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2019年03月03日|お知らせ



『スカイツリー 東京下町散歩』 三浦 展を読む。

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スカイツリー 東京下町散歩

三浦 展(著)

2011年10月30日
朝日新聞出版
1000円+税

スカイツリー 東京下町散歩

午前6時15分起床。浅草はくもり。三浦展の「スカイツリー 東京下町散歩」を読んだのだが、あたしには特段目新しい処は無く、殆ど内の近所からちょっと遠くまで、写真付きの散歩案内と云うか、安心して読める「新しい下町」入門書とでも云えよう。

あたしも散歩を日課としているが(というか日々の運動であるが)、そのコースは大きく分けて2つあり、一つは浅草通りまで出て、駒形橋を渡り隅田川を越え、吾妻橋をまた渡って隅田川を再び戻り、浅草寺をお参りして帰ってくる、というものと、もう一つは、国際通りを、途中、千束稲荷神社を経由し三ノ輪まで行って、竜泉、日本堤そして千束と帰ってくるもので、どちらも約3km強の道程である。

東京の下町は四つの段階を経て拡大した往復で3Kmなので片道1.5kmしかない狭い範囲に、これでもか、と云わんばかりの、路地裏があり、花街があり、銭湯があり、居酒屋があり、あたしは飽きる事を知らず歩いているのだが、この本は、下町と云っても残念ながら浅草を紹介したものではないのである。

浅草は(三浦=「アクロス」の分類によると、右図)第二下町(関東大震災前が全盛)であり、この本に書かれているのは第三下町(大正から昭和にかけて発達した)、つまり隅田川の向側、東京スカイツリーのある辺りを中心に、押上、向島、そして日暮里、尾久、三ノ輪あたりと、第四下町(戦後に発達した)、北千住、立石、小岩と云った処を紹介している。

「散歩をすることの最大の意味は、それぞれの町にいろいろな職業の人々がいて、いろいろな幸せを求めながら生きているということを、肌で実感することにあるだろう」(p198)、と三浦が云うように、色々な人が色々なことをしながら生きていることを、写真を含め、本書の文章は雄弁に語っている。

しかし、下町の暮らしっていうものは、(あたしが見ると)どう見ても快適じゃないように見えるのだが、まさにそのとおりで、結構面倒臭いものがあるのは確かだが、三浦が云っているように、銭湯にでもつかって、焼酎でも呑んで、明日もまた来ると思えばいいか、と思えば、何時の間にか明日になっている、という日々である。

「スカイツリーの向こうにはまだ見ぬ町があった」とはこの本の売り文句であるが、あたしは逆の意味で「スカイツリーの向こうには、まだ見ぬ町があった」(山の手)なのであり、東京は狭いようで広いなと思う今日この頃なのだった。

Tags: 三浦 展 ,

Written by 桃知利男のプロフィール : 2012年01月25日 07:42: Newer : Older

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