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2019年03月03日|お知らせ



『限界集落株式会社』 黒野伸一を読む。

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限界集落株式会社

黒野伸一(著)
平成23年11月30日
株式会社 小学館
1680円+税

限界集落株式会社

午前6時35分起床。浅草は晴れ。この本は先日の盛岡からの帰りに買って読んだものだが、なによりも「限界集落」を「宴会集落」と見間違えたあたしが悪いのか、「限界集落」も「あー」と思い出して読むには、このブログで取り上げたのは2007年といささか古びている感が強い。

しかし問題は、「限界集落」はまだ生きている(ところもある)わけで、人口の50%以上が65歳以上の高齢者で占められる集落をこう呼ぶのなら、こうした地区では冠婚葬祭や田畑の維持管理などの担い手が細り、コミュニティー機能が不全に陥り、消滅に向かているのは確かだろう。

この「限界集落」が「株式会社」として立ち上がるさまを書いたのが本書のわけだが、「ストーリーは難しい方がいいな」、と思うあたしを見事に裏切って、妙に簡単に展開していく。

銀行では企業の立て直しを行い、IT企業では財務責任者をするなど、華々しい職歴を持つ「多岐川優」が主人公で、それだけでもこのはなしを真剣に受け止めれれないのだが、あったと思わせる困難も主人公や回りの人々の活躍でなんとか治まり、これで良ければ万事良しなのだろが、まあこんなこともあるかな、と気楽によんだのだ。

なによりも限界集落になっていたり、なりかけていたりする田舎の人達を少し元気にしてくれるはなしだろうが、そして、うちの回りも限界集落ぽいのは住んでいる人だけが知っていることだから、23区内とはいえ限界集落はよそ事ではない。

しかし読み進むうちに、この物語の主人公が大阪の市長さんになった人とダブってみえてきたあたしは、どうかしているのか、と思うわけで、しかし、「あー大阪ってところも、はなしは簡単にしたいのかもな」、と思えるのは、エンタテイメント化してきた日常のせいなのかもしれない、と思うのだ。

Tags: , 黒野伸一

Written by 桃知利男のプロフィール : 2011年12月29日 15:59: Newer : Older

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