カムイ伝全集―決定版 (第1部) (ビッグコミックススペシャル)1~15 白戸三平(著)
2005年11月1日~2006年6月1日 |
午前6時起床。浅草は晴れ。鉄蔵さんの置き土産、カムイ伝全集を読んでいる。白土三平の画業50年を記念する全集の出版だが、全38巻全部をいただいたのだ。
第1部が15巻、第2部が12巻、外伝が11巻で、あたしはやっと第1部を読み終えたところだが、なるほどこれは、昭和の時代が創り出した傑作といえよう。
しかし傑作とはなんだ、と聞かれると困るのである。
おびただしい数の登場人物、話しの展開の混乱さ、一見するとだらだらした物語が延々と続くように見える。しかしその延々がいいのである。
その延々と続く話には、マルクスの唯物史観がある(たぶん)。人間社会にも自然と同様に客観的な法則が存在している、というアレである。
無階級社会から階級社会へ、階級社会から無階級社会へと、生産力の発展に照応して生産関係が移行していくとする歴史発展観である。
その一時代(1600年~1650年頃)を書いた物語であるので、物語も「差別」はおびただしい。そのおびただしい「差別」が延々と続くのである。
(後程書く)