには、それが地域(の「生活者」に落ちる金でなくてはならないのだが、そのためには、地方(自治体-地域の建設業)がしっかりしていなければならない。

しかし小泉さんの三位一体の改革で、いまや地方の血液循環システム(毛細血管としての公共事業)はしっかりしていない。公共事業の二重構造はほぼ崩壊してしまっている(中央の権限と税金を減らしたくない官僚たちの抵抗により失敗に終わり、結局、地方の収入は5兆円ほど減った。そして15兆円ほどあった公共事業は半減した)。

そんな状態で今回の補正予算が地域の企業にたどり着いても、それがすぐに銀行に吸収されてしまうのであれば、「生活者」までお金は回らないだろう。そのことで今回の補正予算の効果が、「生活者」に実感として感じられないのであれば、麻生さんは解散総選挙を遅らせるしかない。

だから中川昭一財務・金融担当相は15日に大手銀行や地域金融機関のトップら23人と意見交換会を開き、中小企業から貸し渋りなどの情報が寄せられていると紹介したうえで円滑な資金供給に努めるよう要請しなくてはならなかった(@ 金融相「中小融資円滑に」 銀行トップら23人と異例の会談|NIKKEI NET

あたしの「町内会がしっかりしていれば大丈夫!」というのは、(地方においては)この公共工事の二重構造の必要性をいっているのだけれども、さてどうなるものか。

Written by 桃知利男のプロフィール : 2008年10月17日 08:47: Newer : Older