相撲協会と建設業協会の弁証法午前6時30分起床。浅草はくもり。16日に予定されている、宮崎地区建設業協会での講演の準備をしていた。

明日は病院なので(またか、なんて思わないで欲しい。4ヶ月に1度になった目の検診なのだ)、今日が実質最後の日なのだった。

演題は『相撲協会と建設業協会』。

退院後二度程やってみた講演は、どちらもあまりうまくいかず、あたしの期待を裏切るには十分であった。

今回は、たった30分の講演であるけれど、今度こそはの祈りを込めて講演に向かう。向かうからには練習もしなくてはならない。

ただ練習しようにも、ようやく講演内容がまとまったのが昨日という案配で、これまたどうするのだと。間に合わないではないか。


アジール

アジール概念を使って相撲協会と建設業協会を説明しようと思った。なかなかナイスなアイディアだと思うが、アジールってなにかを説明しなくちゃならないのだろうか、と考えたら思い切り滅入る。

しかしそれ以外に相撲協会と建設業協会で起きた様々な問題を説明できる手も考えつかなかったので、そのまま使うことにした。

ただアジールという言葉は使わない。2つの原理を並べるだけだ。まずはアジールの原理としての「組合の原理」。

  • 組合は非農業的、縁の作り出す社会的束縛からの自由の空間。平等。アジール。同一性をもたないトポス。
  • 非農業民。非定着、無縁。「原始・未開以来の自由の伝統を生きるもの」。
  • 「数の原理」で組織される。年齢階梯性(年齢や年次や受けたイニシェーションの回数など)。
  • 「同一性」にかわっての差異を尊重。個性の重視。共同体との断絶
  • 霊的ではあるが肉体性をそなえた神。
  • 未知のものを表現する芸術の神、文学の神。

そしてもう一つはその対立概念 「共同体の原理」。

  • 共同体は農村的「有縁」の世界。安定した同一性をそなえた空間。
  • 農業民。定着。土地に人々は結びつき、それを土台として権力は成り立つ。
  • 人々を結びつけるさまざまな「縁」でできている。
  • 人の社会的地位はその縁によって決定される。
  • 強力な「同一性」の原理が働く(縁でできた集団は、自分たちを外の人々から区別しようとする)。
  • 個性をならして均質なものにする。
  • 排他的な超越する神。「正しさ」を支える法の神。共同体の内部コミュニケーションを維持する。

そしてこの二つの原理は弁証法の様に動く(「組合原理」は「共同体の原理」を下敷きにしている)。これはあたしの思想の基本であって、これをみんな忘れているのだと。まあ、これで分かってもらえてたら儲けもんなのだが。