一の酉の今日、古い人間ばかりでで混み合う浅草の街を、出張の段取りをしに雷門のJTBへ出向き、帰りに、カツ吉の元祖味噌とんかつで昼餉(ランチ)にした(ご飯と味噌汁は別途で+450円。つまりこの店には定食がないのである)。
カツ吉は、餃子とんかつや、納豆とんかつ等、かわったトンカツメニューが山ほど並んでいるかわりとんかつの店で、トンカツ屋としては邪道だろうが、楽しいから許せる店なのである。
今日食べた味噌とんかつは、薄い二枚の肉の間に、甘い味噌を挟んで、それをからりと揚げたもので、食べるときには、ソースをかけずにそのまま食べる。それで十分にご飯が食べられるのであるから、味付けはしっかりしているし、軽やかな食感は食べ心地も良い。
ただガツンとしたとんかつではないので、脂身のついた豚肉が食べたい、という欲望には答えられないかもしれない。しかし資本主義の極意は欲望に答えるのではなく、欲望を顕在化させることなのだから、かわったとんかつを食べたいという欲望が生まれればそれいいのである(食べ終えた途端にその欲望は消えてしまうのだから)。
あたしは、ここのころもが好きで、これでハムカツを揚げたらさぞかしうまいだろうな、と思うのだけれども、そんなことを頼める筋合いもない。浅草1丁目は、あたしの町内会からは遠いのであるが、たとえ同じ町内会であっても、そんなことはしてくれないだろう。
ちなみにこの店、店内撮影禁止なのだそうで(写真を撮っている暇があったらサッサと食えという書かれていないルールが書かれている)、だから味噌かつの味噌部分の写真がないのである。
元祖味噌とんかつ カツ吉 (がんそみそとんかつかつきち) (とんかつ / 浅草) |