審査会で出された主な影響東京電力福島第一原発事故について、被災者らへの損害賠償の指針を定める文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の初会合が15日、開かれた。各省庁が持ち寄った被害報告からは、農水産業、観光、交通機関、医療など各方面の深刻な影響が浮かんだ。

出荷制限農家8万4000戸
トラック51社が営業休止
宿泊のキャンセル39万人

農産物の出荷が制限された福島、茨城、栃木、群馬、千葉五県の野菜や原乳などの年間産出額は六百七十一億円、影響する農家数は延べ八万四千戸。(略)

東京電力から支払われることになった仮払金は避難者のみが対象で、農作物などは対象外。風評被害も深刻で、規制外の野菜も周辺の県産というだけで市場価格が半減するなどの影響が出ている。

輸出用の農水産物でも、海外取引先からキャンセルが相次いでいるという。農林水産省のまとめでは、輸入停止や放射能基準適合証を要求するなどの措置を取っているのは二十九の国・地域に及んでいた。担当者は「安全確認の後も規制は長期化する恐れがある」と説明した。

こうした状況は、食品関連だけでなく、繊維や自動車、観光などにも広がっている。 原発による被害は現在も続いているが、審査会では被災者らの迅速な救済が必要だとして、被害が明確なところから前倒しで補償対象とする方向で一致した。国の指示により、避難した人の避難費用、休業補償などについては二十二日の第二回会合にも指針の原案を提案、承認する見通し。(略) (東京新聞


問題は東電の支払い能力

午前5時20分起床。浅草はくもり後はれ。東京電力は福島第一原発事故の賠償金はどうするのだろうか。あたしは、東電は今回の事故で事実上倒産するだろう、という見方をしていた。

今回決定した仮払金だけで500億円だそうだ。この500億円は内部資金で支払うそうだが、これは避難住民に対する、ほんの一握りの補償にしか過ぎず、一説(メリルリンチ日本証券の試算)では、半年で放射能漏れを食い止め、2~3ヶ月の検証期間をおいた場合でも、4兆~4兆5千億に上ると試算されている。

問題は東電の支払い能力で、清水社長も大規模なリストラに踏み切る意向を示したが、当面の資金は大丈夫だとしても、事故による東電の社債の格付けの下落により、新たな資金調達は限界があるだろう。東電も国の支援を待っているような状態で、賠償の原資をどうやって生み出すかが、これからの課題だろう。