静のや
3月2日、空知建協の広報IT委員会は早めに終わり、次の予定は午後6時。ちょっと時間があったので、神部さんにお願いして滝川までお連れいただいたのだ。お目当ては滝川駅前にある「静のや」というお好み焼き屋というか大衆食堂(駅前食堂)で、ある雑誌で紹介されているのを見てヒジョーに興味が沸いていたのである。
このお店、生まれも育ちも滝川である神部さん※1も、知っているけれど入ったことはないらしく、曰く、なにか敷居が高い、のだそうだ。その敷居というのは、つまりお金で解決できない敷居の高さ――つまりは「結界」のことであって、そういう結界をもつ店はアジールであることでいい店であることになっている。
午後3時過ぎに滝川駅前に到着。引き戸をあけて店に入ると、店のおかあさんが突然の客を優しくお出迎えしてくれた。店にはお客さんはいなかったが、4席程のカウンターの端に座り、ビールをオーダーする。
豆腐のステーキ
酒肴はなにがいいですかね、と尋ねれば、これはメニューには無いんだけれども、と豆腐のステーキを出してくれた。
たぶんこれは常連さんか、一見でも鬱陶しい客向けなんだろうが、酒肴としては最高の逸品であった。
豆腐に山芋がかけてあって、醤油味に焼いてある。これはうまい粉ものを出す店の仕事の特徴で、なによりもおこげがうまいのだ。醤油味のお焦げを酒肴にビールはガンガンとすすむ。
鶏そうめん
何かもう一品ということで、鳥そうめん(一番上の画像)をオーダー。そばならぬ、そうめんを手繰りながらビールを飲む。こういう酒飲みはたまらない。
タンメンで呑むとか、天ぷらそばで呑むとか、そういうグダグダの飲み方は
しかし空知の鶏肉はなんでこんなにうまいんだろう。鶏の味がうちの近所のとは全く違うのである。このそうめんも抜群にいけてる。鶏の味が違う。
一福のご主人がつくった鹿肉の燻製
そしてこのお店の隣は「一福」という蕎麦屋さんで、それは「静のや」のおかあさんの旦那さんがやっておられる。なので「静のや」と「一福」は通り穴でつながっていて、旦那さんもいったいきたりしてしている(それはけっこう笑える)。
その一福の旦那さんが、鬱陶しい酒飲みに出してくれたのが鹿肉の燻製。桜のチップで旦那さん自ら燻製にしたのだそうだ。一見堅そうにみえるだけれども、じつは非常に柔らかいのである。
一見の客にここまで気を遣っていただいて申し訳ないなーと思えば、次からは常連さんだよ、とおかあさんからの言葉。昼間から飲める店というのは、そういうことでいいのだろう(たぶん)。
途中から、昼酒に加わったたジイさんとバアさんも、またおいでよと声をかけてくれた。5時少し前に店をでれば外は未だ明るい。その明るさが示すのは――仕事もせずに飲んでいていいのか――というある種の罪悪感である。しかしこの罪悪感こそ昼酒がうまい秘密じゃないのか(たぶん)、とあたしは思うのである。ということで午前6時起床。浅草はくもりなのだった。
静のや・一福
滝川市栄町3丁目8-19
TEL 0125-24-3618
営業時間:11:00021:00(一福は20:00まで)
不定休
※注記
- たぶん、である。あたしが知り合った頃はススキノで育っていた。
Comment [1]
No.1かん兵衛さん
師匠、先日はお疲れ様でした!
注記ありがとうございます?(笑)
若きあの頃は ただ華やかな光に群がる夜光虫でしたが、
今は大切な光を探す夜光虫に変態できればと思います。
性質が変わっても虫は虫のままですが、這いつくばって
生きるぞ!でございますw