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2019年03月03日|お知らせ



社会資本の整備をおざなりにして消費に励むだけじゃいけませんよ。笠信太郎の「花見酒の経済」の勝手な拡張解釈版を講演に使うことにした―空知建設業協会―「地域再生フォーラムⅣ」。

空知建設業協会―「地域再生フォーラムⅣ」の基調講演の準備をしていて、とにかくも20分という短い時間に「無料経済」の説明しなくてならないのでちょっと考える。

比較対象的に入りの部分に笠信太郎の「花見酒の経済」の勝手な拡大解釈版を使うのはどうだろうなと思った。

花見酒

落語の「花見酒」は知っている人には説明無用の噺なんだけれども講演ではあらすじを話さなきゃいけないなと思う。なので筋を書いてみる。

灘の木一本三升を借りここんだ熊さんと辰つぁんが一杯10銭で花見客に酒を売って一儲けしようとして、酒樽かついで向島へいく。途中、酒の匂いに我慢ができなくなった熊さんが「だれに売ってもおんなじだよね」と手持ちの10銭を辰に渡して一杯飲み干してしまったと。

これを見ていた辰つぁんも根っからの酒好きで、たまらず「俺にも一杯売ってくんねぇか」と熊に10銭払って一杯飲み干す。交互にこれを続けて向島についたときには酒樽は空っぽ、二人はベロベロ。さて売り上げはと熊の財布を逆さにしたら、10銭玉が1つ転げて出てきて、こいつは無駄がねぇ(無駄金)というオチ。

花見酒の経済

あたしの記憶なんていい加減なものだけれど、まあ、こんなものかね。これなら3分かからないだろう。

笠信太郎は1961年当時の日本経済にはこれと似たようなとろろがある、と言ったわけで、つまり社会資本の整備をおざなりにして消費に励むこと、そして土地を担保にする信用がむやみに拡張することなどが落語の「花見酒」を連想させるとね。

金融資本主義化したグローバルな経済、昨今のサブ・プライムローン問題をみると、今の時代も「花見酒」っぽいな、というのが最初のインスピレーションなわけだ。

ただ私は「花見酒」を(経済学的には)そんなにおかしなことだとは思っていない人で、だって実物のある経済だし、熊さんと辰つぁんは酒を三升消費したのだからGDPには貢献しているわけだからね。

銀行の皆さん宜しくお願いします。

ただそれではあんまりなのだわね。想像力が足りない。そこからはなしを膨らませるのが噺(芸としての講演)なのであるから、問題は無理やりでっちあげなくてはならないわけだ。

それじゃなにが問題なのかね、というのが講演で使うところであって、それは秘すれば花なのだが、もちろん「花見酒」もちょっと違うシチュエーションにアレンジしいる。

小出しをすれば、政府は社会資本が残らないようなお金の使い方ばかりしているのじゃないだろうか、ということと、そして信用(与信)の崩壊(つまり公共工事のむやみな削減=地場の中小建設業の信用収縮)は経済活動を停滞させるということ。

つまりこんな時代だからこそ地域再生には(今回は銀行関係の方も多く参加されるので)銀行の皆さん「よろしくお願いします」なのだが、そこからWeb2.0的な無料経済へ噺をワープさせるわけで、こんなの20分でできるのか、という心配は大いにあったりするわけだ。w

Written by 桃知利男のプロフィール : 2008年01月22日 13:01: Newer : Older

コメント

長屋の花見と言うのもありますね?沢庵を蒲鉾だ・玉子焼きだと言うやつです。
差し詰めこちらは、いま流行の偽装と言う事になるのでしょうかね?(笑)

投稿者 butchi : 2008年01月22日 15:32

>butchiさん

長屋の花見は春のはなしとしてはいいですよね。正月も終わると寄席ではかかりはじまったりします。

新年会では長屋根田の話が3つ程聞ける予定です。
お楽しみに。

投稿者 momo : 2008年01月22日 18:02

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