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2006年07月14日(金) Tweet
盛岡冷麺文法―盛楼閣の冷麺は文法のように美しい。(盛岡市)
盛楼閣の冷麺
昨日の帰りがけ、盛岡駅前の盛楼閣にて、冷麺を食べた。辛み別、普通盛である。
私は辛み別を好む。それは、キムチの入らない、乳白色のスープに色の白い麺が包まれた姿がとても美しいと思うからだ。
縄文的文様
そしてその姿は――その配置による文様は――どこか縄文的であり、文法なのである。
素材の持つ混沌(無縁)を、盛岡冷麺という秩序に纏め上げた、職人的キアスム(創造性)の自信がみなぎっている。
盛岡冷麺文法
盛楼閣の冷麺の特徴はまずその麺にある。麺はまるでモンブランケーキのように螺旋を描き水面(スープ)から高く聳え立っていなくてはならない。
それは東京の人間には殆ど馴染みのない強烈なコシをもち――まるで東北人の粘り腰のような――それを誇示するかのように、高々と盛り上げられるのである。
しかしそれだけなら、このたべものが私を虜にすることはなかっただろう。この麺の個性を際立たせているのは、麺を優しく包むテールベースのスープなのである。
詞と辞
このスープの存在こそが、盛楼閣の冷麺が盛楼閣の冷麺であることを可能にしている――つまり類が無い。 それはまるで、時枝文法でいう詞と辞の関係である。詞は名詞や動詞であり、辞は「てにをは」である。つまり麺は詞であり、スープは辞である。麺はスープによってその意味を成す。
添え物(トッピング)
であれば、添え物は控えめである方がよい。私は最初は辛みを入れないで食べる(だから辛味別で注文する)。辛みのないまま2/3程食べたところで、ようやく辛みを入れる。それも極少量をスープに溶かすだけだ。そしてそのスープに卵の黄身を溶かすのである。
修飾詞
そして控えめといえば、卵と果物、それに焼肉と胡瓜の甘酢漬けもすべて控えめでよいのである。
それらもまた、控えめな修飾詞であることによって、存在が際立つことを忘れてはいない。しかし無ければ無いで寂しいことで、これもまた全体(盛岡冷麺)の一部を成す。優秀なバイプレイヤーとは、個性をこれみよがしに露出することなく、個性を際立たせせるものである。
2007年9月3日。向井田さんとの昼食は、冷麺(辛み別)。完璧な冷麺文法。
盛楼閣 (麺類(その他) / 盛岡)
★★★★★ 4.5
盛岡市盛岡駅前通15-5 GENプラザ2F
019-654-8752
[盛岡グルメマップ]
投稿者 momo : 2006年07月14日 10:30 : Newer : Older
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