モモログ

小泉チルドレンは、パトリなきエコノミストであって、「国民の気分」が生んだ「数」でしかない。

つまり依って立つ地盤（テリトリー）がないのだから、自分の足で立っていない。親亀がこけたら皆こけるのである。

もっともその役目は単純で、自民党内のテリトリー性（贈与共同体＝反体勢力）の円環を断ち切ること。

そしてその役目は終えた。

今、安倍改造内閣が目指している（とされる）、悪党的で懐の深い、しかしリベラルな自民党（つまり自民党復古主義）では、（その破壊者である）彼（女）らの居場所はなく、「小泉チュルドレンは何の役にもたたない」のは当然のことだ。

しかし、役にはたたなくとも、ちゃんと反乱はするのだから、面白い。

そこでは、小泉さん的自民党（一人親亀性）を懐かしむ声がでてくる。（小泉さんは好きだけれども、安倍さんは嫌いだ、と――たしかに子供だわ）。

こうなると、小泉チルドレンは、小泉さんが自民党内にしかけた時限爆弾のように機能してしまう。

スイッチは彼（女）らの議員としての存在が危機に瀕したときに入る、とでも言えばよいわけで、とてもわかりやすい。

それを、郵政民営化法案に反対して離党した平沼赳夫の無条件復党問題が象徴している（だけのことだ）。

平沼さんは、衆院選で落選した「郵政反対組」の復党を要望しているが、これもいやらしくて（怨念がこもっていて）とてもわかりやすい。

これを執行部が受け入れれば、小泉チルドレンが、次の衆議院選挙で用無しになる確率が高いのは当然のことだ。

なにしろ、次の選挙では自民党は「地盤」の選挙をやろうとしているのだからね。先の衆院選で落選した「郵政反対組」（強烈な地盤選挙をする人たち）を復党させた方が、選挙は戦いやすい。

その戦略は参議院選での地方での惨敗をみればそうなるしかない、というものなので、今の自民党にはどしようもない。（やらなければ民主党がやる）。

なにせ（私の知る限りだが）、多くの地方の自民党支持者たちは、小泉チルドレンを「我がパトリの代表」としては認めていない――ことで（参議院選挙で惨敗した今）次の選挙で熱を入れて応援をする気力もない。

それは小泉チルドレンの「身から出た錆」だろう。

中川泰宏氏は「衆院で仲間が増えたのは小泉改革を認めたからなのに、（復党は）小泉改革を否定することだ。国民はアホではない。必ず気づいて（反自民で）動き始める」と批判した。

はい、国民は馬鹿ではございません。だから反自民で動きました。反自民＝小泉チルドレンの皆様は不要なのでございます、というロジックの方が今は強い。「国民の気分」としてだけれども。

であれば、私は、是非、小泉チルドレンの皆様には、自民党から離党して、新党小泉でも、新党竹中でも結成して欲しい、と思うのだが、なにかそれも、小沢さんは計算に入れているはずなのであって、いやらしい。

先手は今や小沢さんが握っている。

負けのスパイラルに入り込むと、まあ、ろくなことがない、という組織の終焉の縮図を見せつけられているようで、自民党支持者としてはしんどいのでありますが、他所事だと思えば、こんなに楽しいものは滅多にお目にかかれないだろうな、と思う今日この頃なのであります。

追記

小泉さんは、派閥がないことを良しとしたのだけれども、結局は、「新派閥結成の動き」なわけで、政治というものは、単なる個人の集団では、できない、ってことだね。

関連記事

「立花隆：週刊現代が暴いた“安倍スキャンダル”の全容」について。（2007/9/15）

安倍首相が辞意―自力と他力。（2007/9/12）

安倍首相「職を賭す」―自衛隊の給油活動継続問題で。（2007/9/10）

このエントリーのトラックバックURL

https://www.momoti.com/mt/mt-tb.cgi/1361

Listed below are links to weblogs that reference

「小泉チルドレン反乱、新派閥結成の動き　冷遇に不満」は小泉怨霊時限爆弾だろうな。 from モモログ

トラックバック

平沼赳夫 from ニュース速報　気になるニュース （2007年09月11日 14:31） 平沼赳夫氏の自民党復党で混乱しているようですが、私には小泉チルドレンがダダをこねているような気がします。 ...

不安を募らす小泉チルドレン from ニュースサイト （2008年09月03日 18:07） 　「前回のような風は期待できない」「粛々と準備を進めるだけ」－。福田康夫首相の突然の辞意表明で年内の解散総選挙もささやかれる中、平成１７年の郵政選挙で初当... ...