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2019年03月03日|お知らせ


2007年02月02日(金) 

仮定人口試算―少子化問題は市場原理では解決できないこと。

午前6時20分起床。浅草は晴れ。

1億人の大台維持 仮定人口試算、2055年総人口(産経新聞)

厚生労働省は26日、国民の結婚や出産に関する希望がかなった場合の仮定人口試算に基づき、人口減少をどの程度緩和できるかの見通しをまとめ、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の人口構造変化部会に示した。それによると、2055年の総人口は最大で1億391万人となり、1億人の大台を維持できる。さらに、年齢構成も14歳以下人口が現水準の「8人に1人」程度となることも分かった。

2055年の人口見通しに関して、少子化対策の効果を織り込んでいない将来人口推計(中位推計)では、総人口を8993万人、14歳以下の年少人口は752万人になると予測していた。

少子化の問題については、柳沢厚生労働相の「女性は子どもを産む機械」発言を巡って、与野党の対決が続いているが、要はもっと子供を生まないと――将来人口を増やさないと、将来的には経済がやっていけませんよ、ということだろう。

将来の経済成長は現世代の行動によって規定されるのは当然で――つまり現世代が、子供の数か、子供への投資か、貯蓄かいずれかを選択したかによって将来の経済成長は決定される。

現在のような出生率の低下は、若い働き手の減少を通じ、将来の所得水準を低める可能性があるのは当然で、それで人口を増やさないといけないと国は考えているわけだ。

厚生労働省が1月26日に発表した「仮定人口試算」は聞き慣れない言葉だが、今後政府が有効な少子化対策を打ち出し、国民の結婚や出産に関する希望の実現を高めることを前提とした試算らしい。

それによれば、『度合いに応じて出生率が最高で1.76、最低で1.41にまで回復するとの仮定で試算。総人口は2055年時点で1億391万~9393万人になる。』らしいのだが、この試算が言っていることは簡単で、つまり国が政策的に関与することで、国の人口(出生率)は増やせる、と考えて試算していますよ、ということだろう。

人口構造変化部会は26日、若者の正規雇用の促進、育児休業拡充など子育てしやすい就業環境の整備、長時間労働の解消-などによって、結婚と第2子までの出産を増やす政策に重点を置くべきとする報告書をまとめた。

つまりここには今の政府が行っている積極的な市場原理の関与はないのよ。

教育費などの子供にかかる養育費が下落した場合、出生率は上昇する(強引な物言いだが)。また、若い女性の労働力率を引き下げると、この年齢階層の出生率は増加する(これも強引な物言いだが)。

つまり教育費などの養育費負担の大幅な軽減と「仕事と出産・育児の両立」は、市場原理を導入しても改善はされないのである。

しかしこれを両立させるのは、今となってはかなり難しいだろう。

なにしろ市場原理をはずしたところで、それを補う中景が無くなってしまっている。子供は両親だけで育てるものではなく、家族、ご近所、地域社会が寄ってたかって育てるものだと(私は)考えている。

単純には、今の政府は、一方では市場原理を導入し、中景(地域)を疲弊させ、若者をトカイに引っ張り出した。

しかし多くの若者は、そこでは流動化する労働力でしかなく、多くは結婚し子供を育てる収入が確保できない――子供をつくる能力はあるけれども、育てる能力=環境がない。

格差社会と言われいるように、年収200万円に満たない若者が20%を超えるような時代である。

子供の数か、子供への投資か、貯蓄か、ではなく、それ以前に、日々の生活を選択せざるを得ないような状況では、仮定人口試算は本当に仮定で終わってしまうのだろうなと思う。

そして選択肢の中に、自分の夢=自己実現を置く若者も多いだろう――これについては今回は少しだけ触れておく。

それは悪いことではないけれども、多くは象徴の貧困による自分探しでしかなわけで、そもそも象徴が無いことで多くは頓挫する――みんながイチローや松井のようになれるわけではない。

そして気がついたときには皆年寄りになってしまっているわけだ――しかしそれを受け入たり、早めに限界を知らせる土壌=環境もない(中景が機能していない)。

つまり少子化問題には、経済的そして社会構造的な厄介な問題が存在していたりするのだと(私は)思う。

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投稿者 momo : 2007年02月02日 10:02 : Newer : Older

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コメント

久々の書き込みですw

今回の意見ごもっともですね。
私もこれと全く同じ事も、もう10年くらい前間ら思い、言葉にして地域活動等行ってきました。

子供も夫婦の数+1で無ければ国力が衰退するとの考えから、がんばって3人育てていますが、如何せん収入の激減により生活自体もがんじがらめになり出しました。

政府の打ち出す政策や、資料は地方から見れば絵空事だったり、地方自治を無視したものばかりなってきて、あの方こそ「機械」じゃないのかと思う次第ですね。

市場原理に埋もれて、地方は衰退し、そしてドボン。

その結果として、国は崩壊。


しかし、人は生きていくのです。

そう考え、今の自分にできることは、少しでも有能な人材を輩出すべく地道ではあるが自分のできる範囲で、我が子、地域の子供たちを育てていく事を最近は特に強く感じ実行しているわけですが…

骰子一擲

投稿者 かぜと : 2007年02月02日 11:19

>かぜとさん

コメントありがとうございます。

BRICsじゃないですけれども、人口は国(類ですが)力を左右する力なのだと思います。

しかし人口=国民である個はどこから生まれてくるのかといえば、種(中景=地域)だというなのだと思うのです。

地域を衰退させて人口増加もなにもあったものじゃありませんね。

投稿者 momo : 2007年02月02日 12:05

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