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2019年03月03日|お知らせ



非正規労働者の失職-都道府県別ワースト10。丁寧な公共事業の復活を。

順位 都道府県 2009年2月 2009年1月
1 愛知県 23892人 20113人
2 長野県 7652 6436
3 静岡県 7181 4583
4 三重県 5927 4062
5 神奈川県 5387 4792
6 福島県 5363 4911
7 栃木県 4733 3592
8 岐阜県 4662 4337
9 滋賀県 4603 3304
10 山形県 4558 4205

雇い止めなどで職を失った非正規労働者の都道府県別の人数
from 「非正規雇用」半年で15万人失職、正社員もリストラ拡大 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

あんぽ柿福島のローカルなニュースは、あんぽ柿の芳醇からはほど遠い不安に満ちあふれていた。失業率の悪化が第一面である。

こと非正規労働者の失職に関していえば福島県は全国6位、東北では最多の数である。ついでに書けば正社員の失職は1098人。

これは元々非正規労働者が多かったということなんだろうが、それは首都圏に近いという地の利を活かして展開してきた企業誘致とセットということだろう。その企業の業績悪化にともなう雇用調整が加速している。

頼みの求人倍率は0.48倍しかない(全国平均0.67倍)。

旧来の経済学の教科書では、こんなときは公共事業なのであるが、リバタリアン的な立場からの反対意見もまた根強い。その反対意見というのは、こんなときは成長分野へ雇用を移動すべきだである。

それで成長分野といわれているのが介護と農業なのだけれども、農業はともかくも、介護を成長分野とか産業と呼んでいいのだろうか。そういうことを話すエコノミストは沢山いるけれど、介護は産業ではないとあたしは思う。それは本来、家庭とか地域社会が担うべき贈与のシステムではないのか。

地方で思うのは、とにもかくにも社会の厚みの無さである。しかし福島県に派遣村はないだろうと意見もある。それはスラム化は大都市圏に集中するという開発主義の予言に忠実なだけだ。失職した非正規労働者は大都市圏に向かうのである。

つまり【資料】『日本型福祉社会』(自民党:1979)で示した、日本型福祉社会レジームの構成要素は、以下の4項目なのである。

  1. 個人が所属する(あるいは形成する)家庭、
  2. 個人が所属する企業(または所得の源泉となる職業)、
  3. 市場を通じて利用できる各種のリスク対処システム(保険など)、
  4. 最後に国が用意する社会保障制度である。

そして最後の砦は家庭である。いちばん最後に残るものである。しかし家庭の生計が、個人が所属する企業(または所得の源泉となる職業)によって成り立っていることで、今のような経済環境は家庭の崩壊も意味することとなる。

はっきりいえば、派遣というギリギリの福祉社会の構成員の地位を失う人々が多いということは、今は全ての福祉レジュームが壊れてしまっている(もしくは壊れかけている)ということなのだ。だからこの国は福祉社会からはほど遠い処にあると断言できる。

こんなときに、成長分野へ雇用を移動す、などという理論は机上の理論でしかない。生活者は明日の食費にも困っているのである。介護の資格を取得する資金も無いのである。

だから必要なのは、今すぐ働くことができることなのだ。それをいつも支えてきたのが公共工事であったはずなのだ。しかしそんな機能は評価もされずに、税金の無駄遣い等というステレオタイプの批判だけが一人歩きしたところで、公共工事という産業は衰退してきた。

しかし今必要なのは公共工事なのである。だれでもできるから公共工事なのである。技術と経営に優れていなくとも公共工事なのである。

それで救われる、たとえば進学できる子供達が増えることは、将来の日本を子供達に託すことにもなる。今はそうするしかないのだと(あたしは)思う。社会の厚みの修復は地方の公共事業の復活からはじめるしかない。ということで午前7時30分起床。郡山はくもり。

Written by 桃知利男のプロフィール : 2009年02月28日 08:53: Newer : Older

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