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2019年03月03日|お知らせ



プライマリーバランスと公共工事。

麻生太郎自民党の麻生幹事長は5日、読売新聞社などのインタビューに応じ、2011年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する政府の財政再建目標について、「プライマリーバランスを優先させるために、景気がさらに悪くなるというのは取るべき選択ではない。(目標年限の先送りは)選択肢としてあり得る」と指摘した。/毎年度予算で新規国債の発行額を30兆円以内に抑える目標についても「全然こだわらない」と語った。from 基礎的財政収支の黒字化目標、「先送り」も選択肢と麻生氏(読売新聞)

プライマリーバランス

国などの財政状況を示す。国債などの借金を除いた歳入と、過去の借金の元利払いを除く歳出を比較する。歳出の方が多ければ赤字となり、将来の借金負担が経済規模に比べ増大することになる。黒字になれば、新たな借金は過去の借金返済に充てられるため、財政が健全であることを示す。政府は歳出削減などで、2010年代初頭の黒字を目指している。from プライマリーバランス : 用語集 : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

麻生太郎の読み?

午前6時40分起床。浅草はくもり。麻生さんは、今(まで)の自民党の基調路線である「痛みを伴う構造改革」からみれば、やっぱり異端なんだろうな、と思う(あたしの知ってる自民党的には正当だが)。

そもそも「プライマリーバランス」の2011年黒字化は、小泉純一郎政権時代の2006年に、政府が「骨太の方針2006」で目標に掲げたものだが、それを「優先させるために、景気がさらに悪くなるというのは取るべき選択ではない。(目標年限の先送りは)選択肢としてあり得る」なんて、福田さん(首相)でも言えない。

つまり、それを言えば「反改革派」だとのそしりは免れない。今までならそれでアウトなのである。しかしそれを承知で麻生さんが「あえて」先のような発言をしているのは、流石にアキバ系の支持を得ているだけのことはある?ということなのか、プレカリアート系の動きを取り入れているのかもしれない。まあ、そこまで極端ではないにしろ、それは世論に「改革」への反省があることを見抜いている、ということだろう。

プライマリーバランスと公共工事

そもそも、公共工事が財政赤字の第一義的な原因だとして、徹底的に糾弾され大幅に予算が削減されることになったのは、このプライマリーバランス目標のおかげなわけで、歳出の削減とともに、公共工事は減少し、それと歩調を合わせるように公共事業という産業と地方は疲弊した。

その結果として、お題目としての「改革」を信じた(公共事業という産業とは関係の無い)人達にさえ、耐えきれないレベルまで「痛み」はきている(高いレベルで推移している自殺者の数、それも地方の率が高い)。

ここでプライマリーバランス目標を無理に達成しようとすれば、まずは消費税率の引き上げは避けられない。しかしそれは、ただでさえ物価上昇で不満を高めている「生活者」の反発を買うのは目に見えているだろう。

これだけのことで、次の総選挙での自民党惨敗は確実となるだろう。それは小泉改革への怨念のようなもので、地方は自民党を許すことはない(たぶん)。

麻生さんがいう「目標年限の先送り」には、消費税率アップの先送りであり、それとともに、財政出動の可能性もあるだろう。つまり補正予算を組んで公共事業を少しは増やす、と。

しかしそこで問題になってくるのは、地方の建設業者の体力と銀行の関係であって、地方への資金配分が行われたにしても、それがそのまま銀行に吸い上げられるだけなら、またしても公共事業は地方を救えない、という図式が再生産されるだけでしかなくなるだろう。どうせやるなら、そこんとこまで何とかしてちょうだいなのだな。

Written by 桃知利男のプロフィール : 2008年08月06日 07:55: Newer : Older

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コメント

師匠! お早うございます。江戸は、熱そうですね!蝦夷地も暑いですが、湿度は40%ほどで、日陰に居ると昼寝には最高です。昨晩の最低気温なんか、なんと17度。窓を開けて寝ると、風邪を引きます。
さて、「つまり補正予算を組んで公共事業を少しは増やす」「地方の建設業者の体力と銀行の関係」は仰る通り。そこにもう一つ、地方自治体に、補正予算を受けられる体力が無い。
地方は既に、「痛みを伴う構造改革」で体力を消耗し、国直轄でなければ(一部自治体を除き)、公共事業の執行は無理でしょう。尤も、交付金を増やし、自治体に金をばら撒いて貰えれば話は別ですが。とまあ、いまの所、あり地獄状態ですね。

投稿者 butchi : 2008年08月06日 09:25

>butchiさん

そうそう
>地方自治体に、補正予算を受けられる体力が無い
がありますね。

谷垣国土交通大臣も、地方の道路財源維持には前向きな発言をしているのですがねぇ。なんともな状況です。

投稿者 ももち : 2008年08月07日 10:58

公共事業依存体質を改めるべきです。欧州諸国はフランスを除くと公共事業の対GDP比率は日本よりかなり低いですが、地方は栄えています。道路の整備が進んで波及効果の減った今、公共事業重視はもう無理ですよ。

投稿者 nishi : 2008年09月27日 17:18

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